茶城で新茶

十大名茶を覚えておく

さっそく茶城へ繰り出したいところだが、その前に、素人でもわかりやすい、いい茶の見分け方を大高中国語教室の周先生にお伺いしてみた。

まずは有名な茶の生産地を押さえておくこと。茶店には産地が書かれた茶葉が数十種類並べられているが、名産地がわかっていれば、買いやすくなるはず。さらに、店によっては浙江省西湖産以外の緑茶でも「龍井」と記すなど、間違った表記をしているところもあるので注意が必要だ。

中国十大名茶は年度や選出機関によって多少差があるものの、有名なのは上記に挙げている十ブランド。このうち、新茶がおいしいとされるのは「西湖龍井」や「洞庭碧螺春」などの緑茶で、毎年3~4月頃、清明節前に摘まれたものが、新茶として流通する。一方、紅茶や烏龍茶などの発酵茶は、その加工技術によって飲み時が異なる。一般的に保存期間が長いほど高級とされているが、途中で香りが抜けてしまう種類もあるそうなので、買う時にアドバイスを求めてみて。

自分の舌で確かめる

もう一つ大事なことは、買う前に試飲をすること。いい茶の条件には葉の形状や香り、保存状態など様々なものがあるが、プロでなければ見分けが難しい。そして、自分にとっておいしい茶を見つけるには、飲んでみることが何より大事。店主に頼めば試飲できるので、淹れたての香り、茶の一煎目、二煎目、三煎目の味をじっくり味わってから、購入を決めるとよいという。買う前に自分の舌で味を確かめられるのは、実店舗ならではのメリット。せっかく足を運んだのだから、遠慮せず、どんどん試飲をしてみよう。

中国茶から茶器まで

天山茶城は3階建て。1階では中国茶を、2階は中国茶と茶器などを、3回では茶器・芸術品を扱う店が入居している。まずは1階を探索。1階フロアは看板すらないような小さな店がたくさん集まっており、どこも似たり寄ったりの品揃え。どこに入ってみようか…と考えていると、周先生が「ここは」と足を止めたのが「白沙渓」(写真①~③)だ。同店は湖南省名産「茯磚茶」を販売数する有名なブランドだという。

茯磚茶をいただく

「茯磚(ふさん)茶」は「茯(フー)茶」「黒茶」と呼ぶこともある、後発酵茶。ブロック状に固めて発酵する過程で「金花」と呼ばれる黄色い麹カビが生じるのが特徴で、デトックスや、脂肪燃焼効果も期待できるという。

試飲をお願いすると、店主の張さんはブロック状の茶葉を専用器具で崩し、黒っぽい茶を淹れてくれた。強い香りとコクが、飲み応えバツグン。さらに張さん愛飲、熟成20年物の高級茶も大盤振る舞い。う~ん、スッキリと洗練された飲み心地でおいしい。

周先生・張さんの解説によると、ここ「白沙渓」は国営企業が前身の、老舗茯磚茶ブランド。日本にも輸出実績があり、日本語のパッケージも置いている。ところが、張さんは「日本人は小分けされた茶が好きだから、黒茶はあまり人気ない」とションボリ…。茯磚茶に挑戦してみたい人はぜひ一度訪れてほしい。値段は40㌘140元~。

乙女心をくすぐる2階

さて次は2階へ。2階では中国茶はもちろん、茶器や関連グッズの店がズラリ。1階と比べ、ゆったりとした雰囲気が漂う。

新装開店の店を覗いてみると、中国茶の「タブレット」(写真⑥)や茶葉を使った加湿器、茶請けの練り菓子などが陳列されており、日本への土産に重宝しそう。このフロアにはほかにも、茶具を入れる「巾着袋」(写真⑤)などかわいい小物がたくさん。買っていこうかな…と周先生と盛り上がったが、肝心の新茶をまだ買っていないことに気付く取材班。再び1階へ駆け戻る。

声掛けづらい店も多い?

茶城ではさすが専門市場だけあって、ほぼすべての店で新茶を販売中。さすがに一つひとつ試飲するわけにもいかないので、インスピレーション…つまり、やさしそうな店主の店を選ぶことにする。各店では店主がヒマワリの種を食べていたり、スマホに夢中になっていたり…と、なかなか日本人には声を掛けづらい雰囲気だ。そこに、ある店舗のかわいい女性が、日本語で話しかけてくれた!

安心の日本語対応

ここ「栢茗茶業」(写真⑧~⑩)は、日本語対応可の有名店。先日店舗数を増やし、現在は茶城内に2店舗を構える。さっそく新茶の試飲をお願いすると「どれにしますか」と差し出された値段表。そこには、同店で扱っている茶葉とその値段一覧が表示されていて、これは外国人にもわかりやすい! と周先生と感心。龍井茶を淹れてもらう。

今回飲んだのは、龍井の名産地、浙江省西湖獅峰山「龍井」(50元/50㌘)の新茶。新茶ならではの、爽やかな飲み心地だ。茶葉は、清明節を過ぎると濃く、渋くなっていくそう。

もう一つ気になった、中国台湾産「奶香金萱烏龍茶」(15元~/50㌘)もいただく。編集班は初めて飲む茶だが…口に運んだ瞬間、ミルクティーのような香りにビックリ! これは香り付けをしているわけではなく、茶葉本来の匂いなんだそう。好き嫌いが分かれそうだが、だからこそ一度試飲してほしい一品だ。

今回の茶城ツアーはここ終了。たくさんの茶を楽しめ、知識も深まる茶城を、今一度訪れてみてはいかがだろうか?

~上海ジャピオン2021年4月23日発行号

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