黄氏の故郷・潢川
オレはウルフ。ロードバイク好きの留学生。中国の国道を自転車で旅してるんだ。
河南省は山と川が多くて、さっきから橋と坂道ばかり走ってる。今朝固始県を出て、大体30㌔ぐらい過ぎたかな。胡族舗鎮とか桃林舗鎮とか「~鎮」の付くとこが多くて、ずいぶん田舎の雰囲気が強くなってきた。
もうすぐ潢河(こうが)が流れる町、潢川県だ。おっ、大別山発見! ローダーの間では、自転車レース「挺進大別山中国自行車賽」で有名な所だぜ~。総距離58㌔のレースで、去年は350人参加したとか。10月開催か、オレも今年は参加できるかな?
観光地の「黄国故城遺址」は、昔は「黄川」って呼ばれてた所だ。住民の名字がみんな「黄」なんで、〝黄氏の故郷〟とも言われたそうだ。もしかして、同級生の黄くんもこの町出身だったりして? さて休憩がてら、名物の「潢川貢麺」を食べてスタミナ補給しよう。
田園広がる信陽市
潢川を出てからペースを上げたから、もう上海と陝西省を結ぶ滬陝高速に入ったぞ。そろそろ次の目的地の信陽市が見えてきそうだな。ガイドブックじゃ、ここは河南省有数の農業地帯で、稲作と小麦の生産が盛んだってさ。確かに水田が多い。秋になると田畑が黄金色に輝いて、カメラ小僧が押し寄せるらしいぜ。気候もいいし、ツーリングもサイコーだろうな~。
ああ、もう日が暮れちまう。今日は鶏公山近くの旅館に泊まって、明日は「信陽古八景」を観光しようかな。全部自転車で回れるって、地元のローダーが言ってたんだ。
もう河南省も半分過ぎたところ。さあ、次の街を目指してゴーイングハイウェイ!
~上海ジャピオン2015年2月13日発行号