■夜は住人たちの空間 民家ならではの一泊
20時も過ぎる頃には、通りは人気もなくすっかり静かになった。それでも、観光エリア内は入場料金を支払った観光客か現地の住人しかいないため、安心して歩ける。水路沿いの通りのあちこちでは、ベンチに腰掛ける老人たちや、子ども連れで団欒する家族の姿を見かけた。そこには、昼間にはないくつろいだ雰囲気がある。
さて、泊まるとなると当然宿を探すことになる。「住宿」と書かれた中国人向けの宿の看板なら、観光エリア内を歩くだけでいくらでも目に入る。外国人向けの宿泊施設なら、現代式のホテルと、古い建物を利用した民宿に大きく分けられる。今回選んだのは、双橋のそばにある「貞固堂」という民宿。
外見から周囲の古い民家と変わらないこの宿は、内部も歴史を感じさせる古い造りがそのまま活かされていた。今回泊まった部屋には、なんと天蓋が付いた中国の伝統的な木製ベッドも備わっていた。薄い壁ごしに聞こえる隣人たちの談笑も醍醐味のうちとして楽しみつつ、最後まで水郷のムードを堪能できた。
翌朝は、早起きして町を歩いてみた。日の光の下で、静かな水郷を楽しめる一瞬だ。南湖まで行けば、湖に映る朝日も見ることもできる。住人たちが通りで挨拶を交わすのどかな光景を見ながら、周荘を後にした。
上海へ戻るには、周荘汽車駅を利用した(観光エリアの外にたむろしている自転車タクシーで約10分)。ここから上海火車駅まで直通の長距離バスが出ている(片道22元)。
最後まで、昼とは違った魅力を楽しめる泊まりがけの水郷観光。暖かくなった今こそ、楽しんでみてはいかがだろう。
周荘での宿泊ガイド
主な宿泊施設
【雲海度假村】TEL:5721-1977 価格:360元/室
【三牛花園酒店】:TEL:5721-1488 価格:400元/室
【周荘賓館】TEL:5721-6666 価格:400元/室
【貞固堂(民宿)】TEL:5721-2009 価格:220元/室
【貞豊人家(民宿)】TEL:5721-6036 価格:220元/室
※価格はあくまで参考です。
部屋のグレードやシーズンごとに異なります。
周荘の気候は上海市内とほとんど変わらないので、泊まりがけといっても、とりわけ注意すべきことはない。外国人むけの宿なら、エアコン、バスルーム、タオルや石鹸なども揃っているので安心できる。
ちなみに、翌日に上海へ戻る際は、前日の旅行バス往復チケットがあれば、翌日の旅行バスの復路に乗せてもらえるケースがある。ただし空席があることが前提で、要相談。バスの発着時間は決まっているので、事前に確かめておこう。
~上海ジャピオン3月9日発行号より