週末北京でココ行きたい!

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〝お化け屋敷〟で大冒険

「私、北京に1回しか行ったことないから今回楽しみだわ。新幹線にも乗るわよ~」

「仕事が終わる前から遊びかよ」

「いいでしょ! 私にとっては、あなたの仕事より北京観光がメインなの。どこ行こっかな」

「やっぱ面白い博物館だろ。郊外にSLだらけの巨大な鉄道博物館があるって話だぜ」

「ま~た始まった。鉄ちゃんはいい加減卒業したら」

「いや~、それは無理な相談。英国製の年代物SLから、政府のお偉いさんの公務用車両に、中国近代史上重要な人物の名前付き車両もあるんだって」

「やれやれ、何が楽しいのやら」

「客車に乗り込めるし、また、アニメ『銀河鉄道999』の〝メーテルと鉄郎ごっこ〟しようよ」

「お断りです! 私は博物館とかより、冒険的なことしたいの」

「ちぇっ、つまんないの。なら万里の長城がいいんじゃない」

「前回行ったしパス」

「君が行ったのどうせ八達嶺だろ。古北口から金山嶺通って司馬台まで歩こうぜ。修復が進んでないから、スリル満点」

「やった~そうこなくっちゃ」

「しめしめ、これで2日間は万里の長城に釘付けだ。その間、どこ行ってこようかな♪」

「何ブツブツ言ってんの。2日間釘付けってどういうこと」

「いや、何でもないって」

「ちょっと地図見せて。うわ、何この殺人的な距離…勘弁して。それに、かわいい姫様を1人ぼっちにするつもりなの?」

「爺はじゃじゃ馬姫に疲れておるのじゃ…。あ、そうだ、巷で話題の冒険スポットがあった。朝陽門にある廃墟の洋館なんだけど、お化け屋敷みたいな雰囲気で肝試しに来る人が多いって」

「廃墟の洋館ってそそるわね。旅費の節約も兼ねて、そこに泊まりましょっか、ダーリン♪」

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四合院の隠れ家ホテル

「そういえば、宿どうする? どうせ1、2泊しかできないんだし、ちょっと奮発しちゃう?」

「ヒルトンとかシャングリ・ラとか、豪華5ツ星ホテルに泊まっちゃう!?」

「うーん、もっと北京的なホテルがいいかも」

「北京的と言えば、細い路地〝胡同(フートン)〟に、伝統住宅〝四合院〟がキーワードだよな…。じゃあ、あそこで決まりだ!」

「どこどこ?」

「〝レッドキャピタル・レジデンス〟っていう、北京の下町にある四合院の隠れ家ホテルだよ」

「四合院の隠れ家? とってもいい響きね~」

「部屋は全部で3つしかないけど、天蓋のついた昔ながらのベッドで寝られるんだぜ。それにアンティーク家具や1950~60年代の中国的なグッズが至るところに置かれて、マニアはヨダレものらしい」

「フーン。マニアっていうか、あなたが、でしょ」

「否定はしないね。部屋はとにかく〝ザ・オールドチャイナ〟って感じのレトロな造りだし、絶対気に入るって。それに、庭には昔の防空壕を利用した洞窟バーもあって、ビール片手に古い中国映画を見られるんだぜ」

「それ面白そう。胡同散策もできそうだし一石三鳥ね♪」

胡同の猫カフェでまったり

「地図見ていて思ったんだけど、北京って胡同が死ぬほどあるわね」

「全部で6000本以上あるんだぜ。すごいだろ、えっへん!」

「なんであなたが威張るのよ。ガイドブック見ると、後海辺りとか中央戯劇学院近くの南鑼鼓巷とかの胡同が観光スポットみたいね」

「北京博士の僕に言わせると、南鑼鼓巷一帯は、著名作家・茅盾(ぼうじゅん)の旧居とかの見どころもあるけど、基本的にお上りさん向けの土産物屋ばかりで何か物足りないんだよね」

「いつ博士になったのよ。じゃあ、博士様、どの胡同ならよろしいのですか?」

「ゴホン。僕のオススメはズバリ、五道営胡同!」

「自信満々ね。ネットで仕入れた情報を鵜呑みにしていいのかしら」

「ほら、このサイト見てごらんよ。懐かしい雰囲気の中にある古い住宅を改装したカフェにベジタリアンレストラン、創作雑貨店もあってオサレだろ。あと骨董品屋さんとか猫カフェなんかもあるし、君の大好きなものばかりじゃない?」

「確かに。わー、このブサカワなデブ猫たまらないにゃん♪」

「…1児の母とは思えないイタさだな。猫カフェでは、君1人でまったりしておくれ」

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巨大な骨董市場で値切り

「あ、骨董品で思い出した。友達が言ってたけど、すごい骨董市場が北京にあるんでしょ? そこにも行きましょう!」

「ああ、潘家園市場だろ。昔行ったことあるけど、本物と偽物が入り乱れた、ゴチャゴチャ感満点の骨董市場だよ。とにかく、ここにないものはないね」

「値段交渉にワクワクするのよね。あの真剣勝負感が最高!」

「…君の値切りは半端じゃないから、喧嘩になるんじゃないかって、見てるこっちがハラハラするよ」
「あなたは邪魔だけはしないでね」

「はいはい。でも、ここに行くと1日がかりになるよ、とてつもなく広いから。僕は報国寺市場の方がいいと思うけどな。地元の人のための骨董市って雰囲気だし、広さもちょうどいいしね」

「時間なさそうなら、その報国寺だけでもよくってよ」

「よし。今度こそ報国寺で、三国志の関羽のでっかい置物を買うぞ~。値切りは任せた!」

「いいけど、荷物のオーバーチャージ分はあなたのお小遣いから引くから覚えといてね♪」

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北京料理を味わい尽くす

「今回色々楽しめそうね」

「なんか駆け足になりそうだけど、大丈夫かなあ」

「無問題。何とかなるものよ」

「飯食う時間なさそうじゃん」

「何言ってるの! 食べまくるわよ。おいしくて、雰囲気良くて、リーズナブルなレストランリサーチしてね」

「出た、必殺の丸投げ。食べたい料理の方向性を教えてよ」

「やっぱ北京料理でしょ」

「うーん。自分は新疆のウルムチ駐在員事務所のレストランに行きたいな。〝北京一うまい〟って言われる羊肉串を、新疆黒ビールと一緒に食べようぜ」

「相変わらず羊肉が大好きね。候補に入れてあげるから、まずは北京料理店を教えてちょうだい」

「調べますよ…あ、この〝盛世楼〟ってトコ良さそう。内装は清代の飯屋のようで、店員は独特の北京訛りで話すんだって。涮羊肉(羊肉しゃぶしゃぶ)もあるし、炒肝兒(豚モツ煮込み)とか北京の名物料理も盛り沢山だ」

「老北京の雰囲気あるね。そうだ、北京ダックはどうなの? 前回超有名店のがイマイチだったから、リベンジしたいのよね」

「北京ダックならうまい店知ってるよ。〝利群烤鴨店〟で間違いなし。前門近くの胡同にあるんだ。四合院で味わうハウスワインと極上ダック…。西洋と東洋のマリアージュに乾杯!」

「グルメリポーターみた~い…って言うと思った? あなたのへんなリポート聞いてたら、おいしい料理も台無しになるわ」

「そう言うなよ。あとは、宮廷料理とかどう。後海の胡同にある〝厲家菜〟ってところ。西太后の料理を作ってた厲(れい)さんの子孫がやってるんだってさ」

「あの西太后が食べた料理!? すごいじゃない。そこ行こ! でもまた胡同なの? 今回は最後まで胡同をさまようことになるわね」

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~上海ジャピオン2013年12月20日号

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