テラリウムDIY

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多湿を好む植物を選ぼう

 テラリウムを作るのに必要な材料を紹介しよう。まずは土台に使う土。ガラス容器は排水することができないので、水分量を調整することが難しい。そこで培養土の下に、通気性と保水性に優れた水苔や砂利を敷くと、植物の根が枯れたり、腐ったりすることを防いでくれる。

次は植物を選ぼう。鮮やかな色の花をたくさん詰め込みたいところだが、テラリウムに向いているのは多湿を好み、お手入れが簡単なシダ類や苔たち。特に苔はジメジメした環境を好み、空気中の水分だけでも育つのでオススメだ。

見ているだけで顔がほころぶ小さなフィギュアやキラキラした飾り石は、テラリウムのアクセントにどうぞ。かわいいキャラクターをそっと置くだけで、ガラス容器の中に、小さなファンタジーの世界が生まれる。

容器の大きさや形によって、入れられる植物の種類や高さが決まってくるので、ガラス容器は慎重に選ぼう。メジャーなのは丸いタイプだが、ポットやジャー、ワイングラスなど、ガラスの容器であればほぼ何でも、テラリウムに使うことができる。ただし容器の口が小さいと、植物の植え付けが難しいので、初めての人は口が大きく開いたものを選ぶと◎。

DIYが捗るアイテム紹介

DIYを始める前に、ピンセットを用意しよう。小さな容器や口が小さい容器だと奥まで指が入らず、植物の植え込みやフィギュアを置く時に苦労する。また柄の長いスプーンがあると、土を入れたり、穴を掘ったりするのに便利だ。完成後は、植物の葉を濡らすことなく、直接土に水を注入できるスポイトが重宝する。さらに霧吹きがあれば、苔のお手入れもバッチリ。

では準備が整ったところで、レッツチャレンジ!

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DIY教室に参加

 今回取材班がお邪魔したのは、10、13号線「新天地」駅すぐのDIY教室「楽聚匠心微景観創意植物手工坊」。

ドアをくぐると壁一面にズラリと並んだテラリウムがお出迎え。どれもかわいい~。

同教室はオリジナルのDIYキットと説明書を使って、先生がマンツーマンで教えてくれるという親切ぶり。

これなら初めてでも安心だ。まずは、たくさんあるテラリウムから、作りたいサンプルを選ぶ。

さあ席について、DIYがスタート…とその前に、ドリンクのサービスまでと、至れり尽くせり。緑の空間でホッと一息ついていると、

本日担当してくれる王先生がキットを手に登場。直径12㌢のガラス容器が目の前にデンと置かれ、いよいよだ…と、一気に緊張が高まる。

道具の使い方について簡単に説明を受けたあと、土台作りから開始。土を入れるだけなら、簡単じゃ~ん、と余裕だったののも束の間、

早速先生からダメ出しが。仕上がりをキレイに見せるために、土台に傾斜を付けなければいけないんだそう。

なるほど、確かにどのテラリウムも横から見ると、奥に行くにつれて土台が高くなっているのがわかる。

植物はしっかりと植えて

 さてここからが正念場。小さな観葉植物たちを、容器に植え付けていく。紅い葉が可愛らしいフィットニアに、モコモコの葉のアジアンタム。

〝緑の絨毯〟である苔は、テラリウムの〝森〟を演出するのにうってつけだ。

これらの植物の根をやさしくほぐしたあと、根をピンセットで垂直に摘み、土に掘った穴に植えていく。

「植物が一番キレイに見えるアングルで、植えてあげるんですよ」と先生のアドバイス。ためつすがめつ眺めてから、

ようやくそろりそろりと植物を植えてみるも、すぐにコテッと傾いてしまう。「怖がらないで大丈夫! ギュッと入れて。」との指導の下、

1つ植えては周囲を固め、植えては固めを繰り返すうちに、いつの間にかドーム内は緑でいっぱいに。

可愛らしい植物たちにしばしうっとり。「あ~疲れた、これで完成でもいいよね~」とつぶやく取材班をよそに、先生は最後の仕上げの準備に入る。

飾りつけはお好みで

容器の手前は、デコレーション部分。飾りつけ自体は難しくないが、ここが仕上がりの美しさを左右する、腕の見せどころ。

最初は土が隠れるように小石を敷き詰め、青い砂を手前に敷くと、あっという間に青いビーチが現れた。

最後にフィギュアを好きなところに挿せばできあがり。キノコやヒトデ、テントウムシが緑の中に見え隠れし、主役のトトロは砂浜でウトウト居眠り。

たった1時間ほどで、まるでアニメのワンシーンのようなファンタジーな空間が完成した。

家でじっくり愛でよう

同教室はテラリウムを持ち帰る際、テイクアウト用の専用ボックスに詰めてくれる。「ケーキを運ぶようにそっと持ち帰ってね」との言葉とともに

手渡され、最後にお手入れ方法を教わる。水やりは週に1度、スポイトを使って植物の間の土に直接水を与え、苔は毎日1回、

霧吹きで湿らす。直射日光に当てると、ガラス内の温度が上昇し植物が傷むので、ほんのり陽射しが入る場所に置いておくこと。

半年ほど経つと、植物はグングン育ち、緑がより濃くなるそう。伸びすぎた葉を切ったり、枯れた葉を取り除いたり、

お手入れを欠かさなければ植物はずっと元気に育ってくれる。長く付き合えるテラリウム、愛情たっぷりに育てたい。

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ラブリーな多肉植物

 ピンセットでちまちまと作業をするのは、どうも苦手…という人には、多肉植物の寄せ植えがオススメ。

こちらは細かい作業や道具を必要とせず、子どもから大人まで、気軽に挑戦することができる。

多肉植物はプリプリとした葉が愛らしく、色や形も様々。また、ネーミングも独特なものが多く「乙女心」や「ブロンズ姫」、「小人の祭り」など、

まるでおとぎの世界からやって来たようなものや、「新月」、「夕映え」、「明鏡」など風流な名前が付いているものもあり、調べるだけでも楽しい。

「ブロンズ姫」と「明鏡」を一緒に植えるとファンシー、なんて名前だけで思わず空想してしまう。

アレンジを楽しんで

 

 

 

今回は、多肉植物の寄せ植え教室を行う「怪物森林微景観DIY工作室」で作り方を教わった。やり方は至ってシンプル。

まず入れたい多肉植物を選び、手で根をよくほぐす。次に鉢の底に小石を敷いたあと、培養土を半分ほど入れ、多肉植物を鉢へ。

そして隙間を埋めるように土を入れていけば完成だ。

最後のアレンジとして、これまた小さな人形をちょこんと入れてみた。葉が赤い「オーロラ」と白い「ホワイトローズ」の間できょとんとする少女、なんだか『不思議の国のアリス』のよう…と、取材班1人でご満悦。

持ち帰った3日後に1度水をたっぷり与え、その後は週に1回水やりをすればOK。水をやりすぎると、根が腐ってしまうので注意しよう。

多肉植物は多湿を嫌うものが多いので、蒸し暑い夏は直射日光を避け、水の量も控えめに。

寄せ植えは、容器1つで雰囲気がガラリと変わる。今回は陶器を使ったが、ブリキ缶や小物入れ、流木でのアレンジもオシャレ。

またテラリウムで使用した丸いガラス容器を使い、ぶら下げて飾るのもかわいい。

 

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~上海ジャピオン2016年4月15日発行号

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