中国のフリマアプリ
「閑魚(シィェンユー)」は、「阿里巴巴集団(アリババ・グループ)」が運営するフリマアプリ。日本で有名な「メルカリ」の中国版といったところだ。個人間で物品を売買でき、様々な物が取引されている。
今回は、家にある不用品を販売し、すっきり断捨離を目標にこのアプリを使ってみよう。まずはアプリをスマホにインストールし、サインイン。オンライン決済システム「支付宝(アリペイ)」か、ショッピングサイト「淘宝(タオバオ)」のアカウントと紐付けする。
次にアプリ右側のメニュー「我的」から「認証真実身份」を選択し、本人証明を済ませよう。スマホカメラを使って顔を録画した後、パスポートを撮影し、アップロード。すると約3時間で審査が終了する。これで、晴れて売買が可能になった。
ルールを知っておこう
出品の前に、売買の基本知識を紹介しよう。まず、食品や酒、海賊版DVD、タバコなどは出品NG。出版物も別途申請がいるとのことなので、日本語書籍や雑誌、地図なども避けた方がいいだろう。逆に、オモチャやぬいぐるみ、カバンなどの小物、アクセサリーは売れ筋ジャンルだ。
出品価格は自由に決められるが、購入価格の2~5割が目安。送料込み・送料別も選択できる。もちろん、送料込みの方が売れる可能性が上がるが、中国は広く、送料が販売価格を上回るなんてこともあるので気を付けよう。
商品紹介や購入相手との交渉、商品配送の時に多少の中国語が必要になるが、慣れてしまえばそれほど難しくはない。次のページからは早速、編集部が出品してみた様子をレポートする。一体、何が売れたかな?
出品情報を投稿しよう
いよいよ「閑魚」デビュー! 不用品を出品しよう。まずは出品する商品の写真をパチリ。前から、後ろから、中を開けた様子、タグの情報…など数枚撮ると購入者にもよく情報が伝わるだろう。
次に紹介文だが、商品名、ブランド、サイズ、使用状況、出品の理由などを単語で羅列すればOK。後はジャンル、ブランド、サイズ、使用状況のアイコンを選択し、値段設定に進む。
料金は入手価格の2~5割ぐらいまでに設定するのがベター。今回編集班が出品した商品は、購入価格の3割程度の価格、送料込みで設定し、販売をスタートさせた。
配送料でまさかのトラブル
すると出品後30分足らずで、購入希望者からメッセージが! 「ディズニーカップ」がほしいとの連絡だ。初めての取引にやや舞い上がる編集班。「本当に一回も使っていないの?」「本物なの?」など希望者からの質問攻めにも逐一返信し、あげく「送料込みで20元にまけて!」との要望を呑んでしまった。アプリで確認した予想配送料は8元と表示されていたので、まあいいかと思ったのだが、これが後に、思わぬ災難を生むことに…。
購入希望者とはアプリの「信息(メッセージ)」でやり取りするが、合間に「相手が支払いをすませました」「配送してください」「相手に荷物が届きました」などのプッシュ通知が挟まれるので、進捗状況がとてもわかりやすい。配送もこの画面から手配でき、自宅まで荷物を取りに来てもらうか、予約のうえ、指定の荷物集積所まで荷物を持っていけばOK。配送料は基本出品者が支払い、着払い希望の場合は相手と交渉する必要あり。
編集班は近くの集積所まで荷物を持っていくことにしたが、場所や担当者を探し出すのにとても苦労したので、自宅まで荷物を取りに来てもらう方法をオススメする。いずれにせよ、荷物は自分で梱包する必要がある。服や書籍なら、濡れないようビニール袋に入れて宅配員に渡す。プラスチックやガラス製品は、壊れないよう緩衝材を使ったうえ、ダンボールに入れるのが安心だ。
今回のカップも念のため、緩衝材でグルグル巻きにして配送へ。すると形が大きくなってしまい、配送料がなんと予想の3倍、24元に。販売価格は送料込み20元だったので、結局4元損する形になってしまった。トホホ…。
取引完了で現金ゲット
ちょっと落ち込んでいると、また別の人からメッセージが飛んできた。次に売れたのは50元の布製リュックサックで、今回は値下げ要求もなく、サクサク取引成立。ベビー服も特にトラブルなく、無事引き取り先が見付かった。
購入者が支払った料金は、取引が終了するまで、アプリ側が預かる仕組み。荷物が届き、購入者側が確認ボタンを押した後に初めて「支付宝(アリペイ)」に振り込まれる。手数料は一切引かれない。
意外にも服は売れ残り
出品から1週間で、出品した服や小物計12個のうち、6個の取引が成立。売れたのはカバン、ベビー服、小物などで、逆に、大人用衣類は問い合わせ1つなかった。日本ブランドの新品なのにな…と不思議に思っていたところ、服や化粧品はニセモノも多いし、「淘宝(タオバオ)」で安いのがいくらでもあるからね…と中国人同僚が分析。なるほど、納得だ。
なかなか売れないモノは、値下げをしたり、次ページに紹介するように、ポイント交換制度を用いて、実質無料で出品したりすることもできる。上手にアプリを利用して〝もったいない〟精神で家に溢れた不用品とオサラバしよう。
~上海ジャピオン2021年1月22日発行号