チャイナ地理塾:黒龍江省

1.北のビアホール

 中国のビールといえば、有名なのは青島ビールだね。でも実は、中国で一番最初のビールは黒龍江省の省都・ハルピンの「哈爾濱?酒」なんだ。
 19世紀末、帝国ロシアによる東清鉄道建設などをきっかけに、欧風文化や建築、そしてビールがハルピンに入ってきた。それからハルピンの街にロシアやドイツのビール工場が作られ始め、街中にはビアホールも現れたんだ。店には毎日決まった時間に、木樽をいっぱい積んだ馬車がビールを届けに来た。お客たちは店で、その日一番の新鮮な生ビールが届くのを待っていたんだよ。
 今もハルピンの人はビールが大好き。ハルピンのビール消費量は、世界の中でもトップクラスなんだ。

2.究極の寒中水泳

 中国の最北端にある黒龍江省。ハルピンの1月の平均気温はマイナス20度、中国観測史上最低気温のマイナス52度を記録したこともあるよ。ハルピン市を貫く大河・松花江には、冬になると厚さ1メートルにもなる分厚い氷が張るんだ。
 なんと、そんな松花江に元気に飛び込んでいく若い女性や70歳を過ぎたお年寄りがいる。実は、河の氷を四角く切り出して天然のプールを作り、みんなここで寒中水泳を楽しんでいるんだ。なんでも水温は外の気温よりも水温は外の気温よりも高いらしい。とはいっても、マイナス1~2度。大部分の人はものの数分で引き上げていくみたいだ。
もちろん寒中水泳だけでなく、スキーなどウィンタースポーツの設備も整っているよ。

3.世界一の滝の雪像

 今回で19回目を迎える「太陽島雪像芸術博覧会」が、昨年12月20日に始まった。この博覧会、いわゆる「雪祭り」は毎年行われるハルピンの冬の名物。毎回趣向を凝らした雪像が出展され、各地から大勢の観光客が集まるよ。以前にはすべて氷でできた「氷のホテル」なんていうのも登場して、キッチン・トイレも完備、チケットを買えば宿泊もできたんだ。
 今回の目玉は、カナダのナイアガラの滝をモチーフにした、「氷雪の滝」だ。モチーフも巨大なら、作られた雪像も超巨大。全長は256.56㍍、最大幅14.55メートル、最高点の絶対高度は16.57メートルで、「世界最長の雪像」としてギネス認定を受けたんだ。

黒龍江省ってどんなとこ?

中国の最北に位置する省。
北側をロシアと隣接しているため、省都・ハルピンでは、ロシア風建築やロシア料理店が多く見られる。
【人口】3,817万人
【面積45.4km2
【省都】哈爾濱
【民族の割合】漢族 94.3%  その他民族 5.6%
【平均寿命】72.37歳
【都市部平均年収】8,273元(約124,095円)
【農村部平均年収】3,221元(約48,315円)

■次回予告■内モンゴル自治区

①内モンゴルの赤いごちそうって何?
②内モンゴルで人気の伝統スポーツは?
③暖房や料理に不可欠な燃料は何?

~上海ジャピオン1月26日発行号より

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