水滸巡礼~108の足跡~楊林(ようりん)

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山塞の万能なる豹
楊林(ようりん)

ゆかりの地 河南省安陽市
あだ名 錦豹子
職業 歩兵軍将校
宿星 地暗星

河南省安陽市出身の流れ者の盗賊。梁山泊の公孫勝(こうそんしょう)や戴宗(たいそう)との出会いが縁となり、入山。各地を渡り歩いていたため、情報収集力に長け、伝令や諜報員として活躍。方臘の戦いの後は飲馬川(現天津市付近)に隠棲した。

多才さで乱世を生き抜く
幾度も危機を切り抜ける

楊林は河南省安陽市出身の盗賊。精悍な顔立ちで肩幅が広く、風采が立派で、また、柄が空洞状になった鉄槍「筆管槍(ひっかんそう)」を自在に操っていたことから、「錦豹子(きんびょうし)」と呼ばれていた。

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宋代は彰徳府と呼ばれた安陽城隍廟。総面積6773m²を誇り、5つの宮殿と4つの庭園からなる

楊林はある時、薊州で梁山泊の道士・公孫勝と出会った。かねてより山塞に憧れていた楊林を公孫勝も気に入り、2人は意気投合。公孫勝は梁山泊への推薦状を書いてやったが、なかなか赴けずにいた。そして数カ月の後、山道を歩いていた楊林は、とてつもない速さで走ってくる男に出くわす。彼もまた梁山泊に属し、神速で知られる戴宗という人物で、梁山泊を出たきり戻って来ない公孫勝を探しているところだという。楊林は公孫勝探しの供をすると申し出て、2人は義兄弟となった。

2人はそのまま山道を駆けていくうち、1人の山賊が襲ってきた。以前ともに行動したこともある、鄧飛(とうひ)だった。彼は楊林を確認すると刀を収め、仲間を引き連れ、2人に同行することを決める。しかし結局、公孫勝は探し出せず、一行はそろって入山した。

その後の楊林は歩兵軍で活躍。流れ者だった経験を活かし、戦闘要員としてはもちろんのこと、変装、潜入、使者など、様々な役割を果たした。敵の捕虜になったり、疫病にかかったりと何度も死ぬ目に遭うも、すべて間一髪のところで逃れ生還を果たす、という強運の持ち主であった。

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文峰塔。1000年以上の歴史を持つ古寺。造りが頑丈なことで知られ、かつて2度の大地震に見舞われたが、倒壊しなかった

楊林の故郷、河南省安陽市。北京や南京などに代表される中国7大古都の1つとして知られる。持ち前の多才さで梁山泊に貢献した錦豹子・楊林は、文字通り故郷に〝錦〟を飾ったことだろう。

【アクセス】
①上海浦東/虹橋空港から空路にて邯鄲国際空港まで約2時間
②邯鄲駅から安陽駅まで、快速列車で約45分、硬座11元
③上海駅から安陽駅まで、快速列車で約16時間半、硬座148.5元

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~上海ジャピオン2014年1月17日号

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