夏だ! ウォータースポーツにチャレンジ!

リズミカルに腰を回す
取材班が最初に訪れたのはカヤックエリア。
一見、
カヤックとカヌーはよく似ているので
混同されがちだが、
カヤックはデッキがクローズドタイプで、
パドルの左右にブレードが
2枚付いているのに対し、
カヌーはオープンデッキで、
ブレードは片側のみ、という点で異なる。
カヤックはブレードが2枚ある分、
1人でも操縦しやすく、スピードが出て、
小回りが効くというのが利点だろう。
漕ぎ方の基本は、
両腕が直角になるようにパドルを横にして持ち、
右腕をいっぱいに伸ばして水を捕らえ、
ブレードを引き寄せると同時に左腕を前に出す。
後はこの動作を繰り返すのみだが、
腕を回すというより、
腰をリズミカルに回転させるのがポイントだ。

肩の力を抜いて漕ぐ
初めてのカヤックということで、
興奮気味のキャス。
まずは、
今回お世話になるインストラクターの
張さんからパドルの使い方を教わることから始め、
身振り手振りを真似して真剣に学ぶ。
10分程練習したところで、いよいよ乗船。
乗った瞬間に船体がグラついて
焦るキャスだが、
指示通り重心を腰に置き、
バランスを取ることができた。
早速漕ぎ出したものの、
いざ実戦となると、
なかなか教わった通りにはいかず、
真っ直ぐ進むはずが、
大きくカーブしたり、
時には1回転もしてしまう。
そんな様子を見た張さんが、
両手を肩幅ぐらいに開いてパドルを握り、
ストロークの幅を少し狭くするようアドバイス。
すると、キャスも徐々に
自分の思う方向に進めるようになり、
リラックスした状態で漕げるようになった。
鮮やかなパドル捌き、
とまではいかないものの、
速度も上がり、
開始後約30分で
自在に操るキャスに張さんは合格サイン。
キャスも初めての割にはよくできた、
と満足し、次の場所に向かった。

風こそが動力源
取材班が次にレポートするのはヨット。
「セーリング(帆走)」を
楽しむのがヨットの醍醐味だが、
進む原理は次の通り。
セールの周囲を流れる風によって
「揚力(船の進行方向に対して
斜め前方から吹いてくる風の力)」が発生。
この揚力のうち進行方向に
垂直にぶつかってくる力を、
船底にあるキールとセンターボードが
打ち消すことで、
進行方向への推進力が働く。
後は、セールの開き具合や角度を
調節して揚力を活かし、船を前進させる。

風との一体化を楽しむ
「ウォーターボーイたる者、
ヨットぐらい乗れないとね♪」と、
余裕を見せるキャス。
セーリングを任されることになり、
自分のセーリング姿を想像して
ニヤついていた彼だが、
出航5分後に船酔いを催す。
「ウゲ~」という喘ぎ声と共に、
みるみる顔色が悪くなっていく。
そんなキャスを全く気にかけず、
張さんは淡々と説明を始める。
最初は「ランニング(追い風帆走)」を学び、
張さんが示す方向に、
必死にロープを引く。
どんなに力を入れても引けなかったロープだが、
身体を少し傾斜させると、
どんどんロープが出てきて、
セールの角度が変わった。
すると、エンジンはオフなのに、
真後ろからの風で船が進み始めた!
感動したキャスは顔色も戻り、
表情にも自慢の爽やかな笑みが漏れている。
続いて、
風上に向かって航行する
「クローズホールド」に挑戦。
通常、
ヨットは後方からの風を動力源とするため、
真っ直ぐ風上に進むことはできないという。
キャスは帆の角度を調節し、
横に流れる風を受けようとするが、
ヨットは横に進むばかり…。
結局は張さんが手本を見せただけで
終了となったが、
キャスは自分でヨットを動かせたことに満足し、
笑顔のまま船着き場に戻った。

ヨット+サーフィン
ヨットを無事終え、
3つ目はウィンドサーフィン。
ヨットのセールとサーフィンボードを
融合させたもので、
ヨットよりも軽く、
サーフィンよりも速く水面を滑走する。
ボード上にリグを取り付け、
ヨット同様、立てたセールが風を受け、
その時に発生する揚力が主な動力源だ。
また、風が強くスピードが増すに従って、
次第にボードが浮き上がり、
最終的にはボードの後方部だけが
接水したまま滑走する「プレーニング」が可能で、
これにハマる人が多いのだという。

バランス感覚を養う
自称〝水も滴るイイ男〟のキャスだが、
サーフィンは未経験。
イイ男度合いを上げるためならと、
ずいぶん張り切っている。
まずは張さんから立ち方の手ほどきを20分程受け、
セールなしのボードに立ってみる。
ボードに恐る恐る片足ずつ乗せ、
無事にスタンディング成功。
今度は両足の間隔を徐々に広げ、
バランス点を見つけていく。
平衡に立てるようになったところで、
次の指令はジャンプして、
クルッと回ること。
「え~!?」と、
最初こそ戸惑っていたものの、
落水せずに回転して見せたキャスに、
周りから惜しみない拍手が。
気を良くしたのか、
キメ顔で何度もポーズを取って見せる
キャスに困る取材班であった。
バランス感覚が掴めたら、
次なる課題は、セールを付けて立つこと。
早速セールを手に、
果敢にトライするキャス。
しかしそこで「ザブーン!」という音が響き渡る。
カッコをつけて、勢い良く乗った瞬間、
バランスを崩したようだ。
その後、乗っては落ち、
乗っては落ちを繰り返しながら、
40分程練習し、
何とかセールを握って立てるようになった。
沖に出て滑走するにはまだまだ訓練が必要だが、
新たな刺激に触れる喜びを知ったキャスは、
後ろ髪を引かれつつも次の場所へ向かった。

20人一体のスポーツ

中国ではおなじみのドラゴンボート。
同競技は、太鼓を鳴らし、
漕手の漕ぐタイミングを制御する太鼓手1人、
ボートの進路を指示する舵取りが1人、
そして漕手18人の合計20人で構成される。
チームプレーなので、
一見1人ひとりの負担が少なく、
簡単そうに見えるが、
漕手だけでなく、
太鼓手や舵取りほか全員のタイミングを見ての
ローイングはかなり難しい。
漕手は斜め前の漕手とタイミングを合わせ、
最前列の2人がお互いに力やペースなどを合わせる。
これにより漕ぐペースにバランスが生まれ、
より速く船を前進させるのだ。

チームプレーの醍醐味
4つ目の種目とあって、
さすがのキャスも疲労の表情。
そんな彼の目の前に現れたのが、
今回協力してもらう
海尚帆友ドラゴンボート隊だ。
まず漕ぎ方を教わり、
他のメンバーの邪魔にならないよう個別に特訓。
カヤックと違い、
1枚ブレードで「砂をすくうように漕ぐ」
という鉄則を守り、
必死にパドルを振る。
その後は、
腕立て伏せや腹筋などのストレッチを行ったが、
「ハー、ハー」と息を切らし、
腕立て10回目で力尽きる自分が情けなく、
しょんぼりするキャスだった。
準備運動も終わり、いよいよ乗船。
園内に響き渡る太鼓と掛け声で、
舟は勢いよく進む。
キャスもキメ顔など忘れ、
必死で漕ぐものの、
皆のスピードに追いつけず。
それでもリズムを見ながら、
何とかタイミングをつかみ、
皆と呼吸を合わせる。
ついには、
一緒に掛け声を上げながら漕げるようになった彼に、
メンバーが拍手を送る。
最初はへばっていたキャスだが、
航行もあっという間に終わり、
20人で行うチームプレーの醍醐味を味わったことで、
達成感に満ちた表情を見せる。
これからも水上スポーツを続けるぞ!
と意気込む彼をなだめながら、
取材班は帰路に就いた。

~上海ジャピオン2012年7月13日号

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