中国作家協会に所属。病を患いながらも、小説やエッセイなど50作品以上を手掛けた。代表作は『務虛筆記』、『病隙碎筆』など
老師のオススメ!
この本は、著者・史鉄生の自叙伝なの。病と闘いながら次々と作品を綴るその生き様は、彼がこの世を去った今でも多くの人を励ましているわ。
私もその評判を耳にして、この本を手に取ったの。実際に読んでみて…魂が震えたわ。
ほかの作品と同じように少し哲学的なところもあるから、文章を読み慣れた人の方がオススメかもね。ただし、短い散文形式だから、史鉄生の感情が素直に表現されていて共感しやすいの。だから難解ということはないわ。
一言一句に込められた史鉄生の思いを噛みしめながら、じっくり読んでほしい作品ね。
あらすじ
史鉄生は若くして下半身不随となり、車椅子での生活に。治療のため北京に戻って来たものの仕事が見つからず、悲嘆に暮れた日々を過ごしていました。
しかしそんなある日、ふと市内の「地壇公園」を訪れます。荒れ放題の地壇公園の姿に何かを感じ取り、それから毎日〝足〟を運びます。
地壇公園で日がな一日、本を読んだり楽器を奏でたりしながら、人生や生と死、愛などについて思いを巡らせるのでした。そうしているうち、人生に対しても積極的に向き合うようになります。
困難にぶつかり、挫けそうになった時、絶望に〝立ち〟向かう史鉄生の姿が、希望を与えてくれるでしょう。
~上海ジャピオン2015’年2月13日号