ジャージアンミエン
炸醤麺
~北京市~
街の露店では、1杯約4元で売られている
スープなしの簡素な麺
ファストフードの開発で
麺の種類は数あれど、夏に中国で食べたくなる麺の代表格といえば、炸醤麺(ジャージャーメン)だ。
ゆでた麺に味噌で炒めた挽き肉と千切りのキュウリやネギなどをのせ、さっぱりと食べられる。
この炸醤麺の由来については諸説あるが、いずれも伝説の域を出ない。
ここではまず、麺の誕生まで遡って検証してみることにしよう。
そもそも、麺は今から約4000年以上前に発明されたもの。
しかし当時の麺は全てスープと一緒に煮込んだものだった。
しかも現在のような庶民の食べ物ではなく、大きい碗に並々と注がれたスープに、
海鮮などを添えたものは高級品とされていた。
そして時は明朝末期となり、陝西省で起こった大干ばつをきっかけに、反乱が勃発。
農民反乱軍を率いた李自成(りじせい)が、都の北京に攻め込んだ。
世界遺産の天壇では、明清時代に皇帝の祭祀が行われていた。
付近には炸醤麺の専門店「老北京炸醤麺大王」もある
反乱軍たちは長期にわたる戦闘生活の中で、いつでも攻められるよう、
またいつ攻められても大丈夫なように、ファストフードの研究を行っていた。
そこで、今までスープと一緒に煮込まれていた麺も、
スープをこぼさないように予めゆでた汁なし麺が開発された。
これが汁なし麺の起源となる。
その後さらに、日持ちのするよう塩辛く味付けされた味噌挽き肉をかけるようになり、
これが炸醤麺の原型となったとされる。
日本では、炸醤麺に使用される味噌は甘めの味付けが多く、
現在では中国でも甘めに作られたものが増えている。
しかし、主流はやはり塩味。
古代から研究され続け、今でも庶民に愛されている本場の塩辛い炸醤麺を、食べに行ってみよう。
【アクセス】
①上海虹橋または浦東空港から北京首都空港まで飛行機で約2時間
②上海駅から「動車組」(新幹線)で北京まで約10時間、二等席327元~
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~上海ジャピオン7月23日号より