洋菓子がおいしい中国菓子店

上海人に「おいしい洋菓子屋はどこ?」と聞くと、必ずと言っていいほど挙がるのが、85年の歴史を持つ老舗ホテル「国際飯店」のスイーツ店。その人気は今も衰えることなく、取材班が訪れた日も、約15分待ちの行列ができていた。

①蝴蝶酥(蝶々パイ)

〝国際飯店の蝶々パイは上海一〟との聞こえが高い、同店の看板商品。大人の手のひらほどある大きいパイはバターの風味豊かで、サクッとかじるとザラメの甘さが口に広がる、どこか懐かしい味。10袋ほどまとめ買いする人が多数おり、今もなお上海人を虜にしている。小さいサイズもあり。

②布丁蛋糕(プリンケーキ

プリンというか、一口サイズのカップケーキ。中国ではたまに、スカスカのカップケーキに出会ってガッカリするが、これはしっかりとした風味と食べ応えあり。卵の素朴な味は、小さい子のおやつにもよさそう。

③鮮奶哈斗(エクレア

「哈斗(ハードゥ)」? と頭にハテナを浮かべながらも、おいしそうなので購入。上海語の「哈斗」とはすなわち、エクレアのことで、フランス語の「エクレア・デ・チョコレート」の一部が訛ってできた言葉だそう。この「哈斗」はエクレアのように長くもなければ、チョコも掛かっていないが、ふわふわの生地と、ライトな口当たりのホイップクリームが相性バツグン。流行りのスイーツに引けをとらない味だ。

④泡芙(シュークリーム)

前の「哈斗」と見た目はほぼ同じ。でも味は違うかも…と思ってかじると、やっぱりほぼ同じだった(笑)。よく観察すると、こちらの生地の方がしっかりしている。しかし値段の面から見ても、「哈斗」の方が優秀かも。

1937年にギリシャ人が開いた洋菓子店。かつては、作家の張愛玲が学生時代に足繁く通ったんだとか。最近は昔ながらの商品のほか、オシャレなケーキも取り扱いを始めた。

①拿破侖酥(ナポレオン)

日本や最近の中国でも、イチゴ入りミルフィーユを指してナポレオン・パイと呼ぶので、これはどちらかと言うとミルフィーユの感覚に近いかも。しっかりとしたバタークリームがパイ生地の間に丁寧に塗られている。少し中国っぽい味ではあるが、10元とは思えないクオリティに満足。

②舌尖芝士蛋糕(チーズケーキ)

オシャレな見た目にうっとり。チーズケーキ自体は大人な味だが、底にある固いクッキーが甘さを加える。コーヒー、紅茶のお供には最適。甘すぎるスイーツは苦手な人にも勧めたい。

③巧克力派(チョコレートパイ)

老舗店のチョコレートは、甘ったるいミルク味が強烈なものが多いが、これは現代風のチョコを使用。パイと言いつつ、中にチョコレートのスポンジが入っている。ザ・スタンダードなチョコケーキ。

④英式松餅(イングリッシュパンケーキ)

最初に断っておくが、これは「松餅(パンケーキ)」ではない。2口サイズぐらいの大きさの、コロッとしたクッキーだ。袋を開ければ、甘い香りとラズベリーの爽やかな香りに頭がクラクラ。洋菓子では珍しい、冬瓜の砂糖漬けが入っているのがポイントで、オレンジピールやラズベリーとともに、食感のアクセントになっている。アフタヌーンティーにうってつけの、取材班がリピート買いを決めた一品。

なおピーナッツがゴロゴロ入ったクッキー「花生麦格隆(ピーナッツマカロン)」(18元)もオススメ。

酒を提供するバーとして1928年に創業し、その後、西洋料理やスイーツも手掛けるようになったブランド。今でも南京西路店の3階にはカフェレストランを設け、パスタやケーキ、コーヒーを提供。若き日のデートスポットを懐かしむおじさん、おばさんで賑わっている。

①巧克力魔方西点(チョコケーキ)

10元という安さに惹かれ購入。口に入れた瞬間、ミルクチョコの濃厚な甘さがパンチを効かせる。昔ながらのチョコは、日本のチョコレートケーキの袋菓子にも似た味。小さな子どもが喜びそう。

②雀巣小栗子蛋糕(モンブラン)

ちょこんとした見た目がかわいい。こちらも周りのマロンクリームがねっとりと甘いので、栗の風味が強いケーキ部分と一緒に食べるのがベスト。ほろ苦い紅茶との相性がよさそう。

ちなみに同店3階のカフェレストランでも「モンブラン」(25元)を頼んでみたところ、たっぷりの生クリームで包まれたケーキが登場。「ラテ」(42元)にも生クリームがデンと乗っており、少々辟易した。

③白脱派(バターパイ)

ケーキ類は総じて甘ったるいようなので、焼き菓子類へ避難。バターパイはしっとりとした生地に、レーズンやラズベリー、レモンなどが入っている。口当たりよく、お持たせの焼き菓子と遜色ない味。これで一つ6元は、お得感がある。

④酒香桃仁(クルミのクッキー)

ワインと書かれているが、アルコールの味は皆無。表面がつるりとした、甘さ控えめのクッキー。こちらも、日本への帰国土産として活躍できそうなほど美味。

最後は、中国台湾発のブランド「元祖(ガンソ)」を紹介。西洋のスイーツと、中国や日本の菓子をうまく融合させた商品が魅力だ。また冷たいスイーツを得意とし、季節ごとに〝アイスクリームちまき〟や〝アイスクリーム月餅〟をリリースしている。ちなみにガンソ、と日本語読みが書かれているが、和菓子を得意としているわけでもなく、その理由は謎に包まれている。

①②三角慕思抹茶紅豆味・柳橙味(三角ムース抹茶アズキ味・オレンジ味)

同店のムースケーキは、抹茶アズキ、オレンジ、チョコレート、ラズベリーの4種。抹茶味は、スキッとした抹茶ムースの底に、アズキがコロコロと入っている。なめらかなムースが舌に心地よく、食べ応えも満足なケーキ。

一方のオレンジムースも、夏にピッタリの清涼感溢れる味。冷やして食べるとおいしい。なお今回紹介した菓子は、すべて冷凍された状態で販売されており、そのまま冷凍保存で1カ月半~2カ月ほど持つのも使い勝手がよく◎。まとめ買いして、冷凍庫に入れておくといいかも。

③桂圓核桃糕(リュウガンとクルミのケーキ)

開けた瞬間にラム酒の香りがぷ~んと漂う。ゴロッと入ったクルミのほか、リュウガンの素朴な甘さがアクセント。西洋と東洋の文化が見事に融合した焼き菓子となっている。

④蜂蜜蛋抹茶味(ハチミツカステラ抹茶味)

ちょっと味が薄い気もしたが、密度の高いカステラ。冷凍なので、ザラメがないのが寂しいが、小腹が空いた時につまむのに好適。ほかに「どら焼き(アズキ・ムラサキイモ)」(10元)もオススメ。

~上海ジャピオン2019年5月24日発行号

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