デザイン雑貨店を巡ろう
深まる芸術の秋、日常生活の片隅にアートを取り入れてみては?
今週は編集部が、デザイン雑貨&インテリアのイチオシショップをセレクト
自分好みの一品を見つけ、毎日を少しだけ贅沢な気分で過ごそう!
【ANNABEL LEE SHANGHAI】
モチーフの向こう側
伝統芸術への敬意
どうせ上海で雑貨を買うなら、デザイナーのセンスの光る「メイド・イン・シャンハイ」のグッズを手に入れたいもの。外国人と中国人デザイナーが共同制作するブランドもあり、独創的なアイテムを扱うショップも増加傾向にある。日用品からインテリアに至るまで、その種類&テイストは様々。時には財布の紐を緩めて、こうしたデザイナーズ雑貨店を巡ってみよう。
そんな上海雑貨ブランドの代表的な存在が「アナベルリーシャンハイ」だ。現在市内には、全シリーズの商品が揃う「バンド旗艦店」と売れ筋だけを集めた「新天地店」の2店舗を構えている。
インテリア類、ファッション類、小物類など扱うアイテムは合計200種類以上。手刺繍ならではのふっくらとした風合いを持つ作品が多い。
主なデザイナーは中国人。
日本人太太たちが声を揃えて「好き」と言うデザインセンスは、彼らの中国の伝統芸術に対する深い造詣から生まれる。例えば、「窓」シリーズ。蘇州の拙政園や留園などの建築様式に多用される「すかし窓」をベースにそこから覗き見える中国の風習、自然、生活文化を表現する。ただ表面的にモダンなデザインを施しているのではなく、モチーフ、ひいてはその向こう側にある伝統芸術に対する敬意が各シリーズを作りあげている。
新作は「蝶恋花」シリーズ。現在はシルクのショールが発売されたところで、年末のパーティシーズンに向け、生産が追いつかないほどの人気商品となっている。
【バンド旗艦店】
TEL 6445-8218
住所 中山東一路8弄1号
営業 10時~22時
www.annabel-lee.com
【新天地店】
TEL 6320-0045
住所 太倉路181弄 新天地広場北里3号単元3
営業 10時~22時半
日常使いできるデザイン小物
【Shanghai Trio】
有名ブランドの隠れ家
呼び鈴を鳴らして中へ
上海で有名なシノワズリショップ「上海トリオ」。その復興西路店は、看板も出ていない洋風の老房子の中にひっそりとある。
現在店内には、フランス人オーナーと3人の中国人デザイナーが生み出した、「紙と墨」をテーマにしたユニークなマフラー、カバンなどの女性が日常的に使えるアイテムが豊富に並ぶ。日本人に人気が高い定番のポーチなども、ややスモーキーで繊細な色使いの商品が揃っており、色に対するこだわりも伺える。
復興西路は、閑静な住宅街に混じって、雑貨ショップやカフェが散在するエリア。散策がてらに訪れたい。
【Shanghai Trio】
TEL 6433-8901
住所 復興西路37弄6号
営業 9時~18時(土・日曜日は休み)
マフラー 530元
手提げバック 440元など
【Pattern】
小さな感動が生む
個性的な柄の布
福州路にある「パターン」は、中国人デザイナーが作る個性的な柄の布とその布を使った服や雑貨の店。
同店の布は、市場で見かけた白菜の形の美しさを写しとった白菜柄、一昔前のノートのシンプルな作りに魅かれてデザインしたノート柄など、デザイナーの小さな感動を表現したもの。この布とニットの異素材を組み合わせたマフラーもクリスマス前には売り切れそうな人気商品だ。
同店のすぐ近くには、同じデザイナーが経営する現代中国テイストのカバンや靴の店「蘇州コブラーズ」や、陶器ショップ「海晨」がある。
【Pattern】
TEL 6329-9656
住所 福州路19号
営業 10時~18時半各柄布1m 180~310元
マフラー 320元など
【ZEN lifestore】
手工芸と現代色彩の融合
ハイセンスな食器が豊富
伝統的な手工芸と現代の色彩感覚が融合された雑貨を扱う「ゼン ライフストア」。店内には、アンティークの風合いを持ちながらも生活空間にも取り入れやすいインテリア雑貨が所狭しと置かれている。
すべて手で描かれた鮮やかな花柄の皿やソープボトル、「中国の伝統工芸を守る」というコンセプトで作られた明・清代の磁器のレプリカは、見た目も良く実用性も高い。また、天然石とスワロフスキーのクリスタルガラスで作られた照明も独自の商品だ。
東平路には「ラピスラズリ」や「シンプリーライフ」など雑貨店が集中。まとめて見て廻るのがオススメだ。
【ZEN lifestore】
TEL 6437-7390
住所 東平路7-1号
営業 10時半~22時半(金・土~23時半)
茶杯 75元前後
花柄のソープボトル 118元など
【宋芳】
宋先生と芳小姐
青空色の茶器セット
永嘉路にある「宋芳」は、ことし8月にオープンしたティーハウス。お茶を飲めるのはもちろん、フランス人女性オーナーのフローレンスさん自らがデザインしたマグカップやティーポットを購入できる。
彼女が1950年代の中国のレトロなブリキ缶からイメージを得て作ったというキャラクターは、宋先生と芳小姐。発展を続ける上海にあっても農村が持つ良さを忘れないでほしいという願いをこめて、彼らの手には茶葉や鎌を持たせ、グッズのメインカラーは空色となった。
陝西南路に建ち並ぶ花屋や食器店を見た後は、こちらで買物ついでにお茶をしたい。
【宋芳】
TEL 6433-8283
住所 永嘉路227号甲
営業 7時半~19時半(月曜日は休み)
茶筒(青)58元~
ポット(青)418元など
存在感を放つデザイン家具
【半木】
穏やかで雄弁な
木造りのインテリア
新天地近くの「半木」では、テーブルやイス、棚などの家具や、ペーパーナイフ、香立てなどの生活雑貨を、家に見立てた小さな店内にディスプレイしている。
同店のデザイナーの呂さんの作品は現代建築を彷彿させる独創的な形で、手作業の温もりとメッセージが伝わってくる。例えば、個性的な立体構造の香立て。上の面に並んだ無数の穴から煙がきれいにたゆたう様子は、忙しい日常をひととき忘れさせてくれる不思議さがある。
「今は物が溢れる時代だけど、人の気持ちは物では半分くらいしか満たされない。残りは、人との繋がりとか精神的なものが埋めてくれる」と、呂さん。これからも単なる〝物〟としてではなく、使ってくれる人にそれを気づかせるメッセージを発する作品作りを続けていきたいという。
生活とは何か、東洋の魅力とは何かを問いかける数々のアイテム。そんなヒントをくれる、穏やかで雄弁な作品に出会える店だ。
【半木】
TEL 6386-2985
住所 馬当路264号
営業 11時~21時
バスルーム用香立て 128元
小テーブル 1980元など
【古董花園】
西洋風アンティーク
オーダーメイドも
に隠れるように佇む「古董花園」。道沿いからは看板が見えにくいので、思い切って覗きこんで見よう。ヨーロッパ調のアンティークと、オールド上海を思わせるデザイン家具たちが迎えてくれる。
1階には大きめの棚や化粧台、アンティークなスタンドライトなどが置かれ、螺旋階段を登った2階には、椅子や小棚などが置かれている。
同店デザイナーの作品は、親子3代家具デザインをしているというだけあって、中国の伝統を巧みに取り入れたアンティーク調なもの。オーダーメイドも受け付けており、利用する日本人も少なくない。
【古董花園】
TEL 5382-8646
住所 南昌路216号営業 10時半~20時
西洋ランプ 2000元前後~
アンティークの椅子 1800元前後~など
椅子はオーダーメイドも可能
【Paddy field】
東南アジア雑貨と
明・清代風のデザイン家具
デザイナーズ家具と、タイやインドネシアから買い付けた家具・インテリア雑貨が並ぶ店『パディーフィールド』。その建国店は東南アジアの家具を中心とした品揃えだ。
東南アジアの家具は、小さな棚、テーブル、ベッドなど、気軽なものから大型家具までが並ぶ。デザイナーズ家具は、明・清代のアンティーク調ながらも、テレビ台やCDラックなど、現代のライフスタイルに合ったものが見つかる。
支店の湖南店はインテリア雑貨、濾青平展庁店はデザイナーズ家具をメインに扱う。
【Paddy field 建国店】
TEL 6467-4128
住所 建国西路273号
営業 10時~18時半テレビ台(大) 5200元
大型CDラック 2800元前後~など
~上海ジャピオン11月16日発行号より