本を読もう①

中国人が何を読んで、感じて、笑って、泣いているんだろう


せっかく中国にいるのだから中国の現代小説を読んでみたい。が、言葉の壁が立ちはだかるのもまた事実。そこで今回は、北京を拠点にライター、取材コーディネーター、翻訳者として活動する泉京鹿さんに、素朴な疑問などをぶつけてみた。

―日本語に翻訳されている中国の現代小説は、毎年どのくらいの数に上るのですか?
そうですね。感覚値ですが、ここ5年間を合わせても30冊から50冊ぐらいでしょうか。年間でも20冊は超えていないような気がします。ビジネス書や学術書などを別にして純粋な文学作品だけだと、決して多くはないと思います。

―少ないですね。もっと多いかと思っていました。
 ええ。大手出版社から出ていて、広告などで目立つもので、一般の書店で手に入りやすいものは、そんなものではないでしょうか。あとは、初版部数が1000部とかあまり多くないものだと一部大手書店と専門書店にしか回らないもの、そちらは実際にどのくらいあるのかちょっと分かりません。それでも、地味な中国の文学作品が、日本で1万部売れれば、ヒットといえるでしょう。

―逆に、こちら(中国)の本屋へ行くと、日本の文学作品が平積みにされていたり、専門のコーナーにもたくさんの翻訳本があったりしている。
 ええ。ただ、そういった本を読む読者が日本のことを特別好きだったり、日本の文化に興味を持っていたりするかといえば、必ずしもそうではないんですよ。純粋に小説のディテールやストーリーといった作品自体に興味があるようです。

―確かに。例えばフランス文学が好きだから、フランスが好き、ではないですものね。
時間があると、本屋にいって平積みにされている本をチェックしたり、店内にいる人に話しかけて「今日はどんな本を買いに来たのか」「どんな小説が好きか」などリサーチします。いろんな発見がありますよ。
例えば先日、ノーベル文学賞を受賞した、トルコ現代文学のオルハン・パムクの作品は翌日にはもう平積みになってよく売れていました。日本の売れ筋の新刊の翻訳本も、ものすごいスピードで入ってきています。
私の場合は、中国の人は、どんな本を読んでいるんだろう、というのが気になるわけです。今、中国で売れているベストセラーを読むということは、同じ時代を生きている中国人が、何を読んで、感じて、笑って、泣いているんだろうということを手にとって感じるということに他なりません。それが中国の本を読んで味わえる魅力のひとつではないでしょうか。

―ところで、最近の中国で売れている本は、どのようなものですか。
いま私が翻訳している最中なのですが、余華という作家の『兄弟』という本があります。上下2冊のボリュームのある本で、上巻は去年後半、下巻は今年前半の刊行で中国では100万部以上売れたベストセラーです。70年代から90年代の中国を舞台にした作品で、泣けて泣けて、そして笑えて、読み出したら止まらない面白さです。私も、ノンストップで一晩で読んでしまいました。
それが代表というわけではないのですが、70年代からオリンピック開催を控えた現代まで、中国はどんな道を歩いてきたのか、を問う。この四、五〇年を振り返るというんでしょうかね。うーん、そう大河小説。そういう作品が、今読まれていて、これからも増えてくると思います。すみません、宣伝モードになってしまって(笑)。

―いえいえ。発行楽しみしています。今回は、お忙しいところありがとうございました。

泉 京鹿(いずみきょうか)
1971年、東京生まれ。94年フェリス女学院大学文学部卒業後、北京大学に留学。博報堂北京事務所に勤務の後、フリーランスに。北京を拠点にライター、取材コーディネーター、翻訳者として活動。
訳書
『ニュウニュウ‐18か月で娘を失った哲学者の至上の愛』
(周国平・著/毛丹青・監訳/PHP研究所/2003年8月)
『水煮三国志』(成君憶・著/呉常春氏と共訳/日本能率協会マネージメントセンター/2005年8月)
『告別微安(原題)』(安妮宝貝・著/小学館/2006年末刊行予定)
『兄弟』(余華・著/文藝春秋/2007年末刊行予定)など

日本語書籍を読む


最新の週刊紙から六法全書まで
在上海日本国総領事館広報文化センター

 国際貿易中心の3階にある広報文化センターは、日本に関する最新の情報を提供するために、総領事館の一部として開設されたもの。10月17日現在、会員は4528人、うち日本人は660人。

 同センターの一番の魅力は、約80種ある雑誌の最新号を閲覧できること。「中央公論」「文藝春秋」などの文芸誌から、「TRENDY」「キネマ旬報」などの情報誌、「MORE」「NONNO」などの女性誌まで幅広く揃う。雑誌以外は、小説などの一般書籍、漫画、日本語教育書、政府刊行物、新聞などがある。

一般書籍のみ貸し出ししており(会員のみ)、1人2冊まで、期間は2週間、1回に限り2週間延長できる。また、最新のCD、DVD、ビデオを視聴できるコーナーと、パソコン5台を設置したインターネット閲覧コーナーもある。

【お問い合わせ】
延安西路2201号国際貿易中心3階302室(×婁山関路)
TEL: 6219-5917
ホームページはこちら
開館時間:月~金9時半~17時
会員登録:無料。2センチ×2・5センチの顔写真2枚及びパスポートが必要。非会員の利用にはパスポートの提示が必要。

絵本の世界に浸る

上海虹文庫

 会員制図書館「上海虹文庫」は、0歳~小学低学年を対象とした絵本や児童書を置いている。
毎週火・土開館、年会費200元(3冊、2週間貸出)~。
詳細はホームページで。
【お問い合わせ】
栄華東道119弄巴黎花園7号301号室

専門書は図書館で
上海図書館
 上海図書館4階の日本語書籍の閲覧室。
法律、経済、文化などの専門書や、小説、年鑑、事典、新聞などがある。
閲覧室の利用は要図書カード申請。
【お問い合わせ】
淮海中路1555号(×高安路)
TEL: 6445-5555
開館時間:8時半~20時半(日本語書籍の閲覧は9時~17時)

充実の漫画とネット環境
花音
 漫画喫茶とはいえ、漫画の他に小説から実用本まである。
また、使い放題のインターネット(パソコン4台)、DVD見放題、PS2もある。
DVD、ゲームの持ち込み可。
料金は、条件により異なり1時間32元~。
【お問い合わせ】
古羊路1018号(×翠路)
TEL: 6278-1824
営業時間:8時~翌2時

週末はここで情報チェック
アトム食堂
 毎月2~3回の新刊の入荷で人気の漫画をタイムリーに揃える。
10種類以上ある雑誌も毎週金曜日に入荷。
ランチタイム(11時~14時)には、読書料無料などのサービスあり。
【お問い合わせ】
南京西路2007号(×烏魯木斉北路)
TEL: 6248-5849
営業時間:11時~翌2時

日本語書籍を買う


配達OKの定期購読
中国図書進出口上海公司

 店頭に並ぶ書籍のほか、書名と出版社名だけで、日本から希望の書籍を取り寄せてくれるサービスを行っている。全て人民元払い。価格は、日本円に0・15をかけた数字がそのまま人民元での料金となる。

新刊の入荷日は毎週金曜。新聞は午後3時ごろに当日分が届くようになっている。定期購読誌の入荷は、日本での発売日を過ぎた最初の金曜日となる。

受け取りは、電話連絡の後、各店舗で直接もらうか、配達となる。配達の場合、配達料として本の価格に10%を加算する。市内だけでなく、他の省でも、同料金で届けてくれる。

【お問い合わせ】
国貿店

延安西路2200号国際貿易中心1階(×婁山関路)
TEL: 5257-0578
営業時間:9時~18時(月~金)、9時~17時半(土・日)

美濃屋店
古北新区栄華東道126号維多利亜大厦F座1楼
TEL: 3223-0243
営業時間:8時~22時

匯豊店
浦東新区銀城東路101号匯豊大厦2楼
TEL: 6841-4865
営業時間:9時~18時
(ほか、水城店、虹梅店、図書服務中心がある)

海外書籍も合わせて
外文書店
 中国語の学習書が充実している同店の4階には、輸入書籍売り場がある。
取り揃えている日本語書籍は、雑誌や文庫本、漫画、ガイドブック、辞書など。
その他、英語、フランス語、ドイツ語書籍がある。
新刊の入荷日は毎週土曜日。定期購読も可能で、配達の場合の配達料は実費となる。
日本語堪能なスタッフが常駐しているので、欲しい書籍を事前に電話確認しよう。
【お問い合わせ】
福州路390号(×山西南路)
電話:6322-3200×251
営業時間:9時半~18時(日~金)、9時半~19時(土)

本を格安で手に入れよう
フクゼン

リサイクルショップ・フクゼンでは、古北店と浦東店で古本を取り扱っている。
文庫本、単行本のほか、育児書や実用書、ガイドブック、中国語学習書など。
価格は文庫で5元~25元。
【お問い合わせ】
古北店
栄華西道19弄金獅花園5号102室
TEL: 6295-1071
営業時間: 9時~21時

誰かの本と交換しよう
オールシーズン
リサイクルショップ・オールシーズンでは、読み終わった本を、別の本と交換できるサービスを行っている(購入書籍はなし)。
交換は、同価格の本とで、例えば、文庫本なら文庫本と、漫画なら漫画との交換となる。
【お問い合わせ】
仙霞路1398号(×哈蜜路)
TEL: 6291-9071
営業時間:9時半~22時半

~上海ジャピオン11月3日発行号より

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