人と人との、体と心が触れ合える文化教室
肩こりや頭痛を緩和するマッサージの技術を、文化学校「TTC」のマッサージ教室が教えている。まだ開講して1カ月だが、関心を持つ日本人主婦は増加中。その魅力を探りに、10月24日(火)、同教室の授業風景を覗いてみた。
初心者へ教える挑戦
「初心者に教えること。これは、僕にとってもひとつの挑戦なんです」講師を務める龔康祖(きょう・こうそ)先生は流暢な日本語で話す。
両親が医師だったため、龔先生は小さい頃から中国医学の影響を受けた。1988年、マッサージを学びに日本へ渡り、以後17年間、日本でダイエットや整体の仕事に就く。そこで学んだのは、治療を目的とした中国マッサージとは対照的な、リフレッシュやリラックスを目的とした日本独特の発想だった。
「僕の教える技術は、このふたつのミックスなんです」
初心者にこの技術を伝えるため、龔先生は心を砕いている。教材は簡単なものを探し、それをさらに易しくアレンジした。今回3回目を迎えた教室は、まだまだ模索中だ。
長年日本で暮らした龔先生の日本語はなめらかで、教室の雰囲気もなごやか。
家族関係をケアする力
「自分の鼻は、相手の背骨の直線上に……」交互にマッサージを試す4人の日本人主婦の生徒に、龔先生が丁寧に教える。「授業後、習った技術を夫に試すんですが、それだけでも喜ばれますね」生徒の中山さんは照れながら話す。
「多くのスポーツや文化の中、人と人が触れ合うのはマッサージくらい。そこに、夫婦や親子の関係をケアする力があります。生徒からそんな声を聞いた時、達成感がありますね」それは、龔先生の挑戦が実を結ぶ瞬間なのだろう。
マッサージは長い歴史を持つ伝統技術。易しく工夫しながらも、きちんと理論的な説明も行う。
TTCでは、火曜14時~16時、マッサージ教室を開講中。気功教室もある。
お問い合わせは、6274‐3830。
~上海ジャピオン11月3日発行号より