怪奇・心霊世界への誘い②

魔都百物語


 怪奇趣味の人はどこにでもいるもので、現実的といわれる上海人の間にもその手の噂はある。ここでは、編集部が収集した話をご紹介しよう。一部では場所の特定を避けているが、あくまでフィクションの一種として楽しんでいただきたい。

※ここでの内容は、噂話をもとに構成したもので、事実とは無関係の部分も含まれます。憶測での場所の特定や、関係者や編集部へのお問い合わせはご遠慮ください。

■龍華の霊通り

 龍華路と龍華西路が交差する一帯は、霊と出会う通りとして、知る人ぞ知る肝試しスポットになっている。ここには「龍華烈士陵園」という記念公園があるが、そこは20世紀前半の内戦時代に多くの中国人が処刑された場所で現在多くの墓碑が並ぶ。また、公園の隣には、お祓いを引き受けてくれる龍華寺があり、近くには葬儀場もある。
 ちなみに、霊に会う通りとしては、3号線「東宝興路」からほど近い西宝興路も、よく引き合いに出る。この通りにも、大きな葬儀場がある。

△龍華寺の歴史は、古く三国時代に遡る

■大学に出る幽霊

 
五角場近くにある総合大学の留学生の間では、学生寮の中に、奇妙な現象が相次ぐため誰も使わなくなった部屋があるという噂がある。その部屋の隣や上下の部屋では、奇妙な物音や声が聞こえるそうだ。
 また、中山公園から遠くない場所にある大学には、毎年秋のある時期に学生が飛び降り自殺をする棟があると言う。同大学の留学生K君は、「学生寮の屋上で幽霊を見るという話は有名です。また、寮の部屋にも出るという噂があります」と、留学生の噂を教えてくれた。

■心霊マンションの恐怖

 
外国人マンションが連なる、とある住宅地区の一帯では、そこがかつて処刑場として使われていたという噂が根強く広まっている。
「住宅地の地下には今でも人骨が埋まっている、という話もあるみたいです。事実かどうか分かりませんけど、中でも〝よく出る〟と言われるマンションでは、自殺者や原因不明の急病人が相次ぐとか」。友人から聞いたという話を、日本人女性Eさんが話してくれた。日本ではよくある話だが、異国の地・上海では、少々生々しく感じられるようだ。

■怪異を鎮めた龍の柱

 
都市計画の一環で、墓地を取り壊し、そこに高架道路を支える柱を建てることになった。ところが、原因不明の理由で工事がうまく進まない。困った関係者が法師に訊ねたところ、「この下に地の龍が潜んでいる」と告げた。彼の助言に従い天の龍を描いた柱を建てたところ、工事は無事完成したが、龍の秘密を漏らしたために法師は亡くなったと言う。
 いかにもな都市伝説だが、この柱は延安路と成都北路・重慶中路の交差点に実在する。合理的な上海人にも、怪異を信じる面があるようだ。

△市内交通の中心部に、見事な龍の柱が建つ。

■霊に化かされる山道

 
タクシーの運転手の間では、同じ道を延々と回り続けてしまう怪奇現象が、話題にのぼることがある。
「その日の夜、松江の天馬山近くで客を降ろし、ひとりで山道から市内へ戻ろうとしてたんだ。しかし、酔ってるわけでもないのに、延々と同じ道を走ってしまい、どうしても市内へ戻れなかった。幽霊がもしいるなら、あの時俺にとり憑いたのがそれだったのかもな」。幽霊なんてと、初めは笑い飛ばしていた運転手が、最後にやけに真面目な表情でそんな話をしてくれた。

~上海ジャピオン8月4日発行号より

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