食道をゆく 第2回 姜糖

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姜糖(生姜飴)~湖南省鳳凰県~

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大量の生姜を練りこんだピリリと辛い生姜飴。ごま味などもある

子ども向けの風邪予防
路上パフォーマンスを見学

 日本でも自然派のど飴として親しまれている生姜飴だが、
そのルーツは、2001年に国家歴史文化名城に指定された、中国の湖南省鳳凰県にある。
 湖南省は、春は霧雨が続き、夏は猛烈に暑く、秋は過ごしやすいが、冬は厳しい寒さが続く…
と四季が非常にはっきりした気候。
そんな環境の中、古来より穀類中心の食生活で厳しい労働をしていた人々は、風邪を引きやすかった。
大人たちは、「風邪など医者に掛かるまでの病気でもない」と、生姜湯を作って予防していたが、
味が苦いため、子どもは飲みたがらなかった。そこで大人たちが知恵を絞って、
子どもがおやつ代わりに食べられるようにと、300年ほど前の清朝の頃に作ったのが、生姜飴だったという。
 鳳凰県では、今も生姜飴作りの店が何件も並び、路上で飴を練るパフォーマンスを行っている。
一番有名なのは劉氏の生姜飴だが、ほかにも張氏・賈氏・彭氏・李氏・陳氏のものなど、
各店競って「元祖」を名乗り、姓を冠にした商品を売っている。
各店で少しずつ味が違い、色が濃いほど辛さが強い。

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四合院造りの沈従文故居

 また、鳳凰県は中国の現代作家・沈従文の故郷でもあり、小説『辺城』の舞台としても知られる。
テレビドラマ化された際には、ロケ地としても登場した。
湖南省で最も有名な古鎮とされる鳳凰古鎮では、
湖南の少数民族・苗(ミャオ)族の生活風景が垣間見られ、苗族独特の住居「吊脚楼」も見ごたえ十分だ。
 是非、現地で実際に路上パフォーマンスを見て、
練りたての生姜飴をコロコロと口に含ませながら、ゆったりと石造りの古い町並みを散歩してみたい。

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【アクセス】
①上海南駅から懐化行きの快速列車で吉首まで約22時間。
吉首から鳳凰までバスで約1時間20分
②飛行機で上海浦東空港から張家界まで約2時間15分。
鳳凰まで車で約4時間半~5時間

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~上海ジャピオン7月24日号より

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