ようこそ めくるめく京劇の世界へ

観る前にココを押さえよう

大掛かりなセットなどないガランとしたステージで、様々な時代と人々の物語を演じる京劇。登場人物やストーリーをわかりやすく伝えるため、決まった様式や役柄がたくさんある。その一部をご紹介しよう。

まず京劇は、歌、セリフ、仕草、立ち回りで構成される。演目によって歌が多かったり、立ち回りが多かったりし、京劇ファンも、歌が好きで京劇を〝聴きに〟行くという人、派手な立ち回りが好きな人、と楽しみ方が様々だ。

さらに役柄は大きく分けて生、旦、浄、丑に分けられ、役柄によって歌の歌い方や、セリフの読み方が決められている。京劇役者は生涯をかけて1つの役柄を演じ、途中でほかの役に変わることはないという。

ほか小道具を使って馬に乗ったり、居眠りしたりを表現するので、この辺りは事前に予習しておくと、物語を理解しやすいだろう。

 

好きな演目と座席でどうぞ

京劇は、立ち回りなどアクション多めの「武劇」と、歌とセリフがメインの「文劇」に分かれる。それぞれ、初心者向けの演目をピックアップした。

『三岔口』は海外でも頻繁に上演される、外国人に人気の演目だ。セリフが少なく、暗闇の中で刀を交え、飛んだり転がったりする立ち回りが見事。武丑である宿屋の主人、劉利華のユーモアたっぷりな動きと表情、最後のオチが観客の笑いを誘う。

一方の『覇王別姫』は、故事成語「四面楚歌」の物語として、国語の授業で学んだ人が多いだろう。こちらは何と言っても、虞美人の歌と剣舞が見どころ。また京劇の名俳優、梅蘭芳の代表作として知られている。

京劇の劇場は、両側に字幕が設けられ、舞台上手に楽団がいる。自分の好みに合わせて席を選べるようになれればツウだ。

 

市民に愛される京劇と役者

最後に京劇の楽しみ方を、上海で活動している「厳慶谷さん上海後援会」の方にお伺いした。

京劇の劇場の雰囲気は地元感溢れる、ラフな雰囲気だ。もちろんドレスコードなどはなく、1人~団体まで、年齢も性別も様々な客が、ワイワイと鑑賞を楽しむ。途中で「好!」などの掛け声や拍手、ヤジまでが飛び交う賑やかな会場は、中国らしさを満喫できるとして、外国人観光客にも人気だ。なお長期休暇や春節前後は、有名俳優が出る演目が多く、狙い目なんだそう。

また熱心な京劇ファンは、長きに渡り京劇を支え、発展させてきた。かつてはファングループから京劇役者を輩出したことがあるほどだ。よって役者とファンとの距離は今も近く、国家トップクラスから駆け出し役者まで、親身にファンと交流してくれるのも、楽しみの一つだという。

 

 

~上海ジャピオン2021年11月26日号

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