見たらアンラッキー!? 中国迷信の謎

668-P1-1 668-P1-2

智慧のある鳥が嫌われ者に

映画『ハリー・ポッター』で主人公のパートナーとして登場するように、ヨーロッパでフクロウは〝智慧〟の象徴とされているんだけど、中国では忌み嫌われることがあんだって。一説によると「フクロウは親を食べる習性があって、親不孝である」と言われているんだ。また「不怕夜猫子叫、就怕夜猫子笑(フクロウが鳴くのは恐れるに足らぬことだが、笑うのは恐ろしい)」とされ、闇夜の中で不気味に佇むフクロウを、不吉の象徴とする向きがあるみたいぜ。

またカラスも、日本ではどこでも見掛ける賢い鳥というイメージが強いけど、中国では「カラスの鳴き声を聞くと身の周りの人が亡くなる」と言われることがあるんだ。一方、カラスの姿を見ず、鳴き声だけを聞くのであれば吉祥の前兆とする言い伝えもあって、吉凶両方の暗示として扱われているんだって。

668-P2-1

タブーとされるアクション

中国人が、家の前や交差点付近で紙を燃やしているのを見たことある?あの紙は「紙銭」と呼ばれる〝あの世〟で使う通貨なんだ。彼らは「焼紙銭」という行いを通じて、亡くなった人にお金を贈り届けているんだけど、もしその燃やしている場所を他人が通ってしまったらその人もお金と一緒に〝あの世〟逝きになってしまうんだ。だ・か・ら、絶対通っちゃダメだと言われているんだぜ。

また中国の迷信では、発音が同じ理由で忌避されるものが結構あるんだ。その例が「ナシを半分に分けて誰かと一緒に食べる」こと。リンゴやグレープフルーツは問題ないんだけど、ナシを誰かとシェアをしたらその2人の仲は引き裂かれてしまうんだって。「分梨(fen1li2)」をしたら「分離(fen1li2)」しちゃうからな。

668-P2-2

中国の伝統的考え方に由来

中国人にプレゼントを贈る時は気を付けないとダメだよ!絶対に選んでいけないのは「時計」と「傘」。「時計を贈る」のは中国語で「送鐘(song4zhong1)」と言って、「死を見送る」を意味する「送終(song4zhong1)」と同じ発音だからな。

また廃れつつある風習みたいだけど、白色は葬式を連想させるから結婚式で白いドレスやスーツを着るのはNG。黒色も好まれない。中国の伝統的な結婚式を行うなら、用いる色は「赤」で新郎新婦の服装、会場ともに真っ赤にするんだ。だけど参列者は、主役と被らない色にしなよ。

結婚式の服装は赤色にしたのはいいけれど、忘れちゃいけないのが日取り。中国では旧暦に基づいて毎日の吉凶が決められるから、その日にやっていいこといけないことを事前にチェックしてみたら?

668-P3-1

古代から崇められる生き物

最後に、縁起のいい生き物・植物を紹介するよ。伝説上の生き物「龍」は、古代中国の生活に深く根付いているんだ。ドラゴンボートレース「賽龍舟」がその例で、旧暦5月の5日目に、龍の加護を求めようと龍を模した舟を造ったのが始まりとされるんだってさ。「獅子」も寺社の入り口とかに像が飾られるように、家の守り主のような位置付け。旧正月の時に「獅子舞」を見掛けた人もいると思うけど、これは舞によって運を自分たちに引き付けようとしているんだ。

「ハス(蓮)の花」は、「蓮(lian2)」が「連(lian2)」と同じ音のため縁起がいいとされているんだ。またハスは、一度にたくさんの実を付けるため、子宝を恵む意味があり、「連生貴子(続けて子が生まれる)」が吉祥模様として有名だね。

 

~上海ジャピオン2018年3月2日発行号

最新号のデジタル版はこちらから




PAGE TOP