やっぱりイヌ・ネコが好き! ~イヌ・ネコと暮らす上海生活ガイド~

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日本人運営の団体で

動物を飼おう! と決心したら、どうやって彼らと出会うかという問題に直面する。一番手軽なのが、ペットショップやブリーダーを訪問することではないだろうか。折しも上海はペットブームを迎え、ショップが至る所に開店し、店探しには困らない。また、知り合いのツテを辿って譲り受けるというのも、ポピュラーな方法だ。あるいは、保護されたイヌ・ネコの「里親」に立候補するという手もある。

上海には、日本人が立ち上げた「上海わんにゃん里親会」という団体が存在する。元々、1人でイヌ・ネコの保護を続けてきた筋金入りの動物好きな人々が、受け入れられる数に限界を感じ、2011年に集まってウェブサイトを作成。そこで情報を公開し、里親を募るようになった。街を彷徨って衰弱したイヌ・ネコを保護しては、各種ワクチン接種や虫の駆除、マイクロチップ装着やトイレトレーニングを行いながら、愛情深い里親を探している。興味がある人は、まずサイトを訪れてからメールしてみよう。欧米系の動物保護団体「JAR」が毎月開催している里親会にも頻繁に参加するので、そちらも要チェックだ。

ネコをメインに里親探し

また、特にネコが好きでたまらない! という人には、「Paw Pals Animal Rescue (PPAR)」というグループもある。彼らは07年、閔行区に拠点となる施設を構え、ネコをメインに保護活動を展開、現在までに300匹以上の子猫を里親へ譲ったという。毎週末13時~17時、希望者に向けて施設を公開しているので、まずはメールで連絡してから相性の良い子を探しに行こう。

そのほか、上海では多くの保護団体が活動中だ。イヌ・ネコを迎える方法のひとつとして、検討してみてはいかが。

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初めにするべきこと

上海でイヌを飼う場合、まず個体識別のための「マイクロチップ」装着と「狂犬病ワクチン」の接種を行ったうえで、公安局への登録が必須だ。ワクチンは政府指定の病院でのみ接種可能で、1回目の接種から継続して、年1回受けることが義務付けられる。所要時間は各5分程度、居住エリア内の病院なら、その場で登録まで済ませられる場合もある。ネコの場合いずれも必須ではないが、日本へ帰る時にはイヌ同様、チップ装着&ワクチン接種が必要となるので、早めに終わらせて損はない。

また、健康面を考え、「混合ワクチン」もぜひ接種しておこう。消化器官に寄生する「回虫」のほか、夏場には、蚊を媒体とする「フィラリア」、「ノミ・ダニ」の駆除もしてあげるとベター。

帰国に備え早めの準備を

そのほか帰国に備え、事前に準備しておきたいのが「狂犬病抗体検査証明書」の用意。これは、体内に狂犬病の抗体があることを証明する書類で、イヌ・ネコが日本へ入国する際に要提出となる。ただし、日本国内の指定機関での抗体検査が必要なうえ、検査用の血清採取から180日間、イヌ・ネコは上海に滞在しなければならない。さらに言うと血清は郵送できず、ハンドキャリーのみ持ち込み可と、何とも面倒だ。証明書は2年間有効なので、それまでに帰国が決まっている人は余裕を持って準備を進めよう。ちなみに、すでに取得済みだからと油断し、年に1回の狂犬病ワクチン接種を怠れば、2年以内でも証明書は無効となるので注意が必要だ。

複雑すぎてもう嫌だ! という人は、日本人向けの手続き代行サービスを利用する手もある。また、法律や規定は頻繁に改訂されるので、帰国が決まった時点で最新情報を調べよう。

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ヴィラ風レストラン

散歩のついでに立ち寄れるカフェやレストランがあれば、ドッグライフは増々充実することだろう。ここでは、そんな愛犬家にうれしい空間を紹介する。

「コットンズ」は、ゆったりとした時間が流れる、ヴィラ風の2階建てレストラン。緑に囲まれたテラスや、薪を使った暖炉など、まるで郊外の屋敷のような趣の空間に、イヌたちものびのびと寛げるはずだ。料理は「チーズ盛り合わせ」(128元)やカリカリの「ギリシャ風ピザ」(60元)といった西洋料理のほか、アジアン料理も提供。寒い季節には愛犬とともに同店へ飛び込み、暖炉横の席で、香辛料入りのホットワイン「グリューワイン」やコニャック入り「チョコレートコーヒー」(各65元/杯)で、身体の芯から温まろう。

ネコがまどろむダイナー

イヌ派かネコ派か。そんな質問にすぐ答えられない、どっちも大好き! という人は「パイロ」を訪れてほしい。同店は、「グリルチキンバーガー」(55元)や「チリチーズバーガー」(85元)、「フィッシュバーガー」(65元)など、バーガー各種を提供する、アメリカンダイナー。店内にはいつも、オーナーの飼い猫が2匹思い思いに寛いでいる。やさしくなでると喉を鳴らす、人懐こいネコたちに癒されること間違いなしだ。

「ピアー39」もまた、動物好きから評価を得ているカフェのひとつ。壁の伝言板にはイヌ・ネコの写真や、「里親募集中」の貼り紙が貼られている。また、店内は広くないものの、爽やかな雰囲気に満ち、散歩ついでにランチやコーヒーを楽しむのにピッタリ。同店を訪れる際は、パンをくり抜いた中に注ぐ「クラムチャウダー」(52元)がクリーミーで絶品と名高いので、ぜひお試しを。そのほか、サラダやパスタなどカフェメニューが充実。

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日本語での診察が可能

虹橋エリアに、日本語で診察を受けることが可能な病院がある。「上海正伊寵物医院」は、日本語が堪能な上海人が立ち上げた。現在は、日本人獣医の田中先生と中国人獣医2人のほか、看護師や通訳などを含めた計9人が勤務し、月曜・日曜の夜間を除き、ほぼ常に日本語を話せるスタッフが常駐。中国語が離せなくても、予約電話時に「田中先生をお願いします」と頼めば、気さくな院長が、ペットのケガや病気を診察してくれる。

同院は、ビルの2階に診察とペットホテルの受付、1階にペット用品を扱うショップを設置。さらに、別棟にはトリミングサロンも併設した、至れり尽くせりのペット総合施設である。別途費用は必要だが、送迎サービスがあるのがうれしい。

24時間診療サービス

一方「申普寵物医院」は、上海在住の日本人でイヌ・ネコを飼っている人ならば、いずれ何度も訪れることになるであろう動物病院だ。と言うのも同院は、イヌ・ネコが日本へ入国する際に必要となる各種検査や書類作成を一手に担う、市内で唯一の指定機関なのだ。残念ながら日本語はもちろん、英語もほぼ通じないが、24時間の診療サービスを行っており、深夜、急にペットの体調が悪くなった時などに重宝する。

そのほか、できることなら考えたくはないが、イヌ・ネコが亡くなった時についても触れておこう。かかりつけの病院に相談して手配してもらう、というのが最も一般的だろうが、市が運営する火葬場では、立ち会いが不可となっている。立ち会いを希望する場合は、独自に火葬施設を持っている業者を利用するほかない。最近はショッピングサイト「淘宝網(タオバオ)」でサービスを購入できるという業者もある。

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~上海ジャピオン2013年12月13日号

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