日本人にとって七夕といえば、7月7日。
しかし中国では、旧暦で祝うため今年は8月26日(水)が七夕にあたる。
古来より恋人の日とされてきた七夕。
近年では「中国バレンタイン」と呼ばれ、男性から女性に花を贈ることが増えている。
せっかくの中国滞在中、文化に倣い、愛する人へ日頃の感謝を伝えよう。
中国バレンタインの隆盛
旧暦七夕は8月26日
上海など都市部では消費力の上昇に合わせて、年々盛り上がりを増すバレンタイン。
このバレンタイン、実は中国では年2回ある。
1つは、日本でもおなじみ2月14日。
こちらは欧州から流入した文化であることから、「西洋情人節」と呼ばれている。
そしてもう1つが、旧暦の7月7日。
西洋情人節と区別され「中国情人節」や「七夕節」、「七夕情人節」などと呼ばれる。
今年は来る8月26日(水)がその日に当たる。
中国で七夕は、かつて1年で最もロマンティックな日とされていた。
今では、西洋文化の流入で2月14日のバレンタインの方が盛り上がっているのが現状だが、
近年では文化学者が中国古来より伝わる文化を大切にしようと呼びかけるなど、
中国文化を再考する向きと合わさって、七夕を祝う風潮が、盛り上がりを見せている。
その傾向が顕著なのが旅行だ。
8月7日付の新華網では、七夕前後の旅行が人気を博しているというニュースを伝えた。
中国のホテル・旅行予約サイト大手の「Ctrip」の関係者によれば、
カップルに人気の海南島三亜旅行の料金が昨年比80%高、アモイが同50%高。
このことからも、七夕の浸透ぶりが伺える。
プレゼント一番人気は花
七夕の値上がりは小幅
このほか、プレゼントとして特に人気が高いのはバラの花。
記念日に欠かせない存在となってきているバラの花は、2月14日には、
バラ1本の価格が通常の8元から13~15元に値上がりしたという店舗もあるほどの過熱人気。
ただし、七夕にあたっては、卸値が少し値上がりする程度で、まだ大きな値上がりはないとか。
これは、七夕を祝う習慣が復興し始めたのはここ2~3年、というのが大きな要因だ。
それだけに、贈りやすい価格が維持されている。
今さらバレンタインなんて柄でもない。花を贈るなんて恥ずかしい…。
そんな風に感じてきた人も、せっかくの中国滞在、現地の文化に倣い、花を添えて大事な人に気持ちを伝えよう。
次ページからは、七夕を盛り上げるフラワーショップと、レストランの七夕プランを紹介。
夏の終わりのサプライズプレゼントに、覗いてみてはいかがだろうか。
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夏花とバラのコラボ
ハートリングに込めて
花を贈ってみたいけど、買いに行く時間がない、または買いに行くなんて照れくさい…。
そんな人は、「花彩kanne」のサイトを覗いてみよう。オンライン予約システムが充実しており、
商品写真を見て注文フォームに記入するだけで、上海市内に届けてくれる上、メッセージまでつけられる。
七夕に向けては、特に5種類のアレンジメントフラワーを用意。
例年の一番人気は、「ハートリング(写真)」。
夏のバレンタインということで、情熱的な赤いバラや、白地に赤い縁取りが人気のスプレーカーネーションに、
夏の花、紫陽花を加え、緑のワイヤープランツでアクセントをつけた、爽やかな夏アレンジだ。
両手に余るほどの大きなハートは、喜ばれること請け合いだ。
このほか、ワンハンドタイプのキュートな花束「ヴァレンタイン・ボックス」(300元)や、
ハート型の箱に真っ赤なバラを敷き詰めた「ハート・ボックス」(450元)、
50本のバラと白ゆり、蘭をあわせたゴージャス感溢れる「ヴァレンタイン・スペシャル」(1000元)などを用意する。
「2月14日は、奥さんと娘さんの両方に、それぞれに合わせた花束を贈られた日本人男性もいましたよ」とスタッフは語る。
Happy Valentineと書かれたメッセージカードに日頃伝えられない思いも込めて、一緒に贈ってはどうだろう。
花彩kanne
住所:水城南路51号鑽石公寓8号102室
TEL:6208-5306
営業時間:10時~19時
URL: www.hanaaya-sh.com
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入りやすい男性店員の店
中国風に語呂に合わせて
日本人女性オーナーが経営する「Alice Flower」は、
古北、新天地、静安寺、そしてポートマンの4カ所に展開するフラワーショップ。
「場所柄、ホワイトカラーのビジネスマンの利用が多いですね。
日本人男性もよく来てくれます」と話すのは、ポートマン店の店長。
特にポートマン店では、店員が全員男性なので、男性にとってとりわけ利用しやすい雰囲気であることが伺える。
今年、同店で七夕に向けてプッシュしているのは、
深紅のハート型ボックスに、真っ赤なバラの花を詰めた情熱的な「ハートボックス(写真)」。
中には水も入っているので、このままで1週間ほど持つという。
中国人向けにはやはり真紅のバラが人気だというが、
「日本人の方は淡い色を好まれますから、もちろん淡色系のバラで作ることもできます」とのアドバイスも心強い。
ほかに、桔梗を使った少し和風なアレンジもあり、オリジナリティの高い贈り物を期待できる。
また、数字の語呂に合わせて贈るなら、末永くという意味を込めた「9」、
「一心一」で「ひとつの心」につながる「11」などが好まれるとか。
せっかくの上海滞在中、中国バレンタインの七夕には、こんなふうに中国テイストを込めて贈ってみてはどうだろう。
宅配希望の場合は、できるだけ前日までに予約を。
なお、400元以上の購入で、配送料無料サービスも実施している。
Alice Fower
住所:南京西路1376号上海商城西峰1階
TEL:6279-8737
TEL:6275-6082(古北店・日語可)
営業時間:00時~00時
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フランス発バラ専門店
生花とバラグッズをセットで
ショウウィンドウの向こう側に見えるバラの花束。
小さな店舗に詰まったバラたちの可憐な姿は、女性なら誰もが足を止めてしまうだろう。
「オ・ノン・ドゥ・ラ・ローズ(au nom de la rose)」は、フランス発のバラの専門店だ。
同店が、今年の七夕に向けて薦めているのは、バラの香りのキャンドルと、バラの花束のセット。
ミニキャンドル(138元)であれば、6~7本のバラを使ったミニブーケ(写真)を、
大きなキャンドル(218元)なら、11本の花束を無料でセットにしている。
キャンドルは、香りを5種類から選ぶことができる。
店長のオススメは、「愛意」の香り。
「愛する人に贈る場合は、やはりコレ。
爽やかなバラの香りをベースに、葡萄のふわりとした甘い香りが心地よいですよ」と話す。
このほか、ライチの香りで快活な雰囲気の「歓慶」、純真無垢な柔らかさのある「慶生」など、相手に合わせて選びたい。
また、包装についても、贈る相手の心をくすぐる工夫がたっぷり。
シンプルな若葉色の紙袋には、バラの花を1輪、袋の中にはバラの花びらを敷き詰めてくれる。
言葉はなくても、そこに込められた想いの伝わるプレゼントだ。
なお、宅配の場合には、店舗から1㌔以内は無料、浦西の内環線以内は25~35元、その他は35~55元で配達してくれる。
西蔵南路エリアにも店舗あり。
au nom de la rose
住所:建国西路122号
TEL:6437-2784
営業時間:10時~21時
URL:www.aunomdelarose.com.cn
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七夕を彩る特別ディナー
ぐるなびで検索が便利
日本のグルメサイト「ぐるなび」が運営する、上海のレストラン検索・予約サイト「gudumami(????)」では、
中国語の数字発音の語呂に合わせた七夕ディナープランを打ち出している。
まずは「520」。
これは中国語の「我愛?(愛している)」と発音が酷似していることから、愛を表現するときにはおなじみの数字。
gudumamiでは、520元で外灘レストランのコース2人分など、各レストランの七夕ディナープランを用意。
ドリンクにデザートまでついているものがほとんどなので、明朗会計で利用しやすい。
景色の良い窓際席などは早く埋まりやすいので、早めの予約が肝心だ。
さらに、「愛久久(永遠の愛を)」と発音の近い299元(2人)の少しお手ごろなプラン、
「要久久(長くいたい)」と近い199元(2人)のプランもある。
ウェブサイトは中国語だが、プランのメニューも全て掲載しているので、吟味して選べるだろう。
プランの多くは、8月末まで利用可能。
日頃、気恥ずかしくて伝えられない言葉も、この日は環境が後押ししてくれる。
ディナーの後には手をつないで、上海の街を歩くのも良いかもしれない。
【問い合わせ】
gudumami(????)
URL: www.gudumami.cn/course
(オンライン予約は24時間)
共通予約番号:6486-9577
受付時間:9時~22時
kefu@gudumami.cn(日本語)
~上海ジャピオン8月21日号より