劇的!カルチャー体験 Vol.63 Alt-Coffee

コーヒー好きから焙煎からドリップまで
「知人の紹介でここを知って、野村さんに色んなことを教えてもらいました。
家で焙煎もやってみたけど、今一つ味が決まらなくて」今回の体験者、
重松さんはかなりのコーヒー通。消費するだけでなく、
自作を楽しむことを模索するうち、相当深い所までハマってしまったようだ。
「アルトコーヒー」は虹口区にあるコーヒー専門店。
焙煎からドリップまでを手掛け、
上海では数少ない〝マシンを使わないカフェ〟としてファンも多く、
オーナーの野村さんとのおしゃべりを楽しみに来る人もいる。
直火で味を強く炒りムラに注意
今回焙煎するのは、ブラジルの生豆。
緑色で、コーヒーらしい香りもない。
「これ使えるな、と思ってタオバオで買った」と野村さんが取り出したのは、
取っ手付きの網を2つ重ねたような〝手網〟と呼ばれる道具。
直接火に触れることで、コーヒーの味が強くなるのだそうだ。
これに先ほどの生豆を入れ、バーナーで焙る。
最初は高い位置に手網をかざし、豆の中まで均一に熱が伝わるように、
ひたすら振り動かす。手を止めると焦げたり、炒りムラになるのだとか。
20分近く経ち、パチン、と爆ぜる音が。
豆の水分が飛び始めた証拠だ。
一心不乱に網を振る重松さんは無言で、集中力が伝わってくる。
しばらくすると、豆がすっかり褐色に。
「そろそろ飲める状態ですね」と言う野村さんの言葉で豆を火から下ろす。
出来上がった豆で、野村さんにコーヒーを淹れてもらう。
「香りはいいけど、焙煎したばかりだから。
香りが飛んだらおいしくないだろうな」と、
どこまでも自分に厳しい重松さんだった。

~上海ジャピオン7月22日号

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