老師のイントロ読書~『万暦十五年』

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オススメポイント

同作は中国史研究の分野において著名な研究者・黄仁宇が、明王朝末期の中国について著したものです。中国誌『書城』の〝20世紀後半に大きな影響をもたらした書籍ベスト20作〟に選ばれており、日本語、フランス語など多くの言語に翻訳され、世界各国で読まれています。

長きに渡る栄華を誇った明王朝が、政治腐敗や権力争いによって衰退する様子を克明に描き、儒教ベースの道徳による明の政治体制が行き詰まっていく情景を浮き彫りにします。時の皇帝・朱翊鈞の死後、20年で明が滅亡することを考えて読むとさらに感慨深い1作です。

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爛熟の迎えた明王朝末期の退廃を綴る

万暦とは中国の元号のひとつで、西暦1573年~1620年に当たります。当時の明王朝は、内に財政難、外には女真族の台頭といった問題を抱えていました。しかし朱翊鈞は政治に関心を持たず、私利私欲に走ります。彼の周りには、政治的な手腕に優れる張居正や海瑞、また優秀な武将であった戚継光がおり、それぞれ変革を試むのですが…。

高名な中国史の専門家が、滅亡へ向けて突き進む明王朝を綴ります。

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~上海ジャピオン2014年7月18日号

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