流星群を観に行こう!

流星群を観に行こう!


1年のうちで、星の観測に最も最適と言われる冬の季節。
凛とした夜空を彩る、ことし最後の流星群が間もなく飛来する。
めったに出会えない流れ星、この機会に大事な人と夜空を見上げに行こう!

流れ星に願いを
12月14日流星群飛来

 クリスマスを間近に控える12月7日(金)~17日(月)。サンタクロースがちょっとだけ気の早いプレゼントを地球に落としてくれる。それが「ふたご座流星群」だ。
 ふたご座流星群は、1年の中でも最も観測しやすい流星群のひとつだと言われている。決まった時期に来ることが分かっているため予想が立てやすい上、他の流星群に比べ明るく、光っている時間も長い流れ星が多いからだ。
 また、上海天文台に勤める湯海明氏によると、ことしは特に好条件とのこと。去年や一昨年は月明かりに遮られ、観測数が減ってしまったが、ことしの極大日となる12月15日(土)の深夜0時45分、このとき月は既に沈み地平線の下だ。「我々天文愛好家も、2007年で一番注目している流星群です」と湯海明氏も熱を込める。この日の夜から早朝まで、1晩に流れる星の数は約1000個と予想されている。星たちのフィールドとなった夜空に、多くの流星が駆け抜けることを期待したい。
   

中国科学院上海天文台に勤務する湯海明氏

「星を観測するのに大切なことは2つだけ。暗くて広い場所であることです」。湯海明氏はこう述べるが、上海にあるの? と思案する人は多いのではないだろうか。実は市中心部から1~2時間ほど離れると、この観測条件を満たす場所というのは意外とある。
 家族で小旅行気分で少し遠出したり、友達同士レンタカーを乗り合わせたりして星浴に出かけよう。天気に恵まれればきっと、サンタクロースからの贈り物を受け取れるはずだ!

【ふたご座流星群こぼれ話】

 ふたご座流星群の母天体(流れ星の元)の名前は、惑星パエトン。
ギリシャ神話にはこのパエトンに纏わるこんな物語が残っている。
 ある日パエトンは、自分の父親が太陽神であることを知る。しかし、友人たちに嘘つきだと責められ、証明するため父親である太陽神に頼んで1日だけ黄金の馬車を借りた。
勇んで乗り込んだパエトン。だが、慣れない御者に馬たちは暴走する。
ボロボロになっていく空や大地。太陽神はこの惨状を止めるためなんと馬車に雷を落とした。
哀れパエトン、馬車とともに燃え盛りながら落ちて死んでしまったのだ。
ふたご座流星群は、パエトンの乗った馬車の火の粉なのかもしれない。

タイプ別オススメスポット

ファミリー向け【東方緑舟】

子どもと一緒に家族で流星ウォッチングとなれば、宿泊施設があるとなお良い。
 「東方緑舟」は、淀山湖の湖畔に位置する広大なレジャー施設。
 開園時間は5時までなので本来夜は入れないのだが、ホテルに宿泊すれば夜でも園内を散策できる。
 園内には青々とした芝生が絨毯のように広がっている。
 その間を縫うようにいくつもの小川が流れ、各所に小さな橋がかかる。
 また、「緑舟賓館」から徒歩5分ほどの場所に、上海最大とも言われる芝地「大芝坪」もある。
 家族で芝生に寝転んで、ベンチに並んで座って夜空を見上げよう。
 また、子ども連れの星空観察の際に気になるトイレなどの設備も、すぐそばにホテルがあるので安心だ。
 園内には、4つ星クラスの「緑舟賓館」や、テニスコートやサッカー場など様々なスポーツ施設を有する「緑舟度假村」などがある。
 どちらも人気宿泊施設のため、1週間以上前に予約を済ませるのがベストだ。

アクセス
東方緑舟  住所: 滬青平公路6888号(×紅星路)
■タクシー
人民広場から約1時間 約130元(普通料金)

■バス
上海体育館旅游集散中心より
旅游4号線で約1時間
入場券とバスのセットチケットで76元 ※帰りの最終バスは16時

■ホテル
・緑舟賓館(4つ星クラス) TEL: 3920-0888 デラックスツイン588元~
・緑舟度假村 TEL: 5923-3168 スタンダードツイン360元~
※ともに別途サービス料15%

カップル向け【碧海金沙】

 カップルで海辺を星空散歩といえば、1度は憧れるシチュエーション。
 ささやかな潮騒の音が耳に届く、星浴散歩に出かけよう。
 市中心部から浦東へ渡り、浦星公路を一路南へゆくと、市で最大規模のビーチ「碧海金沙」がある。
現在はオフシーズン、また深夜営業は行われていないが、浜辺近くまで行くことはできる。
ボート乗り場にかかる木製の桟橋や、弧を描いてビーチに張り出すチケット売り場のデッキが見所。
 水平線に浮かぶ夜空に目を凝らして、流れ星を見つけよう。
 また、海辺に星浴に行く場合はいくつか注意が必要だ。
まず、冬の海辺は風が強いので寒さ対策には十分留意したい。
また、人気も少なく暗いので、必ず懐中電灯を持参し、足元や周囲には常に気を配ろう。

アクセス
碧海金沙  住所: 金匯路(×浦星公路)
■タクシー
人民広場から約1時間半 約170元(普通料金)
■バス
興安路(×黄陂南路)のバス停より「濾海専線」で約2時間(9元)。30分おきに発車。 帰りの最終バスは16時前後。
「碧海金沙」へは、さらに「海湾一線」に乗り換え、「碧海金沙」で下車(1元)。
■ホテル
・海湾浪音酒店(4つ星クラス) 金匯塘路2-4号(×海鴎路)
TEL: 5712-1222 TEL: 135-6482-9873(日本語専用9時~18時)
エコノミールーム375元~ ※現在サービス料なし

マニア向け【東灘湿地】

天文ファンならここまで行きたい。
上海の天文愛好家も認める本格的スポットが、上海の北部に浮かぶ「崇明島」。
そのスポットとは、島の東に位置する「東灘湿地」だ。
 島へ渡る船を降り、タクシーで約1時間。目的地に近づくにつれ、どんどん視野が開けていく。
到着し、タクシーを降りて少し歩くと、静寂に包まれ広陵とした湿地が広がる。視線を遠くに霞む地平線に向けると遮るものは何もなく、空と大地が視界を二分する。
 ただ、上海へ戻る船は夜9時が最終なので星を見るなら宿泊が必要。島内の移動は夜ならタクシーとなるが数が少ないので、出迎えサービスのあるホテルを選ぶのも手だ。
東灘国際会議中心に宿泊した場合、別途料金となるが出迎えサービスを利用可能。また、夜間の車チャーターにも応じてくれるという。

アクセス
崇明島・東灘湿地

■港まで 
3号線に乗り宝楊路駅下車 駅前のバス停から宝楊碼頭までバス(2元)で約20分。タクシーなら約10分(9元)。
■港から崇明島まで
「堡鎮」行きの船に乗船。普通船で約1時間半(18元前後)。高速船もある(約40分、23元前後)。行き帰りともに21時最終。
・堡鎮碼頭から東灘湿地までタクシーで約1時間、約90元(普通料金)
■ホテル
・東灘国際会議中心(5つ星) TEL: 6947-7888 別途サービス料15%

レンタカーを利用して流星群を見に行こう!!

星を観に行く場合に便利なのが、レンタカーの利用だ。
 タクシーで遠くに行く場合、運転手が道に詳しくないという理由で断られたり、郊外まで行ったものの道に迷ってしまったりということがある。
 さらに、1~2時間の比較的長時間の移動ともなれば乗り心地も大事な要素となる。
 レンタカーなら、あらかじめ料金が決まっており、車種も選ぶことができる。
 例えば、碧海金沙なら、往復で130㌔前後で、運転手付き7人乗りの日本車をレンタルすると大体600元前後~。
 また、天文台のある?山は比較的近いので、同条件で500~600元前後となる。
 夜間は入場できないが、付近も観測スポットのひとつだ。
 下記のリスト内の会社は、全て日本語対応が可能。ドアトゥードアの星観測ツアーの手助けとしたい。

【レンタカー会社リスト】
■揚子国際旅行社 日本部
TEL: 6473-2589
■メイキ旅行社
TEL: 5169-1114
■ヘンリン旅行社
TEL: 6479-9270
■SKD上海速可達レンタカー会社
TEL: 3432-3798
■上海大衆カークラブ
TEL: 138-1765-1522

 冬の星座を見つけよう


これを覚えて星のプチ博士

冬の夜空の代表格と言えばオリオン座。3つ横に並んだ星と、それを囲む4つの光といえば、見かけたことのある人も多いはず。
 ふたご座を探すには、まずこのオリオン座を目印とする。15日(土)深夜0時前後なら、オリオン座は南の空に浮かんでいる。次にこれを手がかりに、冬の大三角形を見つける。
 まず、オリオン座の3つ星の左上に赤っぽく光る1等星、ベテルギウスを探す。このベテルギウスから向かって左にあるひときわ輝く星プロキオンと、このふたつを底辺に描いた逆三角形の頂点に来るシリウスが冬の大三角形となる。
 今度はベテルギウスとプロキオンをつなぐ線を挟んで、シリウスとは逆の方向に三角形の頂点を探す。そこにひときわ明るく輝く1等星が、ふたご座を作る星の中で最も明るいボルックスだ。この右の方に少し控えめに光る星がカストルと呼ばれている。ふたご座流星群の流れ星のスタート地点である放射点は、このカストルのすぐそば。流星はこの放射点をスタート地点として、360度放射状に流れる。
 ただ、放射点をじーっとみていても、実はあまり見えない。流星は色々な方向に飛ぶので、空全体を見渡していたほうが、見つけられる可能性はより高くなる。
 最後に、12月の上海市の平均最低気温は約3度。郊外はこれより寒くなることもあるので、寒さ対策を万全にして
出かけよう。

~上海ジャピオン11月30日発行号より

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