民族訪ねて三千里~第18回

中国北部の水稲の里? 始祖伝説の伝わる山
朝鮮族は、中国東北部の三省を中心に暮らし、
朝鮮半島以外では世界最大のコミュニティを形成する。
この一帯は、良質で栄養に富んだ白米を産出することから、
〝水稲の里〟と讃えられている。
最近では、伝統的な餅つきの習慣は、
電動餅つき機に取って代わったとか。
朝鮮族は、独自の習俗を重視しており、
チマ・チョゴリなどの民族衣装、
パンソリ、タルチュムなどの民俗芸能のほか、
豊作祈願や収穫祝いなど、
季節ごとの農業と関連する祭りを盛大に行う。

民族衣装のチマ・チョゴリを着た女性

祭りの際、必ず披露されるのが
「農楽」と呼ばれる伝統芸能で、
これは銅鑼や太鼓など、
主に6種類の楽器を用いた演奏の中で踊るものだ。
主楽器の1つである「チャンゴ(杖鼓)」
は日本の鼓を大きくしたような形状の打楽器で、
「チャンゴの踊り」や
「アリラン」には欠かすことができない。

朝鮮族の伝統的な家屋は、
オンドルという暖房設備とチシルという土間、
プオクという厨房の3つで構成される

延辺朝鮮族自治州には、
朝鮮両江道との国境地帯に白頭山(白長山)
という活火山がそびえている。
この山には様々な伝説が残されているが、
朝鮮族の祖とされる「タングン (檀君)」
が生まれた場所とも言われる。
天から遣わされたファヌン(桓雄)は白頭山に降り立ち、
人間界を治めていた。
ある時、人間にしてほしいと願い出た熊と虎に
ファヌンは試練を与え、
この試練を乗り越えた熊だけが〝ウンニョ(熊女)〟
になったという。
ウンニョとファヌンの子どもはタングンといい、
その後王国を建設したという。
白頭山頂上には「天池」
と呼ばれる直径約4㌔のカルデラ湖があり、
独特の景観をなしている。
その雄大な景色を、一度は自分の目で眺めてみたいものだ。

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度重なる火山爆発と陥没によって生まれたカルデラ湖

~上海ジャピオン11月18日号

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