本を読もう②

あの人の、オススメ読書スポット


ジャピオンの連載小説『ストリート&ストーリーズ』でお馴染みの、イラストレーター・さめたまりさんと、英字フリーペーパー『SH』の編集者・葉馥佳さんに、オススメの読書スポットを聞いた。

本とおいしい食べ物でピクニック
店内の小物やメニュー、客、スタッフまでもがいろんな国から集まっている、インターナショナルな雰囲気の小さなカフェ。無造作に積まれたアート本の下には、肌寒ければ自由に使えるブランケットがある。壁は、店名の「ジンジャー(生姜)」をすぐに連想させる、スパイシーで暖かい色。「この店の壁の色は、気持ちを明るくしてくれます。だから気分としては、ちょっとピクニックしながら本を読んでいるような感じ」とさめたさんは話す。

さらに、このカフェを勧める理由として、「なんと言っても食べ物飲み物がおいしい! 愛情ある味がします。おいしいものと面白い本は、人を幸せにしますね」。さめたさんのお気に入りは「アップルクランブルケーキ(30元)」。どっしりとボリュームがあり、時間をかけて少しずつ食べるのに良い。また、同店ディレクターのベティーさんが提案する長居用ドリンクは、ポットでサービスする各種ホットティーだ。何度もカップに注ぎながら長時間楽しめる。
人気店なので、ランチ時などは混雑する。ゆっくり本を読むなら、平日の14時半~19時が最適。暖かい日はオープンテラスでまさに〝ピクニックのような気分〟で、肌寒ければ店内の隅っこで自分の世界に入り込んで。スタッフの親切ながら控えめな接客も、読書スポットにちょうどよい心地よさを生み出している。


△自家製ジャムとホイップクリームを添えたスコーン(30元)。
 奥はレモングラス、オレンジ&ミントティー(38元)

ginger cafe
住所: 上海市復興西路299号
TEL: 6433-9437
営業時間: 9時~23時

コーヒと本で過ごす上海の朝
 良い意味で客をほっといてくれる自由な雰囲気の小さなカフェ。朝早くから、ノートやパソコンを手に訪れ、じっくり長居を決め込む欧米人も多い(無料でのネット接続可)。
店内の小さな本棚には、自由に閲覧できる中国語と洋書がある。壁には、国内外の写真家の作品が飾ってある。「こちらも壁の色が好きなんです。上海は壁の色が魅力的な店が多いですね。壁の色はそこにいる間は自分の世界の色になるから、気持ちに作用するんでしょう」と、さめたさん。

各種コーヒー(10元~)には、大小2つのサイズがある。「大きい方を頼むと、相当長居できそうな量で出てきます」とのこと。
本を読むなら午前中か昼下がりに。7時~11時までは、モーニングのセットが、14時~17時半まではアフターヌーンのセットがある。食事とドリンクがセットになっている。
「すごく静かとか、そういうわけじゃないんですが、何故か本にどっぷり入ってしまう場所。落ち着くんですよね(笑)」

△手前はカフェラテ(20元)。奥は季節のフルーツとヨーグルト、
 オートミールの入ったムセリ(20元)

BOONNA café
住所: 新楽路88号
TEL:5404-6676
営業時間7時~23時

推薦人

さめたまり
絵と文、アイディアを生業とし、上海と東京で仕事をしている。
上海では飛猫広告設計、東京ではデザインとプランニングの会社に所属。
お茶と甘いものと東方明珠塔をこよなく愛す。

定番の公園でのんびり

 近隣の住民が各自で持ち寄ったカナリア(金糸雀)やガビチョウ(画眉鳥)など、小鳥のさえずりが響き渡る公園。「市街地にあるのですが、比較的緑も多い。都市の雰囲気と静けさを同時に楽しめるのが最大の魅力です」と話すのは、葉馥佳(ヨウ・フクカ)さん。
彼女のオススメの利用法は、「週末など時間のある時に、ベンチに座りながら、ゆっくりとエッセイ集を読む」とのこと。他にも、社会人なら仕事の合間の空いた時間に行ってみよう。
 05年から上海の公園は、すべて無料で開放している。公共施設を上手に利用したり、お気に入りにスポットをみつけたり、本を手に晩秋を楽しもう。

△早朝から多くの人が思い思いの時間を過ごしている。
 茂みの奥の木の枝には、多くの鳥かごが掛けてある。

淮海公園
淮海中路117号
電話:6386-6377
開放時間:5時~18時

推薦人
葉馥佳(ヨウ・フクカ)
『SH』の編集として、主にイベント情報の紙面を担当。
『SH』は上海市内の飲食店などに毎週4万部配布の英字フリーペーパー。
生活娯楽、スポーツ、飲食など幅広い情報を網羅している。

~上海ジャピオン11月3日発行号より

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