上海日本人ブロガーにインタビュー!

まず1人目は、海外在住日本人向けに「ファイナンシャルアドバイス」を提供する会社の経営と「レンタルスペース上海りんご大学」を運営する田原あゆみさんにインタビュー。

女性が自立して生きるには

中国・上海をはじめ、アジアを中心に活動している田原あゆみさん。自身のブログ「上海&ホーチミンのタモリさんは今日も元気で自然体☆」は、上海市でトップ10に入るほどの人気ぶり。市での活動拠点が古北・万科広場ということもあり、街中を歩いていて日本人に「(田原さんの)ブログを読んでいます」と、声を掛けられることが多いと言う。

まずは、なぜブログを始めたのかを聞いてみると「始めたきっかけは、仕事のPR、認知度アップのためです。」との回答が。今はファイナンシャルプランナーとして、上海在住の駐在員太太などを対象に金融知識の伝授、日本の税年金・金に関する支援などを行っている彼女。彼女は自身の経験から、女性が自立して生活するには、経済的な自立が必要で、そのためには〝(お金を)稼ぐ・守る・殖やす〟という、お金に関する知識を身に付ける必要があると考えているそう。一緒に仕事をされているタモリさんと、個別指導やセミナーを開催している。

軽い文体でフレンドリーに

しかし彼女のブログは、仕事に関する内容ばかりではない。上海市内でおいしかったレストランや、旅行先での出来事などを気ままに配信。人気ブロガーだが、プレビュー数は気にせず、思い付いたままに書いていると言う。

あまりダラダラと文章を書き続けるのではなく、短めで、軽い文体にして、フレンドリーな内容になるよう心掛けているそう。自身のストレス発散的に書いている部分もあるため、定期的に配信するわけではないんだとか。

ブログは主に仕事の発信ツールとして活用しているが、ブログの内容は決して仕事のことばかりではない。そんな彼女がどんな休日を過ごしているのかについても聞いてみた。

人生の大半は海外生活

彼女は、人生の大半を海外で生活しており、上海生活もすでに13年を超えていると言う。

彼女は、中学・高校生を英語圏であるニュージーランドで過ごす。その後、旅行で中国に遊びに来たことをきっかけにこの国の魅力に惹かれ、また自身の経験や知識を生かせる今の仕事に巡り合い、来海したのだと言う。

月の半分は好きな国に旅行

休みの日は、ビジネスパートナーであるタモリさんや友人の作る料理などで酒を嗜むのが好きなんだとか。タモリさんは〝料理男子〟だそうで、りんご大学内に併設されたキッチンでもよく調理をすると言う。また、月の半分は好きな南国に旅をするという自由な働き方を実践しており今年は中南米に行く予定

最後に、ブログの中から写真を何枚かご紹介。「デトックスの青いお茶!」(1月20日配信「憧れの青いラテ!」)は、バタフライピーという、豆科の青い花のハーブを使うため豆の風味がするものの、そのままではあまりおいしくなく、現地ではラテなどとして飲むと言う。

海外を長く見てきたからこそ日本の素晴らしさを感じるとともに、もったいないなぁと思うことが多くあるんだとか。日本の2016年幸福度ランキング(国連調べ)は、先進国の中でダントツに低い53位。その理由として「経済・投資教育の遅れ」が挙げられていると言う。ニュージーランドでは「経済・投資教育」に対して義務教育の中で教育を行っており、その知識を日本人にも広めるのが自分の使命だと考えている。

続いてのインタビュアーはプキさん。上海生活はまだ1年未満だが、台北に住んでいた時に人気ブロガーとして有名だったと言う。上海と台北の違いなど、興味深い話を聞くことができた。

台北滞在を機にブログ

プキさんは、いわゆる〝駐妻〟として生活している日本人ブロガー。ブログを始めたきっかけは、多くの人と同じように、駐在員生活の記録を残すためであったと言う。旦那さんははじめ、台北に赴任。プキさんも帯同することが決まり、自身は仕事を辞めざるを得なかった。旦那さんは台北赴任前に北京に語学研修に行っていたため、将来中国語圏に赴任することになるのは覚悟していたものの、赴任の話を知った時はショックを隠せなかったんだとか。

上海と台北の違いに仰天

赴任が正式に決まり、駐在生活の記録を残すためにブログをしたため始めたのが、13年前の2006年。台北はここ上海と全然違い、そもそも日本人駐在員(妻)が圧倒的に少なったのが、ブログに人気が出た理由ではないかとプキさんは分析している。

また台北では、日本人向けのサービスや飲食店は多くなく、ローカルのものを利用せざるを得なかった。日本人であるプキさんがローカル店に足を運び、ブログで紹介すると、台北にいる日本人はもちろん、台北市民も〝日本人が紹介する店〟として、彼女のブログが注目されるようになっていた。

一方、自身のキャリアという面においては、だいぶ苦労されたと言う。台北では、大学に通って中国語を勉強。本帰国後の仕事に備え、翻訳の勉強もしていたと言う。本帰国後は、言語聴覚士の勉強をして、国家資格も取得して、その仕事も始めたところ、今度は旦那さんの上海赴任が決まったと話す。

台北から、一旦本帰国を経て上海にやって来たプキさん。彼女はどんな日常生活を送っているかについても聞いてみた。

書きたい時に書くのが秘訣

ブログの内容は主に日常生活で感じたことや、おいしかったお店などを紹介することが多い。写真にもこだわっていると言い、確かに写真のクオリティは中々のものだ。プライバシーには気を付け、自分や友人の写真は基本的に載せず、また紹介店舗は自宅周辺に偏らないよう気を配る。

紹介する店舗は、自分が気に入ってほかの人にもシェアしたいかどうかで、掲載する店舗ピックアップすると言う。「配信したい」と思った時にブログを書き始めるので、ペースとしては2~3日に1回。「書かなきゃ」というより「書きたい」と思った時に書いていくのが、長く続けるコツ。生活の一部・リズムに合わせて書くため、日本の一時帰国や旅行中はブログの執筆を休むこともあるんだとか。

日本語で何でもできる上海

またブロガーである一方、ほかの人気ブログを愛読する一読者である彼女。ブログを読んで、気になった店などがあると、慣れない街でも一歩踏み出す勇気をもらうのだと話す。上海滞在はまだ1年未満のため、今は自転車などに乗って市街地や七宝の水郷などを巡ることを趣味にしている。

台北滞在歴の方が長い彼女。2都市を暮してきた中で、その違いは何かについても聞いてみた。台北は日本人向けサービスがほとんどなく、生活に不便さを感じる部分があるものの、下町感があるのが気に入っていたと言う。一方上海は、日本語で病院にもスーパーにも行けて、ほしいものはだいたい手に入るのが便利で生活しやすいと言う。

 

~2019年2月15日発行号

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