水滸巡礼~108の足跡~張青(ちょうせい)

suiko-v1

suiko-v2

鬼嫁を想う愛深き旦那
張青(ちょうせい)

ゆかりの地 安徽省黄山市
あだ名 菜園子
職業 料理店経営
宿星 地刑星

河南省焦作市孟州市出身。
人肉マントウの店を営む孫二娘(そんじじょう)の夫。
放浪先で対決した男の娘、孫二娘と結婚し、
夫婦で料理屋を開いた。
その後、来店した武松、魯智深らの勧めで入山する。
最期は方臘の戦い、歙州戦で、妻とともに戦死。

破天荒な妻を支える夫  
知られざる妻の過去
張青は、孟州(現河南省焦作市孟州市)で料理屋を営む。
かつて、寺で野菜畑の番人をしていたことから、
「菜園子(さいえんし)」と呼ばれたが、
些細な事で住職を殺し、強盗に身を落とす。
そしてある日、張青は獲物にある老人を選ぶ。
しかしこの老人が思いのほか腕が立ち、
張青の方が打ち負かされてしまった。
ところが老人は張青を気に入り、娘婿にと迎え入れる。
その娘こそ、恐怖の人肉マントウで知られる、
孫二娘(そんじじょう)であった。

suiko-v3

昔ながらの街並みが残る徽城鎮。
歙県(きゅうけん)の中心部に位置し、硯の産地として有名

そんなある日、張青が街から戻ると、
孫二娘が武松に殺されそうになっていた。
彼女は、相手が武松と知らず、
手に掛けようとして返り討ちに遭ったのだ。
張青は何とか武松の怒りを鎮めようと、必死に謝罪する。
彼は、見境なく人を殺す孫二娘に手を焼きつつも、
母を賊徒に殺され、賊徒への報復の機を窺って暮らす
彼女を愛していたのだった。
またその後、役人に追われて村に逃げ込んだ武松を助けたことで、
武松の兄貴分である魯智深から、入山を勧められる。
賊徒はなかなか現れないし、このまま店をやっていても仕方がないと、
張青は孫二娘を説得して入山。
その後、任されたのは山塞の料理店経営で、
2人は諜報機関でもあるこの店を営む傍ら、
夫婦で戦に出て、手柄を立てる。
物語では孫二娘の活躍が多かったが、
その陰で、常に嫁を支える夫の姿があった。

suiko-v4

黄山。標高1864mを誇る。
怪石、奇松、雲海、温泉は「黄山四絶(黄山の4絶景)」と呼ばれる

張青が最後に倒れた安徽省黄山市徽州(きしゅう)。
かつては、文化都市として賑わいを見せ、
京劇のもとになった「徽劇」が有名だ。
この地を訪れ、徽劇で鮮やかに描かれる
『水滸伝』を楽しみたいものだ。

【アクセス】
①上海虹橋空港から空路にて黄山屯溪空港まで約1時間
②上海駅から黄山駅まで、快速列車で約11時間半、硬座93元

suiko-v5

~上海ジャピオン2013年4月12日号

最新号のデジタル版はこちらから




PAGE TOP