上海学生食堂めぐり

蒸篭で食べるご飯
蓮の葉の芳しい香り
最初に紹介するのは、
上海大学宝山区校、
爾美餐庁2階の「籠格飯(蒸篭ご飯)」。
同メニューは、
昨年の「校園十大美食」で3位に入賞し、
同食堂の人気メニューとして定着している。
蒸篭の上にたっぷりと盛られたご飯の上に、
ジューシーな牛肉と青菜がドンと乗った
ボリュームたっぷりの同メニュー。
甘ダレのかかった牛肉が下のご飯に染み込み、
さらに、下に敷かれた蓮の葉の香りが、
より一層食欲をかきたてる。
牛肉のほか、鶏肉や豚肉を選ぶこともでき、
野菜や卵などの具材もトッピング可能。
同食堂はメニュー数が多いことで知られ、
ほかには「鉄板牛肉(鉄板ステーキ)」や
「小籠包(ショウロンポー)」も人気で、
すぐに売り切れになるとか。
ぜひこの「籠格飯」と併せて食べてみたいものだ。

学生が必ず選ぶ定番
昔から変わらぬ味
続いては、対外貿易学院松江校区の
「醤鴨腿(ダックのソース漬け)」。
同校舎のどの食堂にも用意されているという同料理は、
これまでメニューから一度も外されたことがなく、
学生も必ずリピートする人気の一品だ。
たっぷりの紹興酒とソースに浸されたダックは、
甘さが光る滑らかな味わいと
肉の程よい柔らかさがとてもマッチしている。
味付けが濃厚なので、
スープと一緒に食べるのが良いだろう。
また、「醤鴨腿」は
昨年の「校園十大美食」では2位に入賞。
昔から変わらぬ味として、
卒業生や外部の人間からの人気も高いという。
このほか、
「蕃茄炒蛋(トマトと卵の炒め)」や
「臘肉麺(豚肉ラーメン)」も定番メニューで、
あっという間に売り切れてしまう。
同食堂は食券も販売しているので、
食堂カードを持っていない外来者も利用できる。

学食で味わう新疆美食
本場の刺激と食感
昨年の「校園十大美食」にて、
見事1位に輝いたのが
同大学第二食堂2階「新疆餐庁」の
「維吾爾美食(ウイグルグルメ)」だ。
といっても、
これは同食堂で出される
代表的な料理を集めたオリジナルメニューで、
実際には存在しないという。
ただ、この中で学生からのリピート率が高いのが
「小盤鶏飯(鶏のピリ辛煮丼)」。
コショウや山椒などで、
ピリ辛味に味付けされたタレが、
程良い歯ごたえの鶏肉と
ホクホクのじゃがいもと絡み合い、
ご飯もよく進む。
また、「羊肉串(シシケバブ)」も人気で、
この「小盤鶏飯」と一緒に注文するパターンが多い。
本場の味を楽しめるウイグル料理店として、
学生以外に外部の人からの受けも◎。
少し遠いが、足を運んで食べに行く価値はある。

王道を突き進む紅焼肉
クセになる食べ応え
上記の「維吾爾美食(ウイグルグルメ)」と共に、
「校園十大美食」で同率1位及び
「最佳口感奨(ベストテイスティー賞)」
を受賞したのは、
「華理紅焼肉(豚の角煮)」。
同校のほとんどの食堂に
「紅焼肉」は用意されているが、
そのうちどの食堂のものであるかは
特定されていないため、
全ての食堂を代表した
「紅焼肉」と認識するしかない。
しかし、同校の学生によると、
「友誼餐庁」の「紅焼肉」がイチオシのようだ。
角切りの豚バラ肉に、
砂糖と醤油、紹興酒がたっぷりと染み込み、
ひと口噛めば、その旨味が口一杯に広がる。
柔らかい脂身と
やや硬目の赤身部分の噛み応えが
ヤミツキになりそう。
そのほか、「茄汁排条(ササミの衣揚げ)」や
「回鍋肉(ホイコーロー)」なども人気で、
王道の「紅焼肉」と併せて味わいたい。

珍しい洋食メニュー
ボリュームも満点
多くの大学食堂が
中華料理メインのメニューを出す中、
西洋料理を提供する食堂も。
こちらの延安西路校区の食堂では、
中国では珍しく、
スパゲッティーやカレーなど、
洋食メニューが用意されている。
特に、スパゲッティコーナーの
「意大利肉醤麺(ボロネーゼ)」は
列ができるほどの人気。
至って普通のボロネーゼだが、
学生向けということで、
150㌘以上はある麺に、
ミートソースがたっぷりかけられているので、
食べ終わった後の満腹感は否めない。
価格は10元だが、
さらに5元プラスで、
スープとサラダが付いてくる。
学生食堂で15元というと割高なイメージだが、
このボリュームであれば納得だ。
もちろん中華メニューも充実しており、
「麻辣湯」や「鉄板飯」、「焼?」など、
幅広く用意している。

医食同源のメニュー
秘訣は薬草と烏骨鶏
大学の専門分野に合わせたメニューもあるもので、
こちら上海中医薬大学では
「百霊草烏骨鶏麺(百霊草烏骨鶏麺)」
なるものが売られている。
同メニューは、漢方薬の一種で、
血行促進や咳止めの効能があると言われる百霊草、
薬膳料理の具材としても有名な烏骨鶏を使った麺料理。
コシのある麺に、
烏骨鶏の黒い肉、クコの実、青菜が入り、
そして百霊草の苦味がやや効いたスープと、
まさに医食同源な一品だ。
また、スープ単品の「百霊草烏骨湯」もある。
小碗のため、烏骨鶏の味が濃厚で、
食べているうちに身体がポカポカと温まってくる。
このほか、
「党参猪心麺(ツルニンジン豚ハツ麺)」や、
「蓮子猪肚?飩(蓮の葉豚モツワンタン)」など、
メニュー名からして医薬系大学ならではの
メニューがズラリと並ぶ。

丼めしで腹一杯に
旬のおかずを山盛り
数あるメニューの中から、
自分の好きな料理を何品か選んで、
トレイにいれてもらう。
中国の大学食堂では定番のパターンだが、
こちらの食堂1階では、
「蓋澆飯(丼めし)」の形式で、
10種類以上のおかずから選ぶことができる。
自分の好きなおかずだけを選んで乗せたり、
栄養バランスを考え、
健康的に野菜をチョイスするなど、
アレンジが可能。
また、メニューも数カ月に1回は替わるので、
新メニューを楽しみにして来る学生も多いとか。
現在の人気は「炸鶏排(チキンカツ)」や
「青椒土豆絲(ピーマンとジャガイモの千切り炒め)」
などで、
特に「炸鶏排」は売れ行きがよく、
いつも1番に完売してしまうほどだ。
また、スープやお粥も多数用意しているので、
学生のために、
きちんと栄養バランスを考えた食堂と言えるだろう。

アツアツのビビンバ
量、質、値段に納得
日々勉学に勤しむ学生にとって、
昼食や夕食は至福の時間。
そんな時こそ、
安くておいしい物をガツンと食べたいものだ。
こちらの食堂2階では、
「牛肉石鍋飯(石焼き牛肉ビビンバ)」や
「鶏肉石鍋飯(鶏肉石焼きビビンバ)」、
「?魚石鍋飯(石焼きイカビビンバ)」などの
ビビンバメニューが売れ筋のようだ。
石鍋の8分目までご飯が盛られ、
その上に具材がたっぷりと乗り、
コチュジャンで味付けされた本格韓国風で、
おまけに値段も10元前後とリーズナブル。
同食堂の看板メニューとして定着しているようで、
常連の学生の中には、
「この食堂ではビビンバしか食べない」、
「ジュージューという音がする、
できたてのアツアツ感が好き」という声も。
このほか、「鶏公?(鶏鍋)」や
「土豆粉絲(ジャガイモ春雨)」なども人気だ。

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?~上海ジャピオン05月18日号

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