実用派
買い物・食事にちょうどいい 日本人の心安らぐモール
久光系列では、上海市で二カ所目となる「上海久光中心」。静安寺エリアの「上海久光百貨」より3~4倍大きいが、地下の「フレッシュマート」や昇降しやすいエスカレーター配置にどこか日本らしさがあり、ほっと心が安らぐ。天井高めの見通しが効くフロアで、スムーズに買い物を楽しめるだろう。微信公式アカウントでも詳細なフロアマップを確認できる。
テナントショップも揚げパン専門店「Bun Bun a―ge」や「Niko and…」、「NITORI」など日系が目立つ印象。ほか「LADY M」「GaGa」「Mr・Choi」などオシャレなスイーツ&グルメがたくさん。まさに、普段の買い物や食事におあつらえ向きの〝実用派〟モールだ。場所は市の北側でやや遠いが、すぐ隣にある「上海馬劇城」や「大寧公園」へ遊びに行く際に利用したい。
アート派
モール自体がアート作品 芸術作品を多数展示
イギリス人デザイナー、トーマス・ヘザウィック氏による設計のモール「天安千樹」。施設の至る所から生える樹木と、山のようなこんもりしたシルエットが独特の商業施設だ。到着したら、まず蘇州河に掛かる橋からモールを眺め、そのデザインを堪能しよう。
同モールは建物そのものがアートで溢れている。施設の内外にアーティストの彫刻や芸術作品を展示しているほか、不定期で無料展示会や音楽イベントも開催。ショップも「LADY FAFA」「we kuku」などオシャレ系が揃う。
とは言え、まだオープンしていないテナントも多く、カフェ「%Arabica」や無印良品が運営予定の生鮮スーパーもまだまだ工事中。今後に期待大だ。なお、せっかく開放的な設計のモールなのに、ほとんどの出入口が封鎖中で不便だったので、迷宮度は40%。
写真映え派
里弄みたいなフードコート 元気いっぱい遊べる施設も
昨年7月にオープン、上海では3カ所目の「来福士(ラッフルズ)」となる「北外灘来福士広場」。場所柄か、高齢者客が目立つ。
ここの目玉は、何といっても地下2階にあるフードコート「城市集市・里弄」だ。昔の提籃橋エリアの様子を再現したという、オールド上海の雰囲気たっぷりの街並みに、「葱油餅」などの中華軽食が並ぶ。コート内にディスプレイされている小物や頭上にはためく洗濯物などがリアルで、デティールまでこだわったセットは一見の価値あり。
また2階には中国の妖怪たちがかわいく描かれたキッズランド「妖怪村」やスケボー場、屋上には広々とした芝生スペースと空中庭園、バスケットコートがあり、子どもが楽しく身体を動かすのにピッタリの施設。広々とした通路と開放感ある造りは、移動しやすく◎。
グルメ派
おいしいものがいっぱい フーディー注目のモール
4号線「臨平路」駅直結のモール「瑞虹太陽宮」。隣の「月亮湾」と繋がっており、合わせると商業面積24万平方㍍以上のメガモールだ。
同モールはグルメに注力。1階には中国初の無印良品スーパーと、行列のできるベーカリー「Butterful&Creamorous」、5階には武侠をテーマにしたフードコート「城市集市・江湖」や、緑溢れるフードコート「南里食集」が入居し、本格グルメからスイーツまで、ありとあらゆるジャンルの店が集結している。また巨大キッズランド「bombom space」や「meland club」など、クリエイティブな子ども向け施設も大人気。
ただ巨大モールの割には低層階の見通しが悪く、フロアマップもなし。フラフラ歩いていると即迷子になり歩き疲れるのでご注意を。
高級派
外と中を行ったり来たり 高級ラインのショップ並ぶ
浦東新区のホットスポット、前灘エリアに満を持してオープンした「前灘太古里」。
中央の広場を挟んで、左右に建物が広がる。屋外通路が多く、モール内を移動するのに屋内・屋外を出入りする不思議な造りだ。蔦屋書店がある屋上にはランニングコースと美しい橋のような通路を設置し、散歩を楽しむ買い物客で賑わっている。
同モールは書店「蔦屋書店」と、同じく書店の「Kubrick」、映画館「MOViEMOViE」を〝スーパーストア〟に指定。ほかハワイで大人気の「ザ・チーズケーキファクトリー」、ハンバーガーショップ「シェイクシャック」、など中~高級路線のショップが揃う。
広いが、至る所にデジタルフロアマップが置かれていて親切。屋外と階段が多いので、行列に並んだり、ベビーカーで移動したりするのは少しツラいかも。
エンタメ派
まるで巨大な遊園地 エンタメたっぷりのモール
市中心から少し離れたところにできた「宝山日月光中心」。ほかの日月光モールよろしく、中央に大きな中庭を設け、その周囲を建物がぐるりと囲んでいる。何せ広いので迷子になりやすいが、エレベーター・エスカレーターは見付けやすい場所にある。
ここの目玉は何と言っても「ラウンド・ワン」だろう。施設1~3階を占める広さで、ゲームセンターからスポッチャ、ボーリングまでを楽しめる。しかも月~木、日曜は翌2時、金、土曜は朝5時まで営業という気合の入れっぷりだ。
さらに同モールはアミューズメント施設が充実。「ラウンド・ワン」のさらに上の階ではレーシングカーやサバゲ―、コスプレ撮影が楽しめるショップが入っているほか、スケボー、キッズパーク付きレストラン、スケートリンクなど遊べるところがこれでもかというぐらい入居。1日中ここで遊んでも飽きない。
ローカル派
溢れ出るローカル感 路面店は使い勝手よし
2号線「淞虹路」駅直結の商業施設「長寧アート・パーク大融城」。
モールに入った瞬間に鳴り響く春節気分満点のBGMと、「紅宝石」「凱司令」といった老舗中国菓子店が並ぶ様子に、ちょっとほかのモールとは違うぞ、と身構える取材班。そのまま天井の低い地下を進んでいくと、水餃子や小籠包店がぎっちりと並ぶフードコートエリアに突入した。先々月に開業したとは思えない、凄まじいローカル感だ。顧客の年齢層もずいぶんと高い。
正直、ショッピングエリアにはそこまで目新しいものはなく、率直に言うと、名前に付いている「アートパーク」的な雰囲気は欠片もなかった。ただし1階の路面店は「Sunflower」や「B&S」など使い勝手のよいカフェ・レストランがあるので、近くの住民は重宝しそう。
個性派
アートエリアの美しき佇まい 尖ったコンセプトショップ
アートのメッカ、西岸エリアにできたばかりの「AI PLAZA」。「AI」は〝アート+インテリジェンス〟の頭文字だ。
モール内には期間限定のポップアップストアやアートが並び、アート作品ショップ「YUEARTSTORE」やフランスのフォトギャラリー「イエローコーナー」が入居するなど、芸術感たっぷり。3階はペット、4階はキャンプをテーマにしたフロアを設置し、ほかのモールとはちょっと違う目線で尖ったショップを誘致している。レストラン&カフェもオシャレな内装が多く魅力的。
ほか屋外には、隣のビルと連動した歩道や緑のあるスペースが設置されており美しい。ただ駅直結の通路は未開通、テナントの空きも目立つ。整うまではもう少し掛かりそう。
~上海ジャピオン2022年2月18日号