ローカル店で基本の身だしなみ

プロの耳掃除を初体験

まずは、専門店「小鄧専業採耳館」で耳掃除を初体験。店内はマッサージ店のような雰囲気で、全部で4席を設ける。

早速、マッサージチェアに横たわる。店員のお姉さんはとても美人で、こんな人に耳の汚れを見られるなんて恥ずかしい…なんて思っている間に施術開始。店員が指にライトをはめ、細い金属の棒を使って汚れを掻き出していく。う~ん、気持ちいい…。奥のベッドから、おじさんのイビキが響いている。

ここで「あなたの耳垢は湿っているから、洗った方がいい」とのアドバイス。耳を洗う…? と疑問に思いつつも、せっかくなので「洗耳」(50元)を追加する。これが間違いだった…。店員が洗浄液を取り出し、それを耳奥にチューッと注入。すると、視界が回る回る。三半規管がいかれるのだ。そのまま細いブラシで耳をゴシゴシされ、頭を傾けて液体を出す。耳自体に問題はなかったが、めまいが激しくツラいと伝えたところ、もう片方の耳は洗浄液を含ませた綿棒で洗ってもらえた。これはめまいが起きず、ホッ。

リラックス効果も◎

仕上げに、音叉のような道具をビーンと鳴らしてその振動を利用し、小さな羽が付いた棒で耳奥と耳周りをマッサージ。不思議と足先まで振動がビリビリと伝わり、全身の力が抜けていった。

約40分の施術で、耳はスッキリ。常連客が多いのもうなずける、プロの耳掻き技術に大満足だった。

超庶民的な理髪店

日本で人気の、手軽で安価な〝1000円カット〟。中国でも、同じ価格帯で散髪できないだろうか…と「洗剪吹(シャンプー+カット+ブロー)55元」と出ていた理髪店へ、怖いもの見たさ半分に向かう。

入口をくぐるなり、私をチラッと見た理髪師のおじさんが「お嬢さん、現金は持っているのかい?」と質問。ネット決済はお断りのようだ。現金があることを伝えると、シャンプー台へ通された。洗髪を担当するのは、推定年齢70歳のおばあちゃん。水しぶきを顔に受けたり、後頭部に指が届いてなかったりと、なかなか雑なシャンプーぶりだが、おばあちゃんの笑顔で文句も言えず。

席に案内されカットを待っていると、店の奥が何やら騒がしい。と、麻雀卓が引っ張り出され、常連客と理髪師さんでゲームを始めた(!)。ジャラジャラという音をBGMに、いよいよカットが始まる。

スピーディーな施術

「髪は3㌢ぐらい、前髪は眉ぐらいまで切って」と伝えると、理髪師のおじさんは早速ハサミを入れる。ジョキジョキと迷いのないハサミ裁き。雑談や髪に対する感想などは一切なく、黙々とカットは進む。20分ほど切ったところでブローに突入。家庭用ドライヤーでチャチャッと髪を乾かし…「はい、終わり」とケープを取って終了。ちょっと髪が生乾きな気もするが、料金を支払う。おじさんはお金を受け取ってにっこり、息つく暇もなく、次の客のカットに取り掛かっていた。

フットケア専門の「修脚」

最後は、足の爪を切ってもらいに「鄭遠元専業修脚房」へ。「修脚」とは、足の爪切りや角質ケアを行うサービスのこと。足裏マッサージの「足道」とは内容が異なるが、フットバスや肩・足のマッサージも併せてやってくれるところが多く、お得感が強い。

店の入口には、ヤンキー座りでタバコを吸う若い兄ちゃんがおり、少々入りにくい雰囲気が漂う。思い切って足を踏み入れると、後ろから「どうぞ好きなところに座ってください」との声が。振り返ると、先ほどのお兄ちゃん。彼が施術を担当してくれるようだ(笑)。店内はマッサージ店とは違い個室がなく、マッサージチェアがずらりと並ぶ。数あるフットバスメニューから、ショウガが入った「老姜王」(55元)を選択して、施術スタートだ。

フットバスをしている間に、肩と首のマッサージ。隣では常連らしきおじさんが、同じようにマッサージを受けている。

専用器具で爪切り

次にフットケアへ。お兄さんが彫刻刀のような器具を用いて、上手に足の爪を切り、角質を削ってくれる。足裏に魚の目やタコがある人は、それも丁寧にケアしてくれるそうだ。最後にオイルで足裏を揉んでくれ、50分で終了。

もし衛生面が気になる人は、プラス10元で、器具を使い捨て器具に変更が可能。フットバスはほかに、アロエやヨモギをはじめ、肌の保湿用や、滋養強壮用など9種類あるので、色々試したい。

~上海ジャピオン2019年4月26日発行号

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