武侠の世界を堪能
遊ねえ、ここって前にも一緒に来た、武侠をテーマにした店だよね♪
シそうそう、前回は遊子が飲ませるから、記憶が飛んじゃって、リベンジしたかったんだ。
遊見て、お店の人の恰好も武士みたい。体格も良いし、何か武術でもやってるのかな。店内も武侠小説に基づいて、武士の家を再現してるんだよね。
シ知ってる? この『笑傲江湖』って、金庸の武侠小説のタイトルだよ。立場の違いから別の派閥に分かれたものの、友情を貫いた2人の男を描いた話なんだ。
遊ショーくん、ウンチクはいいから、私お腹空いちゃった。
人情溢れる武侠の精神
シここはね、オーダー方式も武侠の精神が生きてるんだ。客の好き嫌いを確認後、店の人の計らいで、料理を出してくれるんだよ。
遊人情味溢れるサービスだね。選んでくれるのはありがたいけど、値段が気になる私はセコイかな。
シそれだけど、1人45元くらいだって。少なめに出してくれるから、足りなければ追加オーダーすればいいってわけ。
遊ふ~ん、今日は、「大力丸」(5元/個)と「叫花鶏」(32元)に「空心菜」(15元)、「口水魚」(31元)…米、肉、野菜、魚と、栄養バランスも最高じゃん!
シ「叫花鶏」は〝鳳舞九天〟、「口水魚」は〝玉龍戯珠〟っていう、武侠に関係する別名があるんだ。因みに空心菜は、武侠小説に出てくる武術の1つ、「空明拳」を表しているんだ。
遊ねえねえ、この大力丸、中に卵が入ってて、おいしいよ。ショーくん食べないなら、あたしもらっちゃお。
シあ~、最後に食べようと大事に取っておいたのに~
住:四川中路670号(×南蘇州路)
電:6321-3986
営:11時半~14時、17時半~21時半
レトロな豪華客船
シうわ~、迫力満点の外観、中の造りも本物の豪華客船みたいで、テンション上がるよね。このビンテージ感を出すために、オーナーが北京の故宮博物院を手掛けた職人を呼んで、内装を頼んだらしいよ。
遊へ~。そうそう、ここって結婚式場としても人気があるみたいよ。この両サイドの階段から、新郎新婦が登場したりするのかな? ステキ。あたしもこんな所で式を挙げたいな~♪
シでも、まずは相手を見つけることが先じゃない?
遊ショーくん、本当デリカシーないね。どっかの海賊に捕まって、う~んと痛い目に遭えばいいのに! プンプン。
外せない「紅焼肉」
シゴメン、お詫びに今日は奢るから、機嫌直してよ。ここの豚の角煮「紅焼肉」(56元)は、店に来た客のほとんどが注文する、人気メニューなんだって。
遊へぇ~、じゃあ絶対食べなきゃね。ねぇ、この酒樽みたいな器に入った「土耳其肥牛桶」(68元)っていう料理も気になるんだけど、頼んでいいかな?
シモチロン!
遊やった~、じゃあこの名前がユニークな「船夫手撕鴨」(88元)に「咖哩牛腩」(48元)、あとあと「龍井蝦仁」(98元)も…デザートにタピオカ粥「西米粥」(8元)も頼んじゃお♪
シそれにしても、天井の造りとか、本物の船そっくり。このままどこか遠くへ行けたらな…。
遊何妄想に耽ってんの、料理来たよ。この漆黒色の紅焼肉、甘すぎず、すごく上品な味付けで、おいし~!
シ遊子がご機嫌になって良かった♪
住:清峪路336号(×吉鎮路)
電:5169-9657
営:10時半~13時半、16時半~21時
最初の関門・鉄の扉
シ看板とかないけど、住所からいってここだよね。あれ? 扉が開かない。
遊ふふん、私に任せて。ここを押して…と。ほら、開いた!
シえ、何かの暗号?
遊全部で9つの丸が並んでるでしょ。これは電話機の番号の配列と一緒。予約時に、店の人が番号を教えてくれるのよ。ちなみに、今日は6・3ね。
シじゃあ、予約しないと入れないってこと?
遊直接来ても、門をノックするなりして中の人に知らせれば、開けてくれるから大丈夫よ。
仕掛けだらけのトイレ
シ店内も何だかミステリアスだね。コンクリートの壁だからか、地下室みたいな空気が漂ってる。
遊そうそう、ショーくん、ここのトイレがまた面白いの♪
シえ、こんなにたくさん扉があるのに、どれも開かない…わっ、ビックリした。ここ鏡になってて、自分の姿が映るんじゃん。
遊アハハ、ビックリし過ぎ。扉は、ノブと逆の側を押すのよ。
シへぇ、日本のカラクリ屋敷みたいだね。あ~、童心に返って騒いだからか、お腹がペコペコ。おっと、ランチセットがあるよ。2品選べて、ご飯、スープ、サラダが付くのか。この「人間豆腐」が気になる…もう1品はスペアリブのプラムソース添え「梅子排骨」にしよっと。
遊この「笔筒色拉(野菜スティック)」も面白そう。あと、ネット上で人気の「ティラミス」(各65元)も追加してっと…。
シ料理は、モダンチャイニーズって感じだね。名前はユニークだけど、味は確か。次回はほかの人を連れて来て、驚かせてやるぞ!
住:巨鹿路805号(×富民路)
電:5404-0707
営:11時半~翌1時
推理小説の世界へ誘う
シ「ベーカー街221B」…って、イギリスの小説家、アーサー・コナン・ドイルの「シャーロック・ホームズ」シリーズで、主人公の私立探偵シャーロック・ホームズが住んでた下宿の住所じゃん!
遊ショーくん、推理小説マニアなの?
シマニアってほどじゃないけど、学生の時は、けっこうハマって読んだよ。徹底した現場観察、過去の犯罪事例に関する膨大な知識、物的証拠に関する科学的知見…、ミステリー小説の金字塔とも言うべき傑作だよ!
遊ふ~ん、あ、見て見て。やっぱりホームズって言ったらパイプだよね。あ、このハンチング帽も必須アイテムね♪
シ遊子って意外とミーハーだな。
探偵アイテムが満載
遊壁にいっぱい人の写真が飾ってある…これって、歴代の映像化作品に出演した役者さんたち?
シそうだよ、これまでドラマや映画で、何度も映像化されてきた往年の推理小説作品だからね。
遊来年には映画『シャーロック・ホームズ3』が公開されるらしいし、まさに旬なスポットじゃん。店内のスクリーンで映画鑑賞するってのもありかも♪
シさて、お腹が空いたし注文注文。
遊オッケー。じゃあ「クラシックワッフル」(40元)と「ツナサラダ」(35元/2人前)をもらおうか。この「シャーロックコーヒー」(30元)って何かな。ティラミスフレーバーのソースが隠し味で入ってるって? それください!
シ料理が来るまで、このチェスでひと勝負しちゃいますか。
遊ふふふ、臨むところよ!
住:瑞金二路50号(×復興中路)
電:6481-0900
営:11時半~23時半
往年の人気米国ドラマ
遊これって、あのアメリカのドラマ『フレンズ』に出てくる「セントラルカフェ」じゃん。あたし大学生の時、このドラマにすごくハマってたのよ。あ、このオレンジのソファ、覚えてる!
シそうそう、何かにつけてこの「セントラルカフェ」が出てくるよね。しかも必ず座るのがこのソファってわけ。懐かし~。
遊恋や仕事、家族の問題とか色々出てくるけど、最後は笑いに変わっちゃう、前向きなストーリー展開がいいよね。私はモニカの兄、ロスが好きだったの。
シ遊子、なかなか変わった趣味だね。って僕も、お嬢様のレイチェルより、お茶目でクレイジーなフィービー派だけどね。
手作りピザ&ケーキ
遊見て見て、ドラマが放映されてるよ。テレビの中の世界と同じ空間でティータイムなんて、ステキじゃない?
シじゃあ、早速注文しちゃいます?
遊賛成、どれどれ…ケーキやピザなんかもあるね。「ブラウニー」(18元)にしよっかな? え、人気で売り切れちゃったの? じゃあ、この「モカカップケーキ」(25元)と「ツナピザS」(49元)、「ラベンダーティー」(22元)、ショーくんは「ヘーゼルナッツラテ」(29元)ね。
シおっと、その強引さ、まさかレイチェルが乗り移ったんじゃ…。
遊…ここのピザ、ふっかふか&もっちもちでおいしいね。カップケーキも甘党の私にピッタリ♪ ドラマも楽しいし、何時間でも居座れちゃいそう。
シ全シリーズ見ちゃいますかっ!
住:哈爾濱路160号1913老洋行A105号(×遼寧路)
電:186-0054-6500
営:11時~22時
~上海ジャピオン2013年11月29日号