王道かつ奇跡の間違い
武「いや~このミスは、もうこれでもかっこれでもかっていうくらいに王道ですが、ある意味奇跡のチャパニーズですよねえ」
道「左様。〝ランチ〟のカタカナ3文字は、間違えるなというのが無理な話じゃが、なぜそこだけ間違ったんじゃ(笑)」
武「実際、〝ラソテ〟でも〝うソチ〟でも〝うンキ〟でも大丈夫なわけですし」
道「ふぉっふぉっふぉっ。大人気と書いておるから、〝チャパニーズ商法〟を使えば、お客が押し寄せると事前に予想しとったんじゃろ。策士よのう」
武「カニミソパスタ、いやカニミソペスタか? まあ、そういうものをイメージしてPOPを作ったのかもしれませんねえ」
道「うむ。これを機に、トイレをテーマにしたイタリアンレストランに店を昇華させるのも一興じゃな」
社長も唸る絶妙コピー
武「私も思わず『高あっ!』と叫んでしまったこのソックス。今回は特別にジャピオン持参で、何と2足で55元にてご提供!」
道「何をしとるんじゃ?」
武「いつもの癖でつい宣伝してしまいました(笑)。そのくらい訴求力バツグンのキャッチコピーっていうことですよ」
道「ワシも声に出して読んでみたら、『たかあっ』が呪文の〆のような感じがして、年甲斐もなく興奮してしまったわい」
武「もう1つのお菓子はツッコミどころ満載ですねえ。どうもミソとクソを連想して、宣伝する意欲も食欲も湧きません」
道「よく見ると小袋には『やまだ』と書いておるぞ。恐らく山田さんが丹念に育てた豆を、甘いミソでしっかり味付けした〝味噌豆〟なんじゃろう。『まんが日本昔ばなし』のように、三里戻っても食うのじゃ~」
奇天烈な発想の道士様
道「この麺は食べたことないが、よくインチキ訳遊びはするぞ」
武「道士様暇ですねえ。で、どんな翻訳して遊ぶんですか?」
道「自分ではどうにもならん時に英語で、オーマイゴッド! エブリシング・イズ・ティーポットと言ってみたりじゃな…」
武「ティーポット? あらゆることは急須? 何事も急須!? あっ、〝万事休す〟ですか!」
道「ふぉっふぉっふぉっ」
武「絶対この麺もう食べたでしょ。普通その発想はないです」
道「いや、ワシよりこの餃子を翻訳した人の方がすごいじゃろ」
武「確かに。餃子にガラスが入ってたら訴えられますよ」
道「昔、お笑いコンビのとんねるずが、〝ガラガラヘビは何でもペロリ〟って歌ってたじゃろ。じゃから食べても無問題じゃ」
武「絶対ダメです。それにヘビじゃなくてエビですよ、エビ!」
少林寺の入門テスト
武「いや~、チャパニーズでお出迎えとは、少林寺はほかのお寺とひと味違いますねえ」
道「ここだけの話じゃが、これは少林拳入門試験なんじゃ」
武「ウソでしょ。でも日本語も中国語も〝入口〟は同じ漢字ですし、このチャパニーズに何か秘密が隠されているのかも」
道「無論じゃ。この暗号問題が解けぬ者は入門叶わぬぞ」
武「う~ん。実に興味深い問題ですが、さっぱりわからない」
道「解けぬか? ならおぬしも〝靴下や下着だった〟などとうめくハメになるな」
武「私の前世が靴下なのか、暗号のヒントが下着なのか…。いずれにせよ、暗号解かずに山門をくぐり、
ジャッキー・チェンの映画に出てきたからくり人形の木人たちにしばかれる自分の未来が見えます…って、私は入門希望者じゃないですよ!」
~上海ジャピオン7月17日発行号