食道をゆく 第16回 糖葫蘆

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タンフールー
糖葫蘆
~浙江省杭州市~

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酸味と飴の甘味が絶妙なコンビネーション。最近はナッツ類をまぶしたものも多い

中国の冬の風物詩
病気をピタリと治した

 サンザシを団子のように串に刺して飴で固めた中国の伝統菓子「糖葫蘆」。
寒い風が吹く季節になると、街のここそこに顔を現し始める、中国の冬の風物詩だ。
その誕生については、首都が臨安(今の杭州)に置かれていた南宋時代にまで遡る。
 時は、南宋の第3代皇帝・光宗が在位していた紹煕年間(1190年~1194年)。
ある日、彼の最愛の妃・黄貴妃が病の床に臥してしまった。
肌は黄色くやつれ、食欲もないという。
お抱えの医師らがありとあらゆる高価な薬を試すが、どれも効果がなかった。
 日に日に憔悴していく妃の姿を見て、仕方なく皇帝は医者を一般から募った。
すると、ある漢方医がやってきて、妃の脈を診るなり、
「氷砂糖とサンザシの実を煮つめたものを毎食前に5~10個食べれば、半月後には治りますよ」と言った。
皇帝たちは半信半疑だったが、言われた通りに試してみると、何とぴったり半月後には病が治ったのだ。

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四季とともに異なる表情を見せる西湖

 この話が民間に伝わり、庶民たちが串に刺して食べるようになったものが、今の「糖葫蘆」だ。
串には実の大きなものを下、小さなものを上に刺していたので、
その〝葫蘆〟(ひょうたん)のような格好から、名前がつけられた。
今ではサンザシのほかにイチゴ・みかん・プチトマト・山芋など、様々なものが飴がけにされている。
 妃の病を治したサンザシの実には、消化不良に良く効き、
血脂や血中コレストロールを低下させる効能もある。
1本3元程度~で売られているので、杭州観光メッカの西湖をゆっくり回りながら食べてみよう。

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【アクセス】
上海南駅から「動車組」(新幹線)で杭州まで。
約1時間20分、54元~。5時台より1時間に3本程度

~上海ジャピオン12月4日号より

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