レストランなどでおじさん2人が、
奇妙なじゃんけんをしているのを
見たことある人も多いはず。
それは恐らく「劃拳(ホワチュエン)」
と呼ばれる中国式の宴会ゲームだ。
「豁拳」とも「猜拳」とも言われるが、
どの言い方にも〝拳〟とあるように、
手を使ったゲームで、
自分の手と相手の手が示した数の合計を
当てるというものだ。
2000年以上前の漢の時代から、
原型となる「酒令」というゲームが遊ばれており、
小説『三国志演義』にも登場する
武将・皇甫嵩(こうほすう)は、
酒令の名人だったとされる。
劃拳には様々な遊び方があるが、
初心者は「十五二十」から遊ぶのがベターだ。
【遊び方】
人数:2人
目的:場に出た手が示す数と
自分の宣言する数を一致させる
①お互い向き合い、先攻・後攻を決定
②両手を使うので、右手と左手それぞれで、
グー(0の意)とパー(5の意)のどちらを出すか考える
③掛け声と共に考えた手を出しつつ、
先攻の人が数字の「0、10、15、20」のいずれかを宣言
④その場に出た自分と相手の手が示す数の合計が、
宣言した数字に合致した場合に勝ちとなる
⑤数字が合致しなかった場合は、
後攻の人に数字を宣言する権利が移動し、
ゲームを続ける
宴会ゲームなので、負けたら、
相手に「罰,来来来,喝酒
(ペナルティーだ、さあ酒飲めよ)」
などと言われ、お酒を飲むハメになる。
勝負のポイントは、
舞い上がって、出るはずのない数字を言わないこと。
自分が両手ともグー(0)を出したのに、
15や20などと宣言していたら、
勝つことは永遠にないだろう。
数字の発音を覚え、お酒を飲みつつワイワイ遊ぼう!
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トランプは、古代中国で遊ばれた「葉子戯」
というカードを使ったゲームがその起源という説がある。
「背水の陣」で有名な漢の将軍・韓信が、
兵士たちの郷愁の念を和らげるために発明したとされる。
その後、13世紀頃に
マルコ・ポーロがヨーロッパへ持ち帰り、
現在のような形になったと言われる。
今回は、中国でメジャーな「変色龍」と、
日本でもお馴染みの大富豪と麻雀を合わせたような
「闘地主」の遊び方を見ていこう。
変色龍
【遊び方】
人数:2~4人
目的:相手に、点数が高い手札をより多く残させる
①各プレイヤーのプレイ順を決め、
ジョーカーを除いた52枚のカードを5枚ずつ配る
②残りのカードを裏返しのまま場の中央に置き
(以下「山」とする)、一番上のカードをめくる
③プレイヤーは順番が回ってきたら、
場のカードと同じスーツ(マーク)のカードか
同じ数字のカードを出し、山から1枚補充する。
スーツを変えたい場合は、
「変色龍牌(カメレオンカード)」
のジャック(J)を出し、変更するスーツを指定する
④手札に該当するカードがない場合は、
山から1枚取り、出せる時は場に出す。
それでも出せない時は、
手札の中から任意のカードを選び、
裏を向けて手元に置く
⑤山と手札が無くなるまで、それを繰り返す
⑥手元に置かれたカードの合計点を計算。
点数が最も少ない人が勝ち、最も多い人が負けとなる
勝負のポイントとしては、
大きな数字のカードを序盤に出して
リスクを減らすことが挙げられる。
また場に出せるカードがある時でも、
相手が出せないことが分かっている場合は、
わざと点数の少ないカードを伏せて、
相手にもダメージを与えるテクニックが必要だ。
闘地主
【遊び方】
人数:3人
目的:早く全ての手札をなくす
①ジョーカー2枚を含む54枚のカードのうち、
1枚のカードを表に向けシャッフルし、
カードを各プレイヤーに17枚ずつ配る。
場には残りの3枚のカードを裏向きに置いておく
②先ほど表に向けたカードが
配られた人が仮地主(仮親)となり、
レート(1~3点)を提示。
地主(親)になりたくなかったら提示しなくても良い。
レートの提示は時計回りに行い、
最も高いレートを示したプレイヤーが地主となる
③地主の決定後、残りの2人は農民となり、
共闘して地主と戦う
④地主は最初に場に置いたカード3枚を手札に加え、
地主から時計回りにゲーム開始
⑤まず地主が「上記のカードの出し方」
で場にトランプを出す。
⑥次のプレイヤー以降は
前のプレイヤーが出したカードの組より強い組を出す。
出せない時や出したくない時はパスをする。
パスは何回でもでき、
最後に出したプレイヤー以外の全員が
パスしたらその場は流れ、
最後に出したプレイヤーから再開
⑦同様にゲームを続け、
最初に手札がなくなったプレイヤーが勝ちとなる。
地主が勝った場合、
最初に決めたレートの点数を2人の農民からもらう。
農民が勝った場合は、
地主が2人の子それぞれにレートの点を与える
勝敗の決め手は、何と言っても〝連携〟。
農民はいかに地主に
強いトランプを序盤に出させるかが鍵になる。
地域によっては4人で遊ぶこともあり、
その場合はトランプ2パックを使用。
各プレイヤーの初期の手札は25枚で、
配り残す枚数は8枚となる。
白熱の対戦を楽しもう。
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日本では中国将棋とも言われる「象棋(シャンチー)」。
夏であれ冬であれ、
道端や公園でおじさんの人だかりができていたら、
そこには、象棋で遊んでいる人がいる確率が高い。
その起源は、古代インドのボードゲーム
「チャトランガ」とされ、
また漢の将軍・韓信が、楚の項羽との睨み合いの最中に、
兵士たちの暇潰しと戦略眼養成用に発案した
という伝説もある。
そのためか(?)、現代中国では、
れっきとしたスポーツ競技だ。
身体を動かすのはどうも苦手…という人は、
春節に頭くらいは動かして、〝知の格闘技〟を楽しもう。
【遊び方】
人数:2人
目的:相手の「帥(シュワイ)」または
「将(ジャン)」を詰める
①駒(棋子)を双方が7種16枚持ち、
上にある初期配置図のように配置する。
先手は赤い駒を用いる
②上記・左記のルールや駒の動かし方に基づき、
先手から自色の駒を1回動かす
③相手の駒を取りつつ、
日本の将棋の王将や玉将に当たる、
「帥」か「将」を詰める。
もしくは、相手の番で相手が
どの駒も動かせない状態(困死)、
チェスでいうところの
ステイルメイトにしても勝ちとなる
ルール
・中央に河が流れている設定で、
縦線は引かれていないが、駒を動かす時は、
線が引かれているものとしてプレーする
・日本の将棋と異なり、駒を取っても、
持ち駒として再利用することはできない
・「帥」と「将」が同じ列にあり、
その間に他の駒が1つもない状態にしてはいけない。
これを「対面笑(ドゥイミエンシアオ)」もしくは、
「王不見王(ワンブジエンワン)」という
・日本の将棋の王手に当たる「将(ジャン)」は、
連続で3回以上繰り返してはならない
・駒が減り、双方が相手を詰められなくなった場合は、
引き分けとなる
駒の動かし方
A.帥(シュワイ)・将(ジャン)
前後左右に1マス分進める。
ただし、「九宮」(上記図参照)から出ることができない
B.仕・士(シー)
斜めに1マス分進める。
ただし、九宮から出ることができない
C.?・馬(マー)
左右→斜めor前後→斜めに1マス分ずつ進める。
将棋の八方桂やチェスのナイトと同じ動き。
ただし、駒が隣接している場合は、
その方向へは進めない
D.相・象(シャン)
斜めに2マス分進める。
ただし、他の駒を飛び越えることや、
「河界(中央の河)」を越えることはできない
E.俥・車(ジュー)
縦横に何マス分でも進める。
日本の将棋の飛車と同じ動き。
〝チャー〟とは読まないので注意
F.炮・砲(パオ)
縦横に何マス分でも進める。
ただし相手の駒を取る時は、
他の駒を1つ飛び越えなければならない。
飛び越えずに相手の駒を取ることはできず、
取らずに飛び越えることもできない。
飛び越えない場合は「俥・車」と同じ動きとなる
G.兵(ビン)・卒(ズー)
前に1マス分進める。
河界を越えると、左右にも1マス分進めるようになる
以上のように、
日本の将棋や西洋のチェスなどのルールが
入り混じった感じの象棋だが、
駒をマスの中ではなく、
マス目の交差するところに置くなど、
細部で微妙に異なり面白い。
初めは、「炮・砲」の動きなどに戸惑う可能性が高いが、
日本の将棋のルールを知っていれば
すぐに覚えられるので、
中国人の友達に習いつつ遊んでみよう。
~上海ジャピオン01月20日号