チュンジュエン
春巻
~江蘇省南京市~
今や点心には欠かせない春巻き。具材や皮のバリエーションも様々
春のピクニックのお供
最初は特大サイズだった!?
日本でもお馴染みの春巻き。
その美味しさはもちろん、気軽にぱくっと食べれることから、お弁当などでも大活躍する存在だ。
しかし、今のような形になったのは、改良後のこと。
発祥時は、大きな皿ほどのサイズだったのだ。
そのルーツは、今から1500年以上前に遡る。
紫金山に位置する中山陵は、孫中山(孫文)の陵墓
今の南京にあたる建康に都を置いていた東晋時代。
漢族の貴族たちは、春になると野辺を散策に出かけていた。
風流を重んずる彼らは、ある年の立春の日、
せっかくだから春の野菜を味わえる料理を持って出かけようと提案した。
そこで作られたのが、皿の上に粉で作った薄い皮を敷き、
その上に新芽が出た野菜を載せて食べる「春盤」という料理だった。
これが、今の春巻きの前身となる。
この春盤は、大きな皿(中国語で「盤子」)に合わせて作った皮を使用することから名付けられた。
その後、北方では「春餅」、唐の時代には「五辛盤」などと名前を変え、庶民の間へも広まっていった。
清朝時代には、宮廷のお菓子としても献上されるようになり、
全128種類の満漢全席の中で、9種の主要な点心のうちのひとつとして親しまれる。
宮廷料理のひとつとなったことから、料理の開発や研究に勤しんだ宮廷料理人たちによって、
春巻きはさらに改良されていった。
そのうち、大きさは食べやすい今のサイズへと変化し、巻いて食べるようになったことから、
名前も今の「春巻」で定着していったのだ。
ピクニックをするにはまだ寒さが厳しいが、
2月4日(金)の立春には、昔の風習にならって春巻きを食してみよう。
【アクセス】
①上海浦東空港から空路にて南京禄口空港まで、約40分。1日1便
②上海駅から南京駅まで、新幹線(動車組)で約2時間半、硬座93元~
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~上海ジャピオン1月28日号