二大王道カップ麺対決
中華風カップ麺といえば「牛肉麺」。鉄道駅の待合室や列車内では、必ず赤いパッケージの牛肉カップ麺をすすっている人がいる。それが「統一」や「康師傅」の「紅焼牛肉麺」だ。
しばしば比較されるこの2つのブランド、今回食べ比べてみたが、味は似たり寄ったり。日本の醤油ラーメンの味により近いのは「康師傅」の方だった。ちなみに、どちらのカップ麺にも作り方の説明が書いてなくてビックリ。一般的なカップ麺と同じく、調味料とかやくを入れ、湯を注いで3~4分待てばOKなのだが、作り方を省くとは日本なら考えられない…。中国人なら作れて当たり前でしょ、ということなのだろうか?
一方「食族人」の牛肉麺はこれらの麺と打って変わり、中華料理の牛肉麺の味を再現した本格派。細麺がスッとのどを通り、辛さが鼻を抜ける。
本格こだわり麺が登場
豚骨味のカップラーメンは、日本ではこだわりのブランドがしのぎを削る人気のジャンルだ。
中国では牛肉麺に続き、豚骨麺でも「統一」ブランドが圧倒的存在感を放つ。「湯達人」シリーズの豚骨拉麺はカップタイプだけでなく、袋麺でも販売。深みがないのっぺりとした味のスープや、ペロンとした謎の肉は、チープな味が好きな人ならやみつきになるはず。キャベツなど野菜を投入してもおいしい。
一方、手作りの半生麺と、オシャレなパッケージで人気が高い新進気鋭のブランド「拉麺説」は、本格的な味で売り込む。確かに弾力のあるストレート麺や、くどくないスープはとてもインスタントとは思えない味。ただ、チャーシューがサラミのような匂いと味で、とても残念。これさえなければ、編集班的には断トツで1位に推したい。
鶏ベースでも味は様々
中華インスタント麺界ではややマイナーな、鶏肉や鶏ガラスープを使った麺。どんな味なのか見ていこう。
先の豚骨麺でも紹介した「拉麺説」。豚骨ラーメンがおいしかっただけに、こちらにも期待が高まる。が、このラーメンの辛いこと…! 同ブランドは「激辛地獄」味も出しているが、食べられたものじゃないだろう。
一方「稲花香」のビーフンカップ麺は、珍しく薄味。〝食べても太らない〟が宣伝文句だが、実際のカロリーは麺だけで約240㌔。日本のスープ春雨が70~110㌔カロリーということを考えると、そんなにヘルシーでもないのでは。
最後に食べた「公仔面」のチキンヌードルは、まさに日本の味で感動。同社は元々中国香港のブランドだったが、1989年に日本の日清食品に買収されたそうだ。
~上海ジャピオン2020年7月3日発行号