「現時点での退職年齢の引き上げはほぼないであろう」。4月3日開催された「上海市2005年老年人口信息発布会」の席上、統計局就業統計処の役人が明らかにした。
高齢化に伴う労働力不足に対し、退職年齢を67歳まで引き上げたドイツに対して、「上海では当分、労働力不足という情況は生じないであろう」という見方から判断している。
同会の発表では、2005年末までの上海の60歳以上の人口は266・37万人、前年比5・59万人増。このうち、100歳以上は約600人。
華東師範大学人口研究所教授の桂世氏は、「2010年までは、毎年10・52万人の割合で60歳以上の人口が増加する。その後10年間は、毎年約17万人の割合で増加するであろう」との見方を示す。
2005年末現在、上海で高齢化現象が最も拡大している地域は、静安区で、続いて盧湾区、崇明島となっている。
右記の発表を受けて、統計局就業統計処は、「高齢者人口の数字は、戸籍人口統計に基づいた数字に過ぎない。実際に上海で生活している人口は1778万人、うち438万人が地方出身者。地方出身者のうち75%が出稼ぎ労働者。上海で高齢化現象が進んでいるとはいえ、労働力の不足には至らない」と説明した。(4月4日)
~上海ジャピオン2006年4月7日発行号より