魅惑 困惑 スープカレー

薄暗い建物にある食堂

「徐家匯」駅と「宜山路」駅、「上海体育館」駅を結んだ三角形のほぼ中心に位置する「旬福食堂」。「宜山路」駅から歩くと、道沿いはインテリアメーカーばかりで、この先に本当にスープカレー屋があるのか不安になってくる。店があるという、元「日本人村」で、今はグルメ街「蒲匯塘食街」に着いても、店は見えず。建物に入り、天井が低く狭い廊下を突き当たりまで進むと、昭和の食堂のような味のある看板やドアがやっと見えてきた。

予想以上に本格派

店内は、皮張りのソファ席に暗めの照明で、食堂というよりはレトロ喫茶のよう。メニューには料理のイラストが添えられていて、日本語表記もあるのでわかりやすい。今回注文したのは、骨付き鶏モモ肉がドーンと入った、看板メニューの「とりももスープカレー」(45元)。大きな具材が特長のスープカレーだが、それに忠実にピーマン、ナス、レンコン、ニンジン、ブロッコリー、ヤングコーン、カボチャがゴロゴロと彩りよく入っている。スパイスが効いたコクのあるスープは、北海道で食べるスープカレーそのものだ。食べていると暑くなる辛さなので「半熟プリン」(15元)で中和して。

「最後は白米にレモンを絞って、カレーに浸して食べて」とメモが添えられていたので、挑戦。カレーにレモンは初体験で、ドキドキしながら口にしてみると、脂っこさが和らぎ、爽やかな味にガラリと変化した。デリバリーの注文も多く、昼時には満席になる、隠れた名店だ。

日本人女性にピッタリ

季節によって味を調整し、最近改めてリリースしたという、「艮上」の「スープカレー」(68元)。かわいいどんぶりには、チキンレッグと、焦げ目が付いたズッキーニ、ナス、レンコンなど、女性にうれしい野菜がたっぷり盛られている。揚げられたチキンレッグはホロホロと身がほぐれ、濃くてトロトロのカレールーと相まってご飯が進む。カレーはスパイスが控えめで、日本人の舌に合うような味わいに仕上げてあり、ほどよい辛さをピリピリと感じながら、ペロッと完食。平日「ランチセット」(68元)はこれにサラダ、スープ、コーヒーが付く。

同店では食事のほか、デザートやドリンクなどの甘いものも多数。人気メニューの「パンケーキ」(68元~)は、フルーツ、クリ、抹茶アズキなど、色んな味わいのメニューを豊富に揃え、楽しいアフタヌーンティーが過ごせること請け合いだ。

美学が溢れるスペース

東京で8年間留学した経験を持つオーナーが、顧客に上品で丁寧な暮らしを体験できる場を提供したいと創業したのが「艮上」。上海市内でティーサロンとレストランの2店舗を経営している。レストランは、ショッピングやビジネスで賑わう「中海環宇薈」に位置。天井が吹き抜けで、明るく開放感のある店内は、温もりを感じられる木を基調にし、こだわりの木製家具が並ぶ。ナチュラル系のインテリアが居心地よく、優雅でゆとりのある午後を過ごせる。

 

異色の北海道スープカレー

1012号線「陜西南路」駅近く、ショッピングや観光の前後に立ち寄りやすい場所にある焼き鳥居酒屋「三川・十酒」。ここは開業したとたんに、連日満という人気ぶりだ。しっとりと佇む古民家風の店舗で、店内に足を踏み入れると、少し暗めの間接照明が上品な和の雰囲気を演出している。

なぜかナンの付いた、こちらの「北海道特製スープカレー」(88元)は、定食ではなく鍋物だ。土鍋でよく煮た和風の出汁にスパイスを効かせ、カレーのコク、旨味、香りが溢れるスープは、バランスよく、疲れが癒されるようなやさしい味わい。辛いのが苦手な人にもオススメだ。

素揚げしたパプリカ、ズッキーニ、シイタケなど、ゴロゴロ入った野菜が彩りを添え、ジューシーなチキンレッグは柔らかくて弾力あり。ナンとの組み合わせは意外にも違和感なく、スープの最後の1滴までナンでぬぐっていただける。

目の前で繰り広げる職人技

同店は評判にたがわず、本格的な焼き鳥店。大きなカウンターにずらりと並ぶ鮮度のいい食材の後ろでは、職人たちがテキパキと串料理を炭火で焼いている。焼き鳥は「ねぎま」(10元)、「ヤゲン」(15元)や「特製鶏つくね」(20元)などのほか、カウンターから直接、お気に入りの食材を選んで注文するのも楽しい。席数が少なくかつ人気店のため、事前に電話にて予約するのがベスト。

北海道のご当地モノを求め

鳥居を潜ると、提灯が灯った通りに日本料理屋が並ぶ「中山公園横丁」、その中に北海道料理「ふる郷」はある。同店は北海道出身の店主が営み、かなりニッチなご当地メニューがあるんだとか。壁一面のポスターや手書きメニューなどの張り紙が、まるで日本の大衆居酒屋のような雰囲気だ。

カレーラーメンとザンギ

ここで注文したのはスープカレーではなく、カレーうどんならぬ「カレーラーメン」(48元)。初めて食べたが北海道や新潟では珍しいものではないようで、メニューに北海道名物のような記載はなく、いたって普通に味噌ラーメンなどと一緒に並んでいる。スープはラーメンのだし汁にカレーを加えているのか、薄くはないが、個人的にはもう少しパンチがほしいところ。具はたっぷりのチーズ、ニンジン、ジャガイモ、チャーシュー、ネギ、そこに歯ごたえのある太麺が入る。しっかりとした太麺は、食感もゆで加減も日本人好みで、次はオススメの「札幌味噌ラーメン」(42元)でも味わってみたい。

北海道料理のサイドメニューといえば「鶏ザンギ」(34元)。注文してみると子どもの拳ほどある大きな唐揚げが5個、醤油とニンニクの香りを漂わせて運ばれてきた。ジューシーでビールがほしくなる濃い味付けだ。「ザンギ2個と札幌生ビール1杯」(42元)というセットがお一人様向け。

~上海ジャピオン2021年6月11日号

最新号のデジタル版はこちらから




PAGE TOP