まずは今年を象徴する上海市の重大ニュースから。どれもこれも印象的で記憶に新しいものばかり。日常で話題に上がったことも多かったはず。
1位 鳥インフルの猛威
国家衛生計画出産委員会は3月31日(日)、上海市で鳥インフルエンザH7N9型ウイルスに感染した87歳と27歳の男性が死亡したと発表した。
今年、中国全土で猛威を奮った鳥インフル。最終的に市では33人の感染が確認された。この影響で、市は各卸売市場を一時閉鎖し、市場から回収した家禽類約10万羽を殺処分。また、江西省では最近、H10N8型のウイルスが検出された。まだまだ予断を許さない状況のようだ。
2位 ブタの死骸が漂着
今年3月、上海市を流れる黄浦江の松江区域で、大量のブタの死骸が漂着しているのが見つかり、3月中旬までに1万3061頭の死骸が回収された。調査によると、浙江省嘉興市など、黄浦江上流の養豚業者が遺棄したものと推定されている。
また4月頃には、松江区泗涇鎮付近にある川で、大量の魚の死骸が発見された。水質への影響や人への被害は確認されなかったが、「今年は鶏と言い、ブタと言い、魚と言い、一体何を食べればいいのか?」と消費者の嘆く声が聞かれた。
3位 上海、酷暑に襲われる
上海市気象台は、7月27日(土)12時頃、市徐匯区観測地点で、観測史上最高気温となる40・6度を記録したことを発表。市の最高気温記録は、1934年7月12日以来、79年ぶりに塗り替えられた。
この暑さの影響で熱中症患者が出たり、建物のガラスが突然割れたり、といった出来事もあった。来夏はもう少し過ごしやすくなることを祈るばかりだ。
日本人をはじめ、多数の外国人が居住する国際都市・上海。ニュースに登場するのは、いつも中国人ばかりとは限らない。
1位 ベッカム来海でPR
サッカーの元イングランド代表主将のデビッド・ベッカムが、中国スーパーサッカーリーグの練習見学のために来海。また、同済大学のサッカーチームとも交流したが、学生やファンが折り重なって倒れるほどの大騒動となった。
実はベッカムは、その5ヵ月前にも来海。ショッピングモール「静安ケリーセンター」で服飾ブランドのPR活動を行った後、すぐに上海を離れた。今年だけで上海には2度も訪問し、引退後も人気が衰えない様子だ。
2位 地下鉄で下着姿に
軌道交通列車内で1月13日(日)、外国人乗客たちが突然、一斉にズボンやスカートを脱ぎ、居合わせた乗客たちを驚かせた。これは地下鉄にて下半身のみ下着姿になろうというイベント「ノーパンツ・サブウェイ・ライド」の参加者たちである。
同イベントでは、公共の場に興を添えることを目的に、2002年のニューヨークでの開催以来、全60都市に広まっている。実際、下着姿になるのはほとんどが男性だったようだが、それでも流石に目のやり場に困るだろう。
3位 あの米俳優が水産市場に
またもや海外セレブが上海を訪れた。ハリウッド俳優、ニコラス・ケイジが、5月頃、普陀区の「銅川路水産市場」に突如現れ、現場は多くの野次馬で溢れ返った。
ニコラスは、ブランドのPR活動のため来海し、市場へはお忍びで訪れた模様。余談だが、ジャピオンの某編集部員は、会社近くのマントウ店で、映画撮影のため来海中の俳優・三浦春馬を目撃した。
毎回、奇妙奇天烈な内容で読者の心をくすぐるB級ニュース。上海市以外の都市で起こった「ええっ?」と目を疑ってしまうようなニュースが今年も勢ぞろい。
1位 少女がお年玉で車贈呈
アイドルへの憧れは国籍、性別、そして年齢を問わず同じ。しかしこの10歳の少女はすごい。中国台湾のアイドル、ショウ・ルオ(羅志祥)のファンという彼女はなんと、お年玉でもらった10万元で車を買い、ルオにプレゼントしようとしたのだ。
しかし、お年玉で10万元ももらえるなんて、羨ましい限りだ。
2位 女性教師の服装制限
湖北省武漢市の漢陽楚才中学では、同校の女性教師を対象に、学校内でセクシーな黒ストッキングの着用を禁止する新規則が発表され、一躍話題となった。
なるほど、青少年の健全な育成のためには必要な規則なのかもしれないが、ストッキングの色まで制限するのはいかがなものか。
また北京の某小学校では、今年「最美体育老師(美しすぎる体育教師)」がネット上で注目を浴びた。何でも、彼女の授業が始まると、男子はみんな真剣に話を聞くという。こちらの小学校では、そういった服装への規制はないが、女性教師のオシャレは時として、勉学の妨げになるのだろうか?
3位 46歳の〝中華一の受験王〟
お次も学園関連のニュース。四川省で6月頃に行われた大学入学統一試験「高考」の結果、同省に住む46歳男性が17回連続で不合格だったというから驚きだ。
「百折不撓(不撓不屈)」という四字熟語がある中国ならではのニュースと言えよう。果たして男性は来年もチャレンジするのだろうか? ちなみに妻は反対しているらしい。
1位 幼児の耳にタンポポ
北京市の首都小児科研究所で11月25日(月)、1歳4カ月の女児の耳の中から、開花したタンポポの花が見つかった。
その後女児は、全身麻酔による花の除去手術を受け、耳は正常な状態に回復。「寝耳に水」ならぬ〝寝耳にタンポポ〟なニュースであった。
2位 大気汚染へ新対策
北京市は10月22日(火)、大気汚染に対する緊急対策「北京市空気重汚染応急預案」を公布し、試行を始めた。今後、国が定める大気質指数が300を超える「厳重汚染日」が3日以上続いた場合「赤色警報」を発令。
毎年、被害が深刻化している大気汚染だが、北京市気象局は1月13日(日)、大気汚染により可視度2000㍍以下の煙霧が発生するとして、煙霧警報の最高レベルである「煙霧オレンジ警報」を観測史上初めて発令。このような状況下、市民からは汚染を懸念する声が多く、「春節期間は花火や爆竹を制限、または禁止すべきだ」との意見も上がっていた。環境保護か伝統のどちらを重視するか、迷うところだ。
3位 地下鉄の座席下から手
痴漢や迷惑行為など、犯罪が起こりやすい地下鉄。北京ではこんなショッキングな事件が…。地下鉄2号線を走る列車内で、座席の下に潜んだ男が女性のふくらはぎを触る事件が頻発。男は、おしゃべりに夢中な女性たちをメインターゲットとし、犯行に及んだ模様。
男はすでに逮捕されたが、地下鉄の座席下からまさか手が伸びてくるなど、誰が予想しただろうか…。
~上海ジャピオン2013年12月27日号