鍋の素

日本人の舌に合う まるでラー油な鍋の素

食べるラー油で、日本人にも人気の調味料「老干媽」。このブランドからはラー油にも使われている、豆鼓が入った鍋の素が販売されている。

今回購入した「老干媽糟辣椒火鍋底料」の糟辣椒とは、刻んだ生唐辛子にショウガやニンニク、塩、白酒を混ぜて発酵させた、爽やかさと旨味、角か取れたまろやかな辛さが特徴の調味料。鍋の素の中身は、具がたっぷりと入ったラー油のようで、500㍉の水を加えて火に掛けると、糟辣椒と豆鼓のいい香りが広がる。ハクサイやエノキなどスタンダードな鍋の具材で味わってみたところ、辛すぎず、発酵食品特有の味噌のようなコクのあるスープがかなりおいしい。どんな材料でも合うクセのない味で、辛いものが得意ではない人から大人気だった。

 

オシャレな見た目に 超本格派の味と香り

スーパーでは見掛けないが、オシャレなパッケージに目を奪われてネットで購入した、四川省成都市「三生川辣椒舗」の鍋の素。このブランドは以前「田子坊」に、具入りラー油や唐辛子などの香辛料を扱う店舗を構えていたため、見たことがある人もいるのでは。

贈り物にも最適なナチュラルな箱のフタを開けると、鮮やかなオレンジ色に緑色の葉と唐辛子がアクセントとなった、フォトジェニックな中身に心躍る。火に掛けると、これぞ火鍋という牛脂の強烈な香りが広がり、部屋に臭いが残りそうと慌てて窓をオープン。味も本格派で、花椒の痺れ感は穏やかだが、しっかりと効いた唐辛子の辛さと塩分、複雑なスパイスの味が堪らない。本場の火鍋を手軽に味わいたい、部屋の匂いを気にしない人はぜひお試しを。

 

防腐剤・合成色素無添加 香り感じるあっさり鍋

四川省成都市の調味料メーカー「成都揚名食品有限公司」の火鍋の素「名揚」。鍋の素は、牛脂を使用した固形と、植物油を使用した液体の2タイプがあり、防腐剤や合成色素無添加を掲げた健康派だ。

胃にやさしそうという理由で植物油を使用した「精油火鍋底料」にチャレンジ。サラリとした鍋の素は、火鍋特有の牛脂の匂いがなく、唐辛子の香りがより引き立つように感じる。家でも火鍋を楽しみたいが、匂いが気になるという人にうってつけ。鍋にはラー油がたっぷり浮いているので、辛いのが苦手な人がレタスなどの葉物を口にすると、叫び声を上げるレベルの辛さ。辣を愛する人には、あっさりとしていて、コクと花椒などのスパイスの華やかさを堪能できる、かなり美味なスープでオススメ。

 

どれに挑戦する!? 選べる辛さ6種類

重慶市創業、火鍋レストランも運営する火鍋関連総合食品メーカー傘下の「重慶徳庄農産品開発有限公司」。ここの火鍋の素は、辛さを度数で表示し、子どもも食べられると書いてある「微辣12度」から、刺激を求める人向けの「爆辣75度」まで、6段階を用意。

本場重慶産と聞き、辛さに及び腰になった取材班は、「36度低辣牛油火鍋底料」を選択。度数が派手に書かれていて、全辛さを並べてみたくなるパッケージ。中身は、牛脂の中に刻まれた唐辛子や花椒がびっしりと入っていて、本当に低辣だろうかとドキドキ。いざ、食べてみると、辛さはさほどでもないが、痺れる感じがかなり効いている、麻が好きな人向けの火鍋だ。オススメの水の量では、塩っ辛く感じるので、鍋の素は半量程度から徐々に足していくといいだろう。

 

子ども大好きトマト味 麺のスープにもどうぞ

 四川省の老舗食品ブランド「好人家」。火鍋スープだけでなく、麻婆豆腐や魚香肉絲の素なども販売しており、手軽に本格中華を楽しめる調味料ブランドとして長年愛されている。

こちらの「トマト味火鍋の素(番茄火鍋底料)」はペースト状の火鍋の素が2袋入っており、これで3~5人分の火鍋のスープが作れる。水に火鍋の素を加えて加熱すると、ほのかに甘いトマトの香りがぷ~ん。野菜や牛肉、羊肉など何を入れてもおいしいトマト火鍋の完成だ。

トマトと鶏ガラ調味料をベースとした、辛味やクセが全くない、老若男女が楽しめる味。火鍋だけでなく、麺のスープとして使ったり、白米とチーズを入れてリゾット風雑炊にしたりしてもおいしそう。色々使える万能ペーストだ。

 

目に浮かぶ異国の風景 エスニック風にハマる味

中国国内だけでなく、海外でも圧倒的な人気を集めている火鍋チェーン「海底捞」。同店の天猫ショップには定番の清湯鍋や麻辣鍋はもちろん、サンラータン鍋や青椒鍋など、専門店ならではの種類豊富な火鍋メニューを揃えている。

今回は、エスニックなタイ風の「レッドカレー鍋(紅咖喱牛油底料)」を試食。真赤なスープからは麻辣鍋のような匂いが漂い、濃厚で辛い火鍋であることが想像できる。そんなスープには、香辛料やシュリンプペーストなどで配合したレッドカレーと、牛脂がたっぷり入っており、辛味に複雑なテイストと深み、漢方に近い独特の香りをプラス。好相性の海鮮食材のほか、牛肉を入れてもおいしく仕上がり、スパイシーな旨みと鼻から抜ける爽快感がクセになりそう。

 

有名スープメーカー作 ピリ辛鮮やかレモン鍋

日本では乾燥スープでおなじみ、1838年ドイツ創業の食品メーカー「クノール」。中国でも「家楽」というブランド名で、鶏ガラスープの素など、調味料を販売している。同社が手掛ける鍋の素は、「トマトスープ」や「キノコスープ」など全7種。

今回チョイスした「レモンスープ(酸湯檸檬火鍋底料)」のパッケージを開封すると、3つの小袋が登場。作り方の通りに、水に鍋の素と付属の乾燥レモンを入れ、火にかけ沸騰したら、後は好みの具材を投入。一口スープを飲んでみて驚いたのだが、辛い!フレッシュなレモンの酸味はあまりなく、酸辣湯のような酸っぱさと辛さだ。レモンの輪切りを加えて酸味を追加すると、タイ料理のような爽やかな味と辛さになり、エビや貝などの海鮮がよく合いオススメ。

 

~上海ジャピオン2022年2月11日号

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