食道をゆく 第14回 東坡肉

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トンポーロウ
東坡肉
~浙江省杭州市~

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トロトロに煮込まれた東坡肉。蒸しパンに挟んで食べる

北宋時代の詩人に由来
漬けっぱなしの思わぬ発見

 一見、脂っこそうだが、意外とあっさりしており、コラーゲンも豊富なこの料理。
日本でも「豚の角煮」、沖縄では「ラフテー」として親しまれている。
その誕生は、今から1000年ほど遡る中国北宋時代に、
政治家・詩人・書家としてマルチな才能を発揮していた蘇東坡(そとうば)に由来する。
 蘇東坡の本名は蘇軾(そしょく)といい、出身は四川省眉山市なのだが、
地方官吏として杭州に計5年間赴任していたのだ。
東坡肉が生まれたのは、まさに彼が杭州に滞在していた時のことだった――。
 ある日、料理上手でもあった彼は客人を招待するため、
豚のもも肉料理を用意しようと、大鍋に水を入れて肉を漬けておいた。
ところが、漬けている間に取り組んだ物書きにすっかり夢中になってしまった彼は、
三日三晩、豚肉を水に漬けっぱなしにしてしまったのだ。
4日目の夜になって鍋のことを思い出して見てみると、そこには水をパンパンに含んで膨らんだ豚肉が…。
最初は捨てようかと考えたが、もしかしたら旨いのではと思い直し、
紹興酒や醤油で適当に味付けして食べてみた。
すると肉は脂身から余計な油が抜け、さっぱりと美味しく仕上がっていたのだ。

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?蘇堤に建っている石像

 その後、街中で評判となり、作り方を人々に伝えたことから、
彼の名前をとって「東坡肉」と名づけられ、杭州の名物料理として広まっていったという。
 杭州の観光メッカである西湖の中には、
老舗杭州料理店「楼外楼」もあり、もちろん東坡肉も1人前13元程度で食べられる。
西湖を横目に眺めながら、ゆっくり味わおう。

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【アクセス】
上海南駅から「動車組」(新幹線)で杭州まで。
約1時間20分、54元~。5時台より1時間に3本程度

~上海ジャピオン11月20日号より

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