魔都・上海の夜景を一人占め。
次々と林立する摩天楼の高層に位置するバーで、短い上海の秋を気持ちよく過ごしたい。
Park Hyatt Lobby Bar 87F
金茂頭頂も眼前に
上海見下ろす天空バー
かつて上海最高層を誇った金茂タワー頭頂部が目の前に――。今年9月、上海経済界を牽引する新たな顔としてオープンした「上海フィナンシャルセンター(環球金融中心)」。その79~83階を占領するハイアットグループの最高級ブランド「パークハイアット上海」の87階ロビーバーは、上海を見下ろす最も高層階にあるバーとなった。
高速エレベーターによって、瞬く間に87階に運ばれると、そこはさながら天空の城。あの金茂タワーの先端が視界にくっきりと収まるのだ。バーへの扉は本革張りで重厚感漂う。その向こうには、閉ざされたプライベート空間が広がる。座席はわずか30席余り。カウンターバーには正統派のバーテンダーが控え、ゲストのリクエストを待つ。心地よい音楽が流れ、窓際にはキャメル色のソファ席。地上約420㍍で傾けるグラスに上海の灯りを注いで、特別な夜を演出したい。
さらに、11月1日(土)には、92階のバーもオープン予定。ここでは異なる2つのバースペースを用意し、西側には生演奏を楽しめるウェスタンスタイルのバー、東側には中国スタイルのバーが登場する予定だ。開業すぐに上海の人気スポットとなることは間違いないだろう。
789Bar 65-66F
360度のナイトビュー
艶やかな大人の社交場
約250㍍の高さから360度のナイトビュ―。ル・ロイヤルメリディアンの65、66階を占拠する「789Bar」からは、上海の夜景を一望できる。
このバーは、ゲストの望むシーンに合わせて2つの顔を持ち合わせる。深いボルドー色を基調とした65階はアッパーな音楽を楽しむクラブスタイル、シックなパープルでまとめられた66階はお酒やシガーをゆっくりと嗜むラウンジバー。しかしどちらもエレガントに統一され、5ツ星ならではのエグゼクティブ感を十分に感じさせる造りだ。66階では特に、シガー約50種、ウイスキーもシングルモルトだけで20種類を用意し、年輪を刻んだ大人が楽しめる環境造りを忘れない。
さらに、今女性の注目を集めているのが、10月にスタートしたばかりの「レディース・ナイト」。毎週金曜日の22時~24時に訪れた女性ゲストに限り、なんとティアラを載せてくれる。さらに客室のベッドを65階に運び、天蓋をつけたベッド席を1つだけ用意。ティアラを頭に天蓋つきのベッドでカクテルグラスを交わせば、まるでプリンセスになったような気分を味わえるだろう。これを恥ずかしく感じさせないのが、メリディアンのラウンジ・バーの魔力だ。
Vue Bar 32-33F
岸辺から両岸を望む
テラスで感じる秋風
上海を代表する夜景といえば、高層ビル林立する陸家嘴金融区とクラシカルな建築物が立ち並ぶ外灘。ハイアット・オン・ザ・バンドの「Vue Bar」では、その両方を一度に眼にすることができる。
開発進む北外灘に昨年夏オープンした同ホテル。その32、33階の「Vue Bar」は、斬新なインテリアとロケーションの良さが欧米人を中心に人気を集め、オープンから1年と経たずに上海一ホットなバーへと階段を駆け上がった。
エレベーターを降りた途端、そこはまるでワインセラー。しかし通路を奥へ進めば現代的なバースペースが現れる。光のアクリルパーティション、低めのソファ。洗練されていながらもカジュアルさを残し、スーツはもちろんTシャツにジーンズでもなじむ寛容さを持ち合わせている。
さらに33階への階段を上ると、そこには陸家嘴と外灘の両岸を臨むオープンテラス。一番人気のこの場では、靴を脱いでベッド席で、中央のミニプールのヘリをテーブル代わりに寛ぐゲストで毎夜溢れ返る。中でもオススメは火曜の夜。フルーツカイピリーニャ4種が40元(サービス料込み)となるこの日に、ベストシートを予約しよう。
JW’s Lounge Bar 40F
夜景とシャンパンが誘う
エモーショナルな空間
夜20時。南京西路のJWマリオット上海40階からジャズの調べが流れる。眼下には人民広場、手元には上質のシャンパン。「JW’s ラウンジバー」は、大人のために用意されたシャンパンバーだ。
38階ロビーでエレベーターを乗り換え、40階へ。明るい回廊の奥に無数のシャンパンが眠るシャンパンセラーが登場し、バーが広がる。ここでは、数カ月毎にシャンパンのプロモーションを展開し、その1本に合わせて内装も一新。現在取り上げているのは、英国ヴィクトリア女王、そして仏国王室御用達の「Perrie Juet」(ペリエ・ジュエ)。ボトルを印象付けているエミール・ガレデザインのアネモネモチーフを、店内ソファや壁にもインテリアとしてあしらった。
2人の世界をさらに演出するのは、利用者からとりわけ高い支持を得る窓際のカウンター席。ガラス窓に面した2シートずつの席は視界を夜景で埋め尽くし、両サイドのダークブラウンの柱が目隠しとなって、2人の空間を造りだす。
また、シャンパンをグラスから頂けるのも気が利いている。飲み口の軽いシャンパンカクテルも98元から取り揃える。特別な夜に訪れたい一軒だ。
SILVA 46F
これまでもこれからも
ビジネスマンの憩いの場
98年のオープン以来10年間、高さ200㍍から手前に東方明珠、奥に外灘を望む夜景で、ビジネスマンたちの疲れを癒してきたバーがある。それが匯豊大厦46階でサントリーグループが経営する「SILVA」だ。
サントリーが経営するということもあり、カウンター奥に並ぶのはウイスキー「山崎12年」(70元/グラス)や「響17年」(90元/グラス)など、渋い大人の舌を唸らすラインナップ。夜景を見下ろす窓際のソファを陣取り、流れるジャズに耳を傾けながら味わいたい。カクテルでは、サントリーブランドのメロンリキュール「MIDORI」を、レモンとソーダで割った、爽やかな口当たりの「ミドリサワー」(28元)が人気を集める。
同階には、「燦鳥」と「ZIPS」の2つのレストランもあり、食事前の待ち合わせや食事後の談笑の場にぜひ利用したい。
ここ数年は同ビル周辺に高層ビルが乱立し、以前のように外灘を〝一望〟することは難しくなったが、それでも上質な大人の空間と日本人向けのサービスでビジネスマンたちの憩いの場であり続ける。
~上海ジャピオン10月31日発行号より