やっと見つけた教室
自然な指導に安心
今回の体験者、
河野さんは、実は素人ではない。
日本画、中国画と、
美大時代から絵を描くことを続けてきた。
「いろいろ描いてきたけれど、
なんだかしっくり来なかったの。
水彩画をやりたくて、
やっと見つけたのがここ」。
まずは試しに、
と電話をしてみると、
「もしもし」と日本語で応答してくれたことと、
先生の押し付けない自然な指導法が気に入ったそうだ。
「新復原芸術空間」は、
陳先生が助手兼通訳の中国人女性の力を借りて営む
絵画教室。
先生は油絵が専門だが、
現在約10数人の生徒に、
水彩画や彫刻も教えている。
また、先生自身も職業画家として制作しており、
個展を開くこともあると言う。
描きたいものを探す
絵を学ぶ楽しさ
先生は最初、
すべての生徒に「何を描きたいか、
どんなものを描きたいか」を尋ねる。
しかしすぐに、
描きたいものを答えられる生徒はそういないとか。
経験者とはいえ、
河野さんも例に漏れず、
描きたいものが見えてくるまでは、
先生の提案を受け入れて描いてみることにしたようだ。
草原が広がる風景の絵葉書数点を見ながら、
紙質や絵の具の透明度など、
今までの経験とはまったく違う素材、
まったく違う方法で絵を描いていく。
時折先生が、
河野さんの横を通り過ぎる時に「很好(とてもいい)」と呟く。
また、
この色とこの色を混ぜてみたら、
とジェスチャーで指示する場面も。
「えぇっ、こんな汚い色を? って戸惑いましたけど、
やってみたらずっと良くなりました」と、
河野さんは笑う。先生のやり方を受け入れ、
ここで絵を学ぶ楽しさを見出したようだ。
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