秋の午後、 長居したいブックカフェ

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腰を据え読み漁る

食肉加工工場をリノベートした「1933老場房」から歩いて10分ほど、この一帯には古い建物が多い。この店が入居するビルも、区画丸ごとを占める「半島湾penninsula bay」というアートスポット。

今年5月、建築家であるオーナーが、主に芸術と設計関連の書籍を取り扱う書店としてオープンさせた。入ってすぐの平積みコーナーには、日本を含め外国のクラシックな建築から、現代的なポップアートまで、

雑誌類が多く並ぶ。左手はスタイリッシュな文具にノート、ペンなど雑貨も売られる。2階は一般文芸書コーナーだが、特に装丁の美しい書籍を並べているように見える。

奥のカフェスペースでは、ケーキが20~25元、紅茶・ハーブティー50元、コーヒー30元など、良心的なプライス。客らの動く気配はなく、どっしり腰を据えて本を読みふけっている。

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大人のステーショナリー

「モノには心がある」と訴えるのは、新天地のショッピングモール内に入居するブックス&ステーショナリーショップ。文房具といえば学生時代から新商品フリークだった人、

気に入ったものを長く使い込む人、まるで無頓着な人、と大きく分かれるものだが、いずれにせよ嫌う人はいないだろう。

書籍は図録や雑誌類が多く、雑貨は手帳やマスキングテープから、欧米のアイディア文具、果てはそれらを入れて運ぶバックパックまでをひと通りそろえる。そしてそれらを、

シンプルでありながら温もりのある木の展示台に並べている。台の高さはちょうど大人が見やすく、子どもにはイタズラしにくいので、子連れでも安心して来店できるだろう。

飲み物やケーキ類だけでなく、スナック類にアフタヌーンティーセットもある。淮海中路300号のK11購物芸術中心3階にも店舗あり。

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窓辺の席から眺める

高級ブランド店が軒を連ねる静安寺のショッピングモール内。上層階は有名ブランド店よりも、ファッション性の高い衣服や生活雑貨、カフェなどが多いが、この店もその中の1つ。

空間をこれでもか! と贅沢に使い、間隔を広くとってテーブルを配置している。そのうえ席の数も豊富で、混み合っている印象もないし人の気配を邪魔に感じることもない。

ケーキとドリンクで50~60元程度と、静安寺にしては良心的なプライスなのもうれしい。

一方の書籍コーナーは、カフェエリアに比べると通路が狭め。しかしそもそも本屋とは、狭い通路をたくさんの本を抱えて移動するものではないか。

大きい窓からは静安寺が一望できる。窓辺の席に陣取って、コーヒーに本、景色だけで1日過ごせてしまいそう。

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フロアごとの分類

ショッピングモールの隣に位置するオフィスビル1階にある。ビルごと少々お堅い印象を受けるが、中に入ると空気の流れが変わる。

まずは下から上へ、と店内を散策してみよう。1階はほんの少しのステーショナリー雑貨と、文化的なテーマの書籍ばかり。階段の壁や踊り場に埋め込んだ書棚は、学術書や図鑑、芸術書の類。

続く2階は文学に次ぐ文学、国内の本からアジア、欧米や中南米のクラシックな名作まで。こちらも美しい装丁に目を奪われる。

そして3階、こちらはイベントスペースになっており、読書会や講演会が定期的に開かれているそうだ。スタッフが、これからこういったイベントが始まりますよ、と声をかけてくれる。

カフェは1階と2階の間の踊り場を突っ切った先。本格的なエスプレッソマシンを見て、コーヒーの味にも期待が膨らむ。

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~上海ジャピオン9月25日発行号

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