アイス×アルコールのベストマッチ

アイスクリームのド定番・バニラ。バニラ味のアイスはレストランでもよく見掛けるが、中国酒を混ぜても合うのかトライしてみた。

白酒「江小白」

上海のスーパーで以前、白酒の代表格「貴州茅台」を使ったバニラアイスが話題になるなど、バニラと白酒の組み合わせは前例がある。今回、コンビニなどで低価格で手に入る白酒を混ぜてみたが…白酒の風味が弱まり、ビターな味わいで悪くない。ただその代わり、バニラの風味も若干相殺された感があり、バニラ好きには物足りないかもしれない。

紹興酒「石庫門」

甘味がある紹興酒。編集班が把握している限りでは〝紹興酒バニラアイス〟は販売されていないためトライ。おっ、おいしい! アイスがキャラメル味にグレードアップしている。やや甘さが気になるが、それを差し引いてもベストコラボに近い。

米酒「米露」

江蘇省などでよく飲まれる米酒。白くて甘いバニラに、同じく白くて甘い米酒、これは絶対合うだろうと思って一口食べてみたが、想像していたほどのおいしさはなく、少し甘さが後を引く。口当たりがまろやかになるのは評価ポイントか。

台湾ビール「果微醺鳳梨」

日本ではバニラ×黒ビールがウマい! という情報があったので、アイス乗せビールを試してみた。ビールを注いだグラスにバニラを乗せると、とても泡立つので要注意。バニラをかき混ぜて飲んでみると、う~ん、泡の部分はあまり味がせず、炭酸部分もビールの苦味が薄らぎ、味気ない。まずくはないが、次回も試したいほどではない。

バ二ラと双璧をなす、アイスの人気フレーバー・チョコレート。これに合うアルコールはあるのか、いざ実食。

白酒「江小白」

とりあえず小さじで2回すくった程度のチョコアイスに、小さじ1弱の白酒を混ぜてみた。白酒の香りが強く漂い、この段階でNGの人がいそうだが…一口食べてみると、意外においしい!白酒自体に味は付いていないので、チョコの濃さに白酒の味がかき消され、コクがプラスされた感じだ。よくかき混ぜてから食べれば、白酒が苦手な人でもイケるかもしれない。

紹興酒「石庫門」

上海人だと、白酒より紹興酒の方が好きという人も多い。そこで、紹興酒の一種・老酒「石庫門」とチョコアイスをミックス! アルコールの香りは白酒ほどではないがやはり感じる…しかし食べてみると、んんっ!これはイケる。結構甘い「八喜チョコ」だが、アルコールを加えることで甘味が抑えられ、コクがプラスされたようだ。

米酒「米露」

米酒自体やや甘めのため、チョコの甘さに米酒の甘さが加わりややくどい。この米酒にはモクセイ(桂花)が入っており、後からモクセイの香りがフワッとくる。可もなく不可もなくといったところ。

台湾ビール「果微茘枝」

バニラ×ビールがありなら、チョコアイスでもおいしいのではないか、という好奇心からトライし、せっかくだから中国ならではのビールでと台湾ビールのライチ味と組み合わせてみた…が、大失敗!まず、チョコと炭酸が合わないし、チョコとライチもイマイチで、口の中がカオスな状態に。まったくまとまりのない感じになってしまった。

フルーツ系氷アイスや変わり種アイスも人気だが、アイス自体の味が特徴的なため、アルコールを掛けるとどのように味が変化するのかがポイントだろう。

グレープ氷アイス×RIO

「RIO」はサントリー「ほろよい」に似た味の酒。味は何種類かあるが、ピーチ味の場合、グレープアイスの酸味とマッチして、爽やかさがプラス。炭酸とグレープの相性も抜群なので、アルコールが得意でない人も楽しめるはず。グレープアイスをスプーンで崩してから「RIO」に入れると、シャーベットカクテルっぽくなる。

グレープ氷アイス×白酒

食べる前の白酒の香りがやはり気になるが、悪くはない。氷が解ける前に食べれば〝白酒を楽しむアイス〟に、氷が完全に解けた状態にすると〝グレープ味の白酒〟になり、1度で異なる感覚を楽しめる。

双黄×リキュール

月餅などでポピュラーな味「蛋黄(塩漬けの黄身)」。その黄身を2つもアイスに投入した「双黄蛋」はミルクアイスに黄身アイスが入っていて、意外においしいので、これにリキュールを掛けてみた。だが、使ったリキュールの苦味が強いためか、アイス本来のおいしさがかき消されてしまい、リキュールを食べるような感じになってしまった。

「ベイリーズ」のようなクリーム系リキュールだと合うかもしれない。

双黄×紹興酒

苦いリキュールが合わないなら、甘い紹興酒が「双黄蛋」のベターなペアになれるのではないかと試してみた。先ほどの「バニラ×紹興酒」に近い味で、やや塩気が感じられる大人なキャラメル風アイスに変身。黄身の塩気で味が引き締まり、上々のできあがりだ。

アルコールが苦手な人も楽しめるよう、コーヒーやココアをアルコールと一緒にアイスに掛けてみることに。

バニラ×コーヒー×リキュール

イタリアのスイーツに、バニラにコーヒーを掛ける「アフォガート」があるが、それにアルコールを加えてみた。アフォガート自体おいしいが、それにリキュールを足すことで、味に深みが増し、大人な味わいにグレードアップ。コーヒーの味が濃く、苦味のあるリキュールでもアルコールの味はそれほど感じない。

バニラ×ココア×リキュール

冬にホットココアはピッタリなことから、ココア版アフォガートにリキュールをプラス。しかし、チョイスしたココアがカカオ100%ということもあってかマッチせず。

日本でよく見掛ける、ミルクココアと組み合わせるとイケるかも。

緑茶アイス×コーヒー×リキュール

日本人になじみのある緑茶味のアイスでもトライ。だが、緑茶アイスにアルコールが合うかどうか以前に、緑茶にコーヒーがイマイチしっくりこない。ややまとまりのない味わいになってしまった。

緑茶アイス×ココア×紹興酒

緑茶アイスにコーヒーは合わないことがわかったので、ココアに変更し、またリキュールから紹興酒にしてお口直し。緑茶アイスとココアはまずまずの組み合わせだが、そこに紹興酒を加えることで苦味の中にほんのり甘さが加わり、味が見事に融合。アルコールも感じず、食べやすくなった。大人のプチ贅沢アイスに様変わり!

 

~上海ジャピオン2020年1月3日発行号

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