古代西夏の首都へ
オレはウルフ。ロードバイク好きの留学生。中国の国道を自転車で旅してるんだ。今日は寧夏省の省都である銀川市を通過して、次の甘粛省の手前の中寧市までは進みたいぜ。
100㌔近く漕いで、銀川市に到着! 銀川市は南に行くほど少しずつ上り坂になっていて、じわるぜ。おっ、あれは目当ての映画村「鎮北堡影視城」だな! 〝東方版ハリウッド〟とも呼ばれていて、チャウ・シンチー(周星馳)監督作品の「大話西遊」も撮影された場所らしいんだ。中を見学できるし、俳優気分を味わえて最高だな。
そろそろ昼飯にするか。ここはやっぱり羊肉! いろいろ羊肉メニューがあるけど、「手抓羊肉」ってやつにしよう。羊肉をパクチー、胡椒の調味料などと一緒に茹でた羊肉で、〝好吃(ウマい)〟だぜ。それに「醸皮」も追加っと。酸っぱくて少しピリ辛だけど、この季節にはもってこいだな。
少し観光をして行くか。ここ銀川市は、古代西夏の時代の首都だったから「西夏王陵」が残っていて、そこも見て行きたいけど、日が暮れる前に中寧市に着きたいから先に進もう。
「クコの実」に悶絶
この辺りの道はずっと黄河の支流と平行になっていて、かすかに湿った風が気持ちいいぜ。高原続きだったから、こういう風土は漕ぎやすいな。
ふう~、中寧市に到着。ここは「クコの実」の産地で、漢方として使われたり、あと杏仁豆腐の上に乗っかっているあの赤い実もこれらしいんだ。1口パクリっと。まずまず、かな。 さあ、明日の蘭州ラーメンの故郷、甘粛省への出発に備えるとするか。さあ、次の街を目指してゴーイングハイウェイ!
~上海ジャピオン2016年06月03日号