上海的恋愛の始め方

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告白、してますか?

リポートを始める前に、まずは上海人の告白に関し、全体の傾向を把握しておきたい。参考として、マーケティング会社・マクロミルチャイナがこの度、上海に住む20~40代の男女100人を対象に行った、アンケート調査の結果を見ていこう。

調査によると、まず「告白したことがありますか?」の設問に、78%が「ある」と回答している。しかし、「告白されたことがありますか?」に対して「ある」と答えたのは、なんと46%。単純に考えると、1人当たり平均で1・7回告白されているという計算になる。「する側」の人数と比較すると、その相手はほかの人からもされている、というわけだ。

また、「告白した場所」に関し「自分の好きな場所」を選んだ人は28%、「相手の好きな場所」は20%と、わずかながら差がついた。つまりこれは、人は告白をする時、自分自身が好む場所を選ぶことで、精神的に優位に立とうということなのだろうか。はたまた、自分とその場所に縁を感じ、〝場所が味方してくれる〟というような、言わば願掛けに近い思いの表れだろうか。そのほか、「2人がよく会う/行く場所」という回答は28%。これは自然な流れを好む人と捉えて良いだろう。

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ロマンチックな場所

さてその場所だが、今回実施したアンケートで市内の「ロマンチックな場所」について聞いてみた。すると「外灘」、「田子坊」、「濱江大道」など、夜景のきれいなスポットに回答の7割が集中。そして、告白を「する/される場合に希望するロケーション」が、ロマンチックな場所で挙げられたスポットとほぼ一致するという結果が得られた。つまり上海人は「ロマンチックな場所で告白をする/される」ことを望んでいる。これから告白をしようという人は、よく肝に銘じておいていただきたい。学校や職場でさらっと、はNGだ!

では次のページから、実際に使えるシチュエーションについて、4つのカテゴリに分けて紹介していこう。

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夜景を望む恋人の壁

取材班が、前述のアンケート結果を踏まえ最初に向かったのは、アンケートで1位だった「外灘」。取材の時期は11月末、水辺とあって身を切るような寒さに震える。同行、もとい本日の主役であるハンくんは、笑顔で「寒さは2人の距離を縮めますからね!」などとのたまう。脳内デートが始まったようだ。

古くはイギリス、アメリカ、フランス、日本など各国の銀行や領事館があったというこの場所。川を挟み立ち並ぶ石造りの建築群が、日本の神戸や横浜、函館と似た独特の雰囲気を醸し出す。1970年代当時の上海は、公園は夜間閉鎖、娯楽施設も少ないという状況。そんな中、夜景の美しいこのエリアに恋人たちが集い、河岸に並んで〝恋人の壁〟を形成したという。

イメトレもバッチリ

次に人気の高かった「夜の公園」を代表し紹介するのは、南京西路を挟み静安寺の向かいにある「静安公園」。入口付近にはファストフード店やカフェがあり、賑わっている。奥へ進んでいくと、池のほとりにインドネシア料理店「バリ・ラグーナ」があり、ライトアップがこれまた絶好のロケーションに。取材班の女子を相手に、早速シミュレーションをするハンくん。「この洞窟、足場悪いっすね。よろけたところをカッコよく支えて…よっしゃバッチリ!」。

そして最後に、水辺のスポット2カ所。「蝴蝶湾花園」は蘇州河沿いにある人口の公園で、春には黄色やピンクの花々、秋には紅葉の美しい市街のオアシスだ。「柳の枝垂れかかる道を、手をつないで…」もう手が付けられない状態のハンくんである。もう1つは〝第2の外灘〟と呼ばれる「徐匯濱江公園」。いわゆる外灘よりもずっと南、万博跡地の対岸一帯に広がる。ライトアップされた橋など、こちらの夜景もなかなかのものだ。

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プレゼントで効果UP

告白する時、相手にプレゼントを渡す。これは日本人にはなかなかない発想かもしれない。しかし他国の映画やドラマを見ていると、告白だけでなくあらゆるシーンでプレゼントが登場する。では、上海人はどうだろう。某サイトを参考に、プレゼントに関する動向を探ってみた。

まず、「プレゼントを渡すか否か」という疑問だが、日本人の間でよく聞かれる「モノで釣るみたい」という意見はあまり見られない。むしろ、誕生日やクリスマスなど、プレゼントを渡すことが正当な場面では、その後に告白することで、成功率を上げる、という声すらある。その理由として、プレゼントをもらうとうれしい → 恩返しの感情が湧く → 気持ちに応えたい…の心理につながるそうだ。そんなにうまくいくものか? という疑念は拭えないが、試してみる価値はあるかもしれない。

好みと意味を考えて

では、どんなものを選ぶか。よく言う「自分がもらってうれしいもの」のセオリーは、時として該当しない。好みがハッキリしている人ならなおのこと、事前のリサーチが肝心だ。相手の好きなものがわからない、という人にオススメなのが、「花」。中でも「赤いバラ」は熱い思いを表し、上海人女性の間でも好評なアイテムだそうだ。ちなみにピンクは「感動、初恋」、白は「純潔、尊敬」である。一方、黄色は「不貞、嫉妬」の意味なので要注意。

もう一歩踏み込んで、形に残る物を贈りたいのなら、アクセサリーや時計も○。ただし指輪は「君は永遠に僕のもの」を意味するそうなので、相手にとっても重くなるし、自分にも覚悟が必要だ。プロポーズでもなければやめておいたほうが無難かも? また、最近よく放送されているチョコレートのCMの影響か、ハート型パッケージのチョコレートを贈る人も増えているそう。

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心に響く言葉を

何と言って気持ちを伝えるか。事前にいろいろモヤモヤと悩むものの、土壇場で口を突いて出てくるのは、予想もしなかった言葉…。それで成功すれば問題ないが、もし失敗したら…と悩み始めたらきりがない。成功か失敗かを決めるのはセリフだけではないが、より相手の心に響く言葉を、相手の感動を、などと考え〝最高〟を求めてしまうのが人間である。

相手を尊び、誠実に

さて、前述のアンケートだが、「何と言って告白するか」に対し「好き」もしくは「愛している」など、直接的な表現を選んだ人は全体の41%だった。つまり半数近くの人が、シンプルな言葉でもって気持ちを伝える、と決めているということになる。人間というのは語彙が増えれば増えるほど、複雑な表現を駆使したくなる生き物だが、飾らないことでまっすぐな気持ちが伝わる、と考えているようだ。

また、中国語と日本語では敬語の使い方が異なるところがあるが、ネット用語や流行の言い回しなどを用いるよりも、正式かつ丁寧な言葉だと、真剣さまたは誠実な態度が、より一層強く伝わるという意見も。なお、回答者の1人は「我們一起脱光吧(一緒に〝脱独身〟しよう)」と言ったところ「服を脱ぐ」の意味と取られたうえ、変態呼ばわりされ、あえなくフラレてしまったそうだ。やはりひねった伝え方を試みると、危険が付きまとうと考えていいだろう。

しかしながら、「好き」だけではなく、もっと気持ちを示したい! と思うのなら、その場を自分のアピールタイムと考え、中国の故事や慣用句、四字熟語を引用してみてはいかがだろう。知的な匂いを忍ばせつつ、ありふれた言葉にはない重みをプラスしてくれるだろう。

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喜びを倍増させる

ただ告白するだけでは物足りない! もっと相手を喜ばせたい! などという欲張りさんにオススメなのが「サプライズ」。レストランディナー時、デザートのタイミングでプレゼントを渡すなどの手法は、もう定番と言ってもいい。サプライズの醍醐味は、思いもよらない=期待していなかったということで、喜びを増大させる効果がある。

成功or失敗

では、中国のネット上で一時期話題になった例を紹介しよう。

まずは中国台湾のドラマ『我可能不会愛你』で、主人公の同僚がプロポーズされる場面。この場合は「告白」ではないが、実はこのカップル、日常的にケンカを繰り返している。そんなある日、彼女がオフィスでランチを取っていると、窓の外に「Marry Me」と書かれたバルーンがフワリ。それまで予兆もなかっただけに、幸せを噛みしめる彼女の表情が印象的だ。ただしこの方法、劇中のセリフによると「1年分の給料をつぎ込んだ」とか。裕福さもアピール成功、というわけだ。

続いては、失敗談。これは今年10月、上海で実際にあったケースだ。財形大学の男子学生がある夜、思いを寄せる女性に告白をしようと、大学寮の外でキャンドルを「I LOVE YOU」の形に並べ点火したところ、寮の管理人に水をかけ消されてしまい、彼女からも、特に意思表示はなかったという。

このように失敗した時のリスクは高いが、それでも果敢に挑戦したい猛者にはオススメ。ほかには、ジャピオンの広告枠を購入し、紙面で告白、というのはいかがだろう。なお、すでに期待がある場合は、一旦ガッカリさせる、という手もアリだ。

~上海ジャピオン2013年12月6日号

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