日々の記憶を編む文化展

忙しい心も、時間が余っている心も和ませる


 パッチワーク、中国結び、ビーズ、手編み……様々な手芸品が並ぶ展示会を、文化教室「澤華塾」が開いている。
 文化ごとに独自の様式がある手芸は、異文化交流にぴったり。上海に暮らす外国人に、そんな文化的な楽しみを見つけてもらうことがテーマだという、この展示会を訪れた。

金沢へも出品する手芸

 中国結びのクリスマスツリー!? マンション1室にある展示スペースには、そんな個性的な作品も見つかる。実はこの作者が、澤華塾の代表にして先生も務める金榕さんだ。
 「母も姉も手編みの達人」という金さんは、自身も大の手芸好きで、94年に日本に住んでからも手芸を続けた。金沢で中国語教室を開いてからは、市の国際交流イベントに手芸ブースを出すようになる。01年に上海に戻った金さんだが、今でも毎年、金沢へ手芸品を送っているそうだ。
 03年、金さんは上海で「澤華塾」を開く。自らも中国結びを教えるほか、パッチワークの先生も招き、手芸教室も軌道に乗った。そしてことし12月、手芸展を初開催。
 「手芸品には、作っていた日々の思い出が残る。その記憶を、記念に飾りたい」。パッチワークの先生の言葉が、手芸展のきっかけになった。

並んだ手芸品の多くは、先生の作品。今後は、生徒の作品もどんどん展示していく予定。

忙しくてもヒマでも
 小さなストラップから壁一面のパッチワークまで、ぎっしり並ぶ手芸品。その風景が、ひとつの作品のように心を和ませる。金さんは、定期的に展示会を開く予定だ。
 「忙しい人の心、時間が余ってる人の心、手芸はどちらも落ち着かせてくれます。自分で手芸の時間を作って、上海の生活をぜひ楽しんで」

壁にも、小さなストラップ作品がずらり。ビーズや糸の販売もしている。

澤華塾では、中国語のほかパッチワーク、中国結びの教室を開講中。
手芸展は、12月30日まで開催。見学無料。
お問い合わせは5477‐3621。

~上海ジャピオン12月15日発行号より

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