まずはアプリで予約しよう
出張料理人サービス「好厨師」
予約方法は3つ
1、アプリから
2、WeChat(微信)の「公衆号」から
3、ホームページから
必要事項を入れてポチッ
本場の中華料理人が自宅で腕を振るってくれる、料理出張アプリ。しかし、知らない人を家に入れるのはちょっと…、料理人の腕前は信用できるの? など不安を持つ人も多いだろう。
そこで今回、ジャピオンスタッフが試しに利用してみた。
まずは「好厨師」で検索し、アプリをダウンロード。初期設定で電話番号を入力すると、SMSで6桁の暗証番号が送られてくるのでこれを入力し、マイページを作成する。
個人情報は記録に残るので、次回以降は入力不要だ。「4品+スープ」(99元)や「6品+スープ」(139元)など、品数に合わせて料金が設定されている。
必要事項を入れたら「提交訂単」で注文、「微信支付」か「支付宝支付」で支払いを済ませれば完了。オペレーターからの予約確認の際は中国語が必須なので、自信のない人は助けを借りよう。
面倒ならプロにお任せで
1時間後、担当料理人の昴雪斌さんから電話がかかってくる。まずは当日の料理の献立を相談。
希望や好みを聞かれたので「辛いものが苦手な人がいる」、「日本人なのであっさりめの味付けがいい」とだけ伝え、後はお任せに。今回オーダーしたのは、「6品+スープ」の139元コース。これでだいたい6人前とのこと。
翌日、SMSで送られてきた献立は、豚の角煮「紅焼肉」、高級魚の蒸し物「清蒸桂魚」など、レストランでもしばしば見かける、メジャーな料理名がズラリ。
「期待してますよ~」とメールでプレッシャーをかけておく。
なお、「自備食材(自分で食材を準備する)」を選んだ人は、この時に必要な食材を指示される。基本的に「有機野菜じゃないと嫌」、「決まった店のお肉しか食べない」など食材にこだわりがなければ、買い物は料理人にお願いするのがオススメだ。買い忘れや間違いなどミスが防げるのはもちろん、寒い日なら外出せず、お家でぬくぬく待っていればOK。
ここで注意したいのが、調味料だ。実は先日、取材の予行演習を兼ねてオーダーした際、自宅には紹興酒がなかった。料理人が気を利かせて、紹興酒ナシで魚を煮てくれたので、結果オーライなのだが、「紹興酒があればもっとおいしいのに」とのことだった。そこで今回は必要な調味料をリサーチ。すると「塩、砂糖、油、醤油があれば大丈夫。それ以外は僕が持っていくよ」とあっさり。中華調味料がそろっているに越したことはないが、日本人だということを事前に伝えておけば、それなりに対応してもらえるようだ。
コックコートの料理人が登場
当日、定刻10分前にインターホンが鳴る。扉を開けると、そこにはコックコートに身を包んだ、爽やかな笑顔の青年が! 水色の靴カバーを準備してきてくれたので、そのまま家の中へ招き入れ、キッチンまで案内。調味料と調理器具の収納場所を伝えると、早速調理に取りかかる。
「部屋でゆっくりしてていいですよ」と言われたものの、プロの料理人の技を盗むまたとないチャンス。と調理の様子をまじまじと観察。これは何? 今何を作ってるの? とあれこれ質問をぶつけるも、昴さんは嫌な顔ひとつせず丁寧に答えてくれる。もちろん会話中も、手を止めない。調理器具もその都度洗っていくので、キッチンは常にクリーン。なるほど、料理上手は段取り上手って言うものね、と納得する。2口コンロをフル活用し、片方にスープ鍋、もう片方に中華鍋を置いて、着々と料理ができ上がっていく。
途中で昴さんが「お皿ありませんか?」と言うので、慌てて予備の皿を出す。何でも中華料理はたくさんの食材を使うので、下準備をしたものを入れておく余分の皿が必要なのだとか。
ライブ調理で距離が縮まる
蒸す、煮る、炒める、とあらゆる手法を使った料理が続々と出来上がる。アツアツの状態で提供するために、最後まで火を通さず、完成間近に再度火を入れるという気遣いがまさにプロ。
昴さんはこの道10年で、出張料理人サービスを始めて1年。元々ホテルのレストランで働いていたが、自由の効く働き方に魅力を感じ、転職したという。「人の家で作るのは、レストランの厨房と勝手が違って難しいのでは?」と尋ねると、「場所はそんなに気にならないよ」と頼もしい返答。取材も兼ねて色々とおしゃべりを楽しんでいる内に、6品とスープが完成。10時から来てもらったので、正味2時間、昴さん、お疲れ様でした~!
使用前よりも美しく
料理が完成したら食卓へ運び、セッティング。なお、白飯はサービスに含まれないので、必要であれば自分で炊くか、別途購入しておくように。
料理人は調理が終わるとすぐさまキッチンの片付けに入る。すると、あっという間にキッチンはピカピカ! 来る前よりキレイになったし、当日出たゴミも全部持ち帰ってくれた。おいしい食事にありつけ、キッチンも掃除してもらえて、お金を払ったとは言え何だか得した気分だった。前回頼んだ料理人もキレイにしてくれたので、サービスに含まれるのだろう。
最後に材料費の支払い。市場ではレシートを発行してくれないため、明細は手書きで渡される。4品で頼んだ時は67元だったが、今回は219元と予想外に高め。次回は、材料費も確認しておこう、と勉強になった。
はたして料理人の腕前は?
料理のお味はお世辞抜きでおいしい! の一言。トロ~リ絡んだタレが絶品の「紅焼肉」、「清蒸桂魚」は魚の生臭さもなく、淡白な身に味が浸みて◎。
中でも一番のお気に入りはニンジンやトウモロコシなど野菜をふんだんに使った豚骨スープ「玉米山薬煲棒骨」。少し残しておいて小腹が空いた夕方に温め直してもおいしかった。
後日、オペレーターから感想を聞かれるので、気づいたことがあればこの時に伝えよう。気に入ったら次回も同じ人でお願いしてもいいし、色んな料理人の味比べをしてみるのもいいだろう。
当初、女性だけの部屋に男性の料理人を呼ぶのは少しためらいがあったが、紳士的な対応にすっかり安心した取材班。2人なら材料費込みで200元以下とリーズナブルなので、ぜひお試しあれ。
~上海ジャピオン11月6日発行号